Good Charlotte (グッド・シャーロット) 7枚目のアルバム「Generation Rx」。
前作「Youth Authority」から2年2カ月。途中クリスマスEP「A GC Christmas, Pt. 1」を挟んでリリースされるのは、寂しさのある思いと音。
ジャケットから暗さがありますが、変化にビックリさせられるサウンドです。
Generation Rx 収録曲概要
「Generation Rx」収録曲は以下の通り。
- Generation Rx
- Self Help
- Shadowboxer
- Actual Pain
- Prayers
- Cold Song
- Leech (featuring Sam Carter)
- Better Demons
- California (The Way I Say I Love You)
9曲で31分。アルバムを通しての表現したいことがあるからでしょうけれど、多くの人がバンドに持っているであろう明るいイメージではなく、暗いサウンド。
唯一ラストの「California (The Way I Say I Love You)」が、あくまでもこのアルバムの中ではというぐらい。短い時間で凝縮する必要があったのかも…。
特に初期のイメージを持っている人からすると、驚きのあるサウンドと内容になっているのではないでしょうか。時代とともに、変化をしていくバンドです。
Generation Rx
アルバム・タイトル曲「Generation Rx」。(1曲目)
日本語にすると「処方箋世代」。何かしらの理由によって心が病んでしまった際に出される、処方箋。薬を飲むことが当たり前になった、世代への思いの歌。
Where does all this pain come from?
「この痛みはどこからくるの?」。物理的な怪我や他の病気のように、場所が特定できない痛み。他の人には決して分からない、自分だけが感じるもの。
心が病んだことがないので理解しづらい部分もありますが、短い歌詞の中に寂しさと、なぜ自分がこんな状況になったんだ? のメッセージを感じさせます。
Self Help
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自分を知ることから始めてみよう「Self Help」。(2曲目)
誰に助けを求めても、状況が変わることはない。だからこそ自分自身を知り、できることをする。当たり前のことですが、気が滅入ると忘れてしまうこと。
All I have right now is right here
「俺が今いるのはここだけ」。頼って何もないと嘆くのではなく、あなたはそんな弱くないよということを、表現しているのではないでしょうか。
結果として最終決断をするのは自分。まず己を知り、行動をする。誰かではなく、自分のことであればきっとできるからと、背中を押してくれているのかも。
Shadowboxer
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憎しみの中で思う感情が寂しい「Shadowboxer」。(3曲目)
I remember suffering with every single word they said
「彼らの一字一句に苦しんだのを覚えている」。始まりの言葉。同じ内容であっても受け取り方によって意味合いが違ってくる言葉。
相手にとってはなんてことない言葉が、自分にとっては苦しみなってしまうこともある。だからこそ発する言葉は、気をつけなければいけないと感じさせます。
Alone inside
I wish that I could die
「1人で死にたい…」。相手に憎しみを感じているのに、反撃をしようとするのでなく、1人で死にたい。相手は傷付けないけれど、寂しい思いです。
攻撃する相手がいないからこそ、シャドーボクサー。仮想の相手 = 傷付けるのは自分というのは、聞いていて切なさでいっぱいになります。
Actual Pain
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アルバム・リード曲「Actual Pain」。(4曲目)
この痛みは痛みはいつまで続くの? の思い。その原因、終わりの見えていない痛みだからこそ、聞いていて寂しさでいっぱいになる曲。救いはありません。
Tell me, why I hurt this way?
「教えてくれ。なぜ傷つかなければいけないの?」。痛みを感じる理由が若菜内だけでなく、目の前にあるドアも怖くて開けることができない。
先に進む事が怖いというのは、後ろしか見えていないこと。聞いていて、寂しい思いでいっぱいになる歌です。
Prayers
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その思いにびっくりさせられる「Prayers」。(5曲目)
曲調は雰囲気があるのですが、歌詞をみるとギャップがある曲。聞き手次第でいろいろな受け取り方ができることは、間違いありません。
Would you die for me today?
「今日俺のために死んでくれないか?」。ここだけを見ると復讐心のようにも思えますが、祈りの届かない相手と歌詞の中で表現されています。
このことを加味して考えると、祈りの届かない相手とは心の中にいる別の自分なのではないでしょうか。病んでしまったからこそ、薬を処方されるので…。
何が正解かは分からないというのも、興味深さにつながっています。単曲ではなく、アルバム全体で表現するからの世界。あなたはどう受けとるでしょうか?
Cold Song
君は1人ではないから「Cold Song」。(6曲目)
曲名だけを見ると冷たさかと思いきや、温かみのある歌。同じことでも考え方を変えるだけで見え方が異なるというのは、実際にあること。
心がまいってしまうから、忘れてしまいがちなことを教えてくれます。
Life’s funny, it’s a game we play, you know we run
「人生は面白いよ。ゲームをしているだけなんだから」。人生と同じ様にどこかで終わりがあるゲーム。それでもその時までは楽しんで行うもの。
コンテニューできないというのはありますが、人生はゲームだと思ったら、つらいこともクリアするためもフラグを発生させるものだと思えるかも…。
MVなどはないですが、個人的にアルバムの中で一番オススメする曲です。
あとがき
今までのアルバムにはない、暗さと重さを持った内容。時折明るさの中に見せる部分ではありましたが、全体となると驚きがあるサウンドです。
人によって求めるものはありますから、評価が割れるのは間違いない内容。バンドも分かっていながら、それでも表現したということに大きな意味があります。
寂しさがあるからこそ、明るさが生きてくる。メッセージのしっかりある歌詞も、今が最低であっても変われるから! の思いがあるのかもです。
不得意さを感じさせるサウンドも、完全ではないからこそがリアルになっている形。逆に次のアルバムは、めちゃくちゃ明るい音になるかも…。
バンドのベストの1枚ではないかもですが、興味深い内容とサウンド。相応の評価がされるのは、次のアルバムでリリースや、時を経てからかもしれません。
以上、『Good Charlotte:Generation Rx ~この痛みは一体いつまで続くの…~』でした。
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JOE (ジョウ)
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