Dream Widow (ドリーム・ウィドウ) 1枚目のアルバム「Dream Widow」。
あまり聞き慣れなれない名前のバンド。その実態はFoo Fightersのメンバーが出演するコメディ・ホラー映画「スタジオ666」から生まれた架空のバンド。
映画の流れからというのはあっても、想定以上にガチなメタルが聞けます。
Dream Widow 収録曲概要
「Dream Widow」収録曲は以下の通り。
- Encino
- Cold
- March of the Insane
- The Sweet Abyss
- Angel With Severed Wings
- Come All Ye Unfaithful
- Becoming
- Lacrimus dei Ebrius
フー・ファイターズのメンバーが出演するコメディ・ホラー映画「スタジオ666」。トレーラーを見ると、アルバムに繋がる一片が確認できます。
それにしてもショートバージョンとかの触りではなく、こうしてしっかりとアルバムを作ってしまうというのが面白い部分です。
また、先日亡くなったテイラー・ホーキンス。その元気な姿をトレーラーでも見れるからこそ、逆に寂しさを感じてしまいます。
Encino
ここで始まる「Encino」。(1曲目)
Encinoを調べると木で、薪やその木の実はイベリコ豚の餌に。また、樹皮を水に浸したものは、扁桃腺、虫歯、口内炎症、痰、肺結核などの薬効効果も。
そこから想像するに、悪を受け入れるために今が毒を含んでるということかも…。本来であれば悪を追い払うになるので逆なのですが、今は違う。
初っ端からの激しいメタルは、いろいろな想像を膨らませてくれます。
Draw the pentagram
Fuckin’ stick it in the fire
「五芒星を描き、ファッキンは火の中くべるんだ」。上下を逆にすると悪魔の象徴ともいわれますから、火の中にくべるのは契約とも言えそうです。
ジャケットをちゃんと見ると五芒星とはちょっと違うなというのも、面白さであり、想像を膨らませてくれる部分です。
Cold
感じるのは「Cold」。(2曲目)
スピードナンバーを続けずに、ミドルテンポで重さを。典型的なメタルの手法の1つですが、描いていることの重みを増す形になっています。
I can feel the black wind blowing
Cold
「黒い風が吹くのを感じるんだ。寒いよ」。爽やかではない、体温さえも奪っていく風。起きていれば、嫌がおうでも感じてしまうもの。
だからこそ見るのは気持ちのいい夢でなくとも、「I don’t wanna wake up = 起きたくないんだ」と繰り返す吐き捨てる続ける気持ちが分かる気がします。
March of the Insane
![]() | 「March of the Insane」 Lyric VideoをApple Musicで観る |
狂っていく「March of the Insane」。(3曲目)
非常識が当たり前になる。それはマイノリティとは異なる、正常が判断できなるということ。一線を越えてしまう、怖さを感じさせます。
Dance to the march of the insane
「狂気な行進で踊る」。本来であれば悲劇な状況であるのに、それを楽しく快感だと思ってしまう。常人には理解ができない、行動と思考感覚。
おかしな人を見ていて感じるのは、あえてそうしようとしているのではなく、壊れていることに気付いていないというのが実情。だからこそ、怖いのですが…。
その姿をそのまま描いたのが、この曲だと言えそうです。一文を短くぶっちぎり書き方も、思考回路がおかしくなっていることを想像させます。
Angel With Severed Wings
逃げる術を失った「Angel With Severed Wings」。(5曲目)
ポップなメロディを感じる曲であっても、描かれているのは切ない物語。生きることよりも、死を求めてしまうというのは寂しさを感じてしまいます。
The serpent begins to coil around
「大蛇が巻き付き始める」。羽があれば逃げることができるのに、切断されてしまったているから、なすがままにしかない状態。
それを喜ぶかのような状況が、より寂しく感じてしまう方も多いことでしょう。
演奏はそのままであっても、歌詞とデスボイスではなくクリーンで歌ったら、まったく別の違った情景の曲として楽しめそうです。
Becