藍井エイル:AUBE ~夜明けとともに新しい光が指す場所へ~

邦楽レビュー

藍井エイルのセカンド・アルバムである「AUBE」。

アルバム・タイトルはフランス語で「AUBE = 夜明け」ですが、夜明けから次の夜明けまでを描くというテーマで制作されたアルバムです。

コンセプトアルバムというところまではいっていませんが、アルバムとしてのテーマがあるというのは芯が通っていますし、聞いても分かる方が多いはず…。

プラスして無理やりではなく、なるべくしてなった成長が聞けるアルバムです。

時間の色が映し出す景色

「AUBE」の収録曲は以下の通りです。

  1. dawning
  2. サンビカ
  3. 近未来交響曲
  4. シリウス
  5. アストラル
  6. SAILING
  7. コバルト・スカイ
  8. nayuta gride
  9. 惑星の唄
  10. 翼の行方
  11. 虹の音
  12. Daydream
  13. KASUMI
  14. A New Day

オープニングを飾るインスト曲の「dawning」はその他の曲が完成した後に制作を依頼して最後にできた曲ですが、夜明けを感じさせるのにぴったりな曲です。

最初入っていたドラムの音を抜いたそうですが、確かに入っていた感じがします。プラスではなく、マイナスで雰囲気を高めるというの面白いです。

聞いてみても明けから次の夜明けまでを描くというテーマが「dawning」からラストの「A New Day」までで、うまく表現されていますよ。

夢と希望に未来と運命

全て感じという特徴のある曲名の「近未来交響曲」。

理想に届くように、希望的な観測で未来への扉を叩くという、ポジティブな感じがあふれる曲です。運命は自分で決めるんだというのがいいですよね。

運命は待っていてきますが、待っているだけでは夢と希望に満ちた未来があるかというとそうではないですよね? まずは自分で動かないと思わさせてくれます。

夜明けというアルバムのテーマにも、ぴったりな曲です。

声はいつまでも届かない?

アルバムの中で1番ロックな曲の「アストラル」。

イントロからアウトロまで、文句なしにカッコいい曲です。ギタリストはもちろん、バンドをしている人ならコピーしたくなってしまうのは間違いありません。

夢の続きは見たくてもなかなか見られませんが、見られないことを嘆かずに、どうにかしてやろうとい思いが伝わってくる曲です。

ループする世界はアニメでよく表現されますが、なんとか抜け出そうとしているのが打ち込みのループではなく、ロックナンバーというのがいいですね。

「アストラル = Astral = 星の世界」という曲名も、繰り返される(ループ)と考えると、曲の面白みがより増す曲になっていますよ。

鮮やかに彩る世界

6枚目のシングルでもある「虹の音」。

虹は見るものですから、虹の音というのは曲名からして興味深いです。音が何かといえば、虹の輝きとともに聞こえてきた色彩のメロディーのことだという。

藍井エイル本人の作詞ですが、すごくいい歌詞ですよね。この曲名が虹色や虹が見える景色であれば意味合いが違いますし、全く違う曲になっていたはずです。

ボーカルは歌さえ歌えればという部分もありますが、しっかりとした歌詞を書けて思いを歌えるボーカルはやっぱり強いし、いいなと感じてしまいます。

伸びのある声も含めて彼女の良さがよく現れている曲で、曲の最後が「ありがとう」と終わるのも心からのという感じがして、すごくいいなと感じました。

暗い闇の中で聞こえた声

アルバムのリード曲である「KASUMI」。

孤独な状況ではあるけれど、キミの声は霞むことなく聞こえるんだという、希望が感じられる曲です。孤独の中にも希望があるというのが、いいですよね。

2回目のサビが終わってからのCメロが、重要度の高い曲です。絶対に孤独でも私は折れないんだ! という思いがより強く感じられます。

夜明けをただ待つのではなく、夜明けがくるまで諦めないんだというのは、この曲を聞いて背中を押される人はきっと多いのではないでしょうか?

孤独な状態だし、明るい曲ではないですが、歌詞はとてもポジティブな曲です。

AUBE あとがき

ファースト・アルバム「BLAU」もいいアルバムでしたが、「AUBE」もすごくいいアルバムです。変な力がこもっていないのも、良さが引きだっています。

丸一年という間隔でリリースされたアルバムですが、大きな変化のあった1年だったというのが、アルバムを聞いていても感じますよ。

夜明けから、また次の夜明けまでを描くというテーマで作られたこのアルバム。うまくテーマに沿って作られているのが、聞いていて分かるのがいいですね。

制作の意図が通して聞くことで伝わってきますので、アルバムを最初から最後まで通して聞くことを強くオススメします。その方がより楽しんで聞けますので。

歌そのものでいえば現在の彼女の方がうまく歌える気がしますが、この空気感は当時の藍井エイルでしか出せないものになっていると思いますよ。

新しく何かを始める時や、始めたことが計画通りにうまく行っていない時に聞くと、何かよい変化が生まれるきっかけになりそうなアルバムです。

 

以上、『藍井エイル:AUBE ~夜明けとともに新しい光が指す場所へ~』という記録でした。

藍井エイル 関連記録

2013/1/30 release 1st Album
藍井エイル:BLAU ~隠されていた表情の全容~

2018/6/13 release 14th Single
藍井エイル : 流星/約束 ~消えることなく舞い戻ってきた歌姫~

2018/10/24 release 15th Single
藍井エイル:アイリス ~切なさの中にある希望~

2019/4/17 release 4th Album
藍井エイル:FRAGMENT ~新たな伝説がここから始まる~

2019/8/28 release 16th Single
藍井エイル:月を追う真夜中 ~今夜は私にとって特別な夜~

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