GLAY (グレイ) 17枚目のアルバム「FREEDOM ONLY」。
前作「NO DEMOCRACY」から2年。途中ベストアルバム「「REVIEW II -BEST OF GLAY-」。今作には含まれない「G4・2020」を挟んでの1枚。
止まらずに前に進むことを選んだバンドは、強く優しい音を奏でています。
FREEDOM ONLY 収録曲概要
「FREEDOM ONLY」収録曲は以下の通り。
- BETTY BLUE
- Hypersonic
- Winter Moon Winter Stars
- FRIED GREEN TOMATOES
- 永遠を名乗る一秒
- 漂えど沈まず
- BAD APPLE
- Tiny Soldier
- Holy Knight
- 青春は残酷だ
- 祝祭
- 桜めぐり
5月「FRIED GREEN TOMATOES」、6月「青春は残酷だ」、7月「BETTY BLUE」、8月「BAD APPLE」、9月「祝祭」と、5カ月連続配信リリース。
そのまま間を開けることなく6カ月目にアルバム「FREEDOM ONLY」。正に”自由のみ”というタイトルが似合います。
「BAD APPLE」は59枚目のシングルとしてもリリースされましたが、配信だからこそ成立する手法。最大限に今の状況を活用したということでしょうか。
また、インタビューを見ていて興味深かったのは、「BAD APPLE」以外の曲は作られたのは過去であるということ。時を経ることで、今とリンクする。
メンバーが大人になることで、扱える自由度も増えたということなのかも…。
Hypersonic
駆け抜けていく「Hypersonic」。(2曲目)
恐らくGLAY史上ダントツで言葉そのままの意味で面白い曲。とはいえふざけちゃうのではなく、ガチだからこそ成立しているのが実に面白いです。
小橋の夢
100箇所で無料のライブをやることだ
小橋の夢
100万を2時間で使っちゃう
小橋言えば、TERUの名字。歌っちゃたからこそ、いつかやらざるをえない夢。そういう思いがあるというのが、音楽を続ける励みにもなりそうです。
また、100万というのも、1,000人規模の箱ならリアルにかかる金額。豪快ではありますが、ミュージシャンにとって夢のある使い方なのでしょう。
まだ誰も止められない彼の素顔
今暴いて週刊誌に売れ
スキャンダルは真っ先でも、良いことは反応が薄い週刊誌。実際に行った際には大きく取り上げられます様に! の思いが込められているのかも…。
確かTERUってゴシップネタをちょいちょい取り上げられていましたよね。
また、他のメンバーではなく、TAKUROが書いた言葉で本人が歌っちゃうというのが、よりこの曲の面白みが増しています。
Winter Moon Winter Stars
見上げれば「Winter Moon Winter Stars」。(3曲目)
空が他の季節よりもきれいに見える冬。大きな空を改めてみることで、起こったり乗り越えたきたことを思い返すことがありそうです。
ジョギングが趣味で季節問わず走る自分。冬の空は体温が上がらないから走りやすいというのもありますが、余裕がありいろいろと思い出す時でもあります。
山手通り 12月の追憶
テレビからはコロナのニュースばかり
もういい加減にしてくれよと、誰もが状況。あたり前のようにできていた自由が制限され、ストレスが発散できない時間が続く今。
それもいつかは、そんなこともあったと言える時がくるのでしょう。
Winter Moon Winter Stars
「冬の月 冬の星」。きれいに見える星。月は距離が近いからほぼオンタイムですが、その他の星となると今そのものでなく、時間をかけて届いている光。
そう考えると今の状況に不平不満を言うのではなく、糧として考えた方が希望が見えてくるのかもです。星の光も時を越えて今届いているのですから…。
永遠を名乗る一秒
その始まりは「永遠を名乗る一秒」。(5曲目)
0ではなく、1がああったからこそ積み重なっていく時間。実際には永遠というものはないけれど、あなたとの時間はそうあって欲しいという思い。
その気持は恋というよりも、愛であるのでしょう。
時々不安な顔をするけど
伝えたい想い
憧れ 愛
楽しいことばかりじゃない。でも、この温まる高まる感情をくれたあなた。その思いを伝えたいと思うのは、必然のことはないでしょうか。
あなたのこれからに わたしもいますように
