ゴールデンボンバー 3枚目のオリジナル・アルバム「キラーチューンしかねえよ」。
シングル4枚をはさみつつ、2枚目のオリジナル・アルバム「ノーミュージック・ノーウエポン」から2年半ぶりのリリース。
他のビジュアル系バンドでは付けないであろうゴールデンボンバーらしいタイトルのアルバムは、その名と通り最初から最後まで楽しめる内容になっています。
キラーチューンしかねえよ 収録曲概要
「キラーチューンしかねえよ」収録曲は以下の通り。
- 口上
- 燃やして!マイゴッド
- やさしくしてね
- やんややんやNight ~踊ろよ日本~
- 水商売をやめてくれないか
- #CDが売れないこんな世の中じゃ
- お前を-KOROSU-
- スイートマイルーム
- うれしいかなしい
- 海山川川
- 誕生日でも結婚式でも使える歌
- あの日君を傷つけたのは
- ドンマイ
誰が見ても分かりやすい、日本語のタイトルだらけとなっているのが特徴。ビジュアル系というと、英語や難しい日本語増えるのに、選択が面白いですよね。
曲名が面白いだけでなく、アルバム・タイトル「キラーチューンしかねえよ」の通り、キラーチューンだらけなのも、大きな特徴です。
キラーチューンとは一体何?
アルバム・タイトルに入っている「キラーチューン(Killer tune)」。
普通に思い浮かべる「Killer」の意味は、殺人者や殺し屋と思い浮かべる人が多いと思います。「tune」は単純に曲ですね。
となるとキラーチューンとは殺す曲、シングルやアルバムのぐちゃぐちゃにしてしまう曲かというと、全くそういう意味ではありません。
「Killer」には殺人者や殺し屋だけでなく、驚異的なもの、素晴らしいものという意味もあります。真逆とも言える意味がある英語は、やっぱり面白い!
で、キラーチューンは何かというと「人をひきつける魅力のある曲」のこと。
ですから、「キラーチューンしかねえよ = 魅力的な曲しかねえよ」ということになります。楽曲に自信があるからこそですが、めっちゃ強気なタイトル。
アルバムで全曲がいいなんていうのは、めったにあることじゃないですから…。その難しいことを有言実行するという、ゴールデンボンバーはさすがです。
#CDが売れないこんな世の中じゃ
19枚目のシングルで、ゴールデンボンバーの中で1、2を争う激しい「#CDが売れないこんな世の中じゃ」。(6曲目)
CDが売れなくなった状況を逆手にとって、曲にしてしまったという意欲作です。世界的にも音楽はサブスクに移行しているので、CDは本当に売れません。
日本でもシングルは配信のみに移行するアーティストも増えてきましたが、海外だとアルバムでもCDはプレスをしない場合が大半に。
歌詞にもあるAKBなど、特典会目的がなければCDは全く売れないということ。何百万枚売っていたアーティストでも、万単位でも難しくなってきました。
CDは販売しただけ収益になりますが、サブスク配信では再生回数が増えなければお金は入ってきません。多くの人に繰り返して聞いてもらう必要があります。
だからこそ、「キラーチューンしかねえよ」というアルバム・タイトルにした気がします。この曲は特にアルバム・タイトルにかかっている気がしますよ。
歌詞にメッセージも込められているますけれど、単純にカッコいい曲。ロック好きならば引っかからない人はいないぐらいの、正にキラーチューン!
お前を-KOROSU-
曲名を見た時から気になっていた「お前を-KOROSU-」。(7曲目)
自分が好意を持っていた彼女に恋をされているのに、ないがしろにする奴に対しての殺意。同じ状況にはなったことはないですが、気持ちは分かります。
同じ殺意でも「元カレ殺ス」とは、異なる感情ですよね。この曲の方が思いが強い! それでも最後の「返してよ…」と、実行ができない優しさがあります。
とても切ない思いなんですけれど、好きな男性が多いのではないでしょうか? 思っても行動にうつせない弱さと、優しさを感じさせます。
スイートマイルーム
愛しい人との思い出を歌った「スイートマイルーム」。(8曲目)
ゴールデンボンバーというと楽しさがよく注目されますけれど、失恋の切なさを歌った曲に、キラーチューンがとても多いです。
失恋の気持ちを切り替えられない弱さを歌った曲は、自分が男だからこそ思いが強く分かりますね。以前はスイートマイルームだったんだという…。
さよならだけだけど君は愛しい存在であり、幸せであって欲しいという思いは、男性特有の思いかもしれません。別れた彼女を思い出してしまうような曲。
誕生日でも結婚式でも使える歌
おめでとうがあふれている「誕生日でも結婚式でも使える歌」。(11曲目)
キリショーがファンレターをもとに、誕生日でも結婚式でも歌えるようにした曲。実際に版権を放棄したフリー音源となっているのも、大きな特徴です。
結婚式やおめでたい利益を得るためではない儀式でも、JASRACがが使用料を払え! とニュースになっていたので、見たことがある人も多いと思います。
ある権利を放棄するというのは、かんたんにできる決断ではありません。ゴールデンボンバーはプロのミュージシャンですから、なおさらであるはず。
だからこそ余計におめでとうとう気持ちと、ゴールデンボンバーの優しさが込められています。聞いていても、優しい気持ちになれる曲。
あの日君を傷つけたのは
君の心の傷が癒えるまで守らせてと歌った「あの日君を傷つけたのは」。(12曲目)
自分が傷を付けたわけではないのに、ごめんと謝り、君を守らせてというのは、優しさしかありません。傷付いた光景を見たからの、同情ではないですね。
フィクションの想像で書けるような歌詞ではないので、キリショーが本当に優しい人物なのか分かります。キリショーは一体どんな恋をしてきたんでしょうか?
君の傷が癒えるまでとは歌っていますが、恋をこえた愛であり、プロポーズのようにも感じました。優しい歌声とともに、歌詞を読むほどに優しさを感じます。
あとがき
「キラーチューンしかねえよ」とはよくいった、本当にキラーチューンだらけのアルバム。特に中間のキラーチューンっぷりはハンパないですよ。
シングルだけが対象になるのではなく、アルバムのための曲が肝にになっているのが、全体のクオリティーの高さを増しています。
今は単曲を自分のプレイリストにして音楽を聞く人も多いと思いますが、全体を通して聞くのをオススメします。最後まで魅力が詰まった1枚です。
以上、『ゴールデンボンバー:キラーチューンしかねえよ ~だから聞いてくれ! ~』でした。
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JOE (ジョウ)
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