藍井エイル:D’AZUR ~あなたと私で広がっていく青の世界~

藍井エイル:D'AZUR邦楽レビュー
邦楽レビュー

藍井エイル (あおい エイル) 3枚目のアルバム「D’AZUR」。

前作「AUBE」から約1年5カ月ぶり。タイトルの読み方は「ダジュール」。フランス語で、英語でいうと「of blue」。「青の…」という感じです。

「of = 〜の」は前置詞ですのでいろいろな使い方ができますが、このアルバムの「D’AZUR」は「あなたと私で作る青の世界」をイメージしているとか…。

音は振動して広がって行きますので、藍井エイルの持つ青い世界が広がっていくと考えると、持つ世界観がより楽しめる1枚。

イメージをしている思いの通り、内にこもるのではなく世界が広がっていく内容のアルバム。優しく幸せな気持ちになれます。

D’AZUR 収録曲概要

「D’AZUR」収録曲は以下の通り。

  1. awakening
  2. IGNITE
  3. ラピスラズリ
  4. ゆらり
  5. シンシアの光
  6. Quit
  7. Bright Future
  8. JUMP!!!
  9. 幻影
  10. ずっとそばで
  11. GENESIS
  12. ツナガルオモイ
  13. 青の世界
  14. BREAK OUT!

1曲目「awakening = 目覚め」から、13曲目「青の世界」まで、イメージしている「あなたと私で作る青の世界」が伝わってくるよう。

曲順も徐々に世界が広がって行くという感じで、流れがいい感じです。

14曲目「BREAK OUT!」は相川七瀬の大ヒットのカバーで、ボーナス・トラック。どう聞いてみても、名前の通りのボーナス・トラックですね。

ないものとして考えた方が、アルバムがより楽しめます。ボーナストラックではなく、シングルのカップリングの方が良かったかも…。

しっかりと世界感を作り出しているだけに、扱いは難しいところですね。1曲としては楽しめるのですが…。アルバム内容の良さから、感じてしまいました。

IGNITE

目覚めとなるSE「awakening」から間髪入れずに始まる「IGNITE」。(2曲目)

7枚目のシングルで、テレビアニメ「ソードアート・オンラインII」オープニングテーマ。演奏ではなく、サビから始まるのが功を奏している曲。

歌詞にもある「迷わずに今…」が、曲としてもうまく表現されています。

アルバムに入ることで、シングルの時よりも「ignite = 火をつける、発火させる」という思いが、より強くなっているのが印象的です。

「火をつける、発火させる」というのは、何か物に対してではなく、自分自身に対して。鳴り響い衝動が思いだけでなく、始まりへの音となる決意ですね。

アルバムの中でも歌入りとして、オープニングにはこの曲がぴったりです。

ラピスラズリ

テレビアニメ「アルスラーン戦記」エンディングテーマ「ラピスラズリ」。(3曲目)

「ラピスラズリ」とは深く濃いブルーのパワーストーンのこと。「天空を象徴する聖なる石」として神聖視(しんせいし)されています。

神聖視は神聖なものとして捉えるなどの表現ですが、聞いていても神秘的な思いを感じる曲。パワーストーンの中でも、青というのがいいですね。

夜空に舞う蒼き三日月

「空に浮かぶ道標が きっと導いてくれる」となるので、夜空に見上げて見える月に「ラピスラズリ」を感じているような気がしました。

本当の夜明けを探しに行こう! と思いは、引き込まれるものがあります。アルバムの中でも、始まりとしてキーになってくる曲です。

シンシアの光

ずっと鳴り止まない光と輝きの音があると歌った「シンシアの光」。(5曲目)

「シンシア = Cynthia = 月の女神アルテミスの別名 」。ですから、シンシアの光というのは、月の女神アルテミスの光とも取れます。

アルバム・タイトルや「ラピスラズリ」もですけれど、ストレートに表現していないというのが、また神秘的でもあり、この1枚の中で合っています。

ring for Cynthia

「シンシアの指輪」。サビ終わりの英語詞の部分ですが、結ばれている固い絆があるからこそ、笑顔に戻れるからにつながっているのでしょうね。

「ringing = 鳴っている」であったら意味合いが変わってくるので、「シンシアの指輪」となっていることに意味を持つ歌詞じゃないでしょうか?

何かをもらうだけでなく、与えたいものがあるからこそ、歌声も優しいです。

ずっとそばで

優し言葉ではなく、行動で優しさを示す「ずっとそばで」。(10曲目)

強い歌声になることが多いファルセット。この曲で聞けるファルセットは、とても優しい。思いがこもっているから、優しいのではないでしょうか。

何度だって抱きしめるよ
ずっとそばで

ずっとそばにいるよではなく、何回でも抱きしめるよというのが優しい。言葉で何かを言わなくても、ぎゅっと抱きしめる方が伝わることもあります。

MVはないですが、聞いていると情景が浮かんでくるような曲。強い表現も多いですけれど、優しく歌えるのも藍井エイルの魅力です。

GENESIS

9枚目のシングルで、テレビアニメ「アルドノア・ゼロ」エンディングテーマ「GENESIS」。(11曲目)

「GENESIS = 創世記、起源」と考えると、歌詞が素直に入ってくる曲。優しい歌い方の中に、なんとか前に進んで行くんだ! という決意を感じます。

運命さえ飛び越えていこう

運命があることは知っている。それでも飛び越えていこうというのは、これ以上はない決意ではないでしょうか?

傷付いても間違えても前へと行く始まり。先にあるものが見えてきそうです。

ツナガルオモイ

8枚目のシングルで、「ランク王国」2014年10、11月度オープニングテーマ「ツナガルオモイ」。(12曲目)

藍井エイル自身が作詞作曲。少し不器用な面を見せつつも「思いはつながっているよね? 」と、思っていたいような曲になっています。

まだ強くつながっている思いでないからこそ、カタカナで「ツナガルオモイ」となった感じがしました。曲自体もまだ変わる要素があるのも、あえてかなと。

他とくらべてアレンジができる要素があり、デモ的な感じがするんです。どういう意図、思いかな? と、少し特殊な聞き方を自分がするからかもですが…。

完全な形ではないからこそ、つながって行くのかもしれません。

青の世界

アルバム本編では最後となる「青の世界」。(13曲目)

アルバム・タイトル「D’AZUR」の「あなたと私で作る青の世界」のイメージの通り、このアルバムにとって欠かせない曲。優しく、強い思いが聞けます。

幸せに気付けたなら
目を開いて
明日へと踏み出せるよ

始まりをテーマにした曲がこのアルバムには多くありますが、先へと進むことで気付いて欲しいのは、「幸せ」なんでしょうね。

気付ければ前へは必然的に進めますから…。「あなたと私で作る青の世界」とは、幸せに辿り付くためのアルバムの気がしました。

母親の歌う子守唄のような優しい歌声であるのも、ステキな曲です。

あとがき

聞いているろ「D’AZUR = 青の世界 = 幸せ」かなと、感じるアルバム。

人それぞれの聞き方で解釈や思いは変わってくると思いますけれど、誰が聞いても優しさの一片は、感じられる1枚ではないでしょうか?

寒色で少し冷たいイメージもありますが、このアルバムで聞けるのは暖かく優しさを感じる青。それぞれの曲で青の世界があるのも、興味深いですね。

また、サビ始まりの曲が多く含まれているのも特徴。印象が強くなる分リスクもある構成ですが、うまくアルバムの中はまっているのも興味深いです。

このアルバム後にいったん活動はストップしてしまうのですが、これからの始まりで終わらずに、活動再開してくれて良かったなと感じています。

リリース当時も優しく好きなアルバムでしたけれど、いったん休止をして活動を再開した今だからこそ、より優しく幸せが伝わってくる1枚。

新しい形でも始まっていますが、「D’AZUR」の青の世界もいいですよ。

 

以上、『藍井エイル:D’AZUR ~あなたと私で広がっていく青の世界~』でした。


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JOE (ジョウ)

Guitar、F1を筆頭にモータースポーツ全般、野球(巨人)が好きな、ジャンルを問わない音楽マニア。日々記事更新中で、SNSは基本オマケ。 もっとプロフィール & あぶまいについて

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