今一緒にいれれば、いいだけじゃない。一緒にいる時間のこれから(未来)も自分という存在が隣にありますようにと願うのは、やっぱり愛ですね。
永遠はないけれど、限りなくずっと一緒に。優しい思いの歌です。
漂えど沈まず
もう十分だから「漂えど沈まず」。(6曲目)
どんな人であっても失敗したり、その意図はなくても人を傷付けてしまうもの。すぐに気持ちを切り替えられる方もいえば、ずっと悔やんでしまう人もいる。
一時は必要でも、過去だけを見るのは前を見ていないのと同義。後悔をし続けるのではなく、気持ちを切り替えてというは相手を思うからこその優しさです。
誰のせいでもないから自分の事はもう許してほしい
永遠に悔やむ必要はないよ。あなた自身を責め続けるのは止めて、自分を許してあげて。悔やんでいるのが分かるからこそ、かけられる言葉なのでしょう。
下を見続けるのではなく、上ではなくてもせめて前を見て。大人な思いです。
Tiny Soldier
気負い過ぎないで「Tiny Soldier」。(8曲目)
メロディーは分かりやすく歌詞も短いのですが、今作の中で一番難解な曲。スペイン語が入ったり、聞く人によって大きく受け取り方が異なりそうです。
この描かれる世界観は、映像があった方が分かりやすかも…。
qué descanses
「休憩」。疲れているのに、隠して自分の役割を一心にやり続ける人。思っている以上に多いからこそ、休むことも重要だと伝えたいのかも…。
間奏の歪が振り切っているギターの音。本人が気付いていないかもだけど、やり過ぎ、頑張り過ぎちゃっているよというのを示しているように聞こえました。
Holy Knight
その行動は「Holy Knight」。(9曲目)
同じことであっても、人が異なれば受け取る感覚が違う。それはあたり前のことなんだから、気にする必要はないよと伝えてくれているようです。
Holy holy Holy Knight
どちらも不正解という正解
Holy holy Holy Knight
彼女にはわからない わからない
殆どは導きだせる数字の計算であっても、時には正解が出ないことがある。その他の行動であれば、場面により別の答えが正解になることも…。
深く考えすぎなくてもいいよ。明確で絶対的な正解、不正解がないからこそ人生は楽しいんだから。1曲として成立していますが、続きが書けそうな曲です。
桜めぐり
繰り返される「桜めぐり」。(12曲目)
桜が咲く春は別れでもあり、始まりの季節でもあります。その期間は思いの他の短いけれど、印象に残る期間。だからこそ桜を見て思い出すことも多そうです。
“めぐり”と付与されるのは、毎年繰り返されることも表しているのかも…。
今年も桜並木を仰ぎながら君を想えば
あの頃 夢見た景色 近いあった制服の群れ
桜を見たからこそ思い出す、過去の自分と君。その状況は違えど今新た旅立ちをする制服の群れを見れば、余計に色鮮やかに思いだすことがありそうです。
過去の思い出が蘇る。囚われすぎはよろしくないけれど、たまにだからこそいい感じです。プラスして、実際に経験した時よりも美化されますから…。
旅立ちの顔の諸君を忘れない
不安と希望の入り混じった顔。いつでも見られる物ではない特別な表情だからこそ、忘れないというのは本心からの思いではないでしょうか。
アルバムとしても終わりだけど、新たな始まりをも伝える曲。「祝祭」で終わりにしなかったのには、その描かれている世界を聞けば納得です。
また、カントリー要素の強いギター。音的には動いて聞こえますが、弾いているその内容自体は然程難しいプレイではありません。
巣ごもり需要でギターを始めた方も多いと言われています。コードをかき鳴らすではない、アルペジオの弾き語り用として練習してもいい感じの曲です。
あとがき
メンバーもインタビューで語っていますが、バンドでありながらロック度は低めな内容。これは今の状況だからこそというのが、大きく関係していそうです。
こんな時だからこそ、描かれた優しさ。大人だからこそできる表現。
逆にロック度を上げていたら、同じ今の状況と表した内容であっても、不満や怒りに満ちたものになったのかも…。それは方向性として違たのでしょうね。
大人だからこその優しさが詰まったアルバム。描かれる内容はそれぞれですが、少しづつリンクしている内容は、じっくりと聞きたい1枚です。
以上、『GLAY:FREEDOM ONLY ~あなたにそのリミットは要らない~』でした。
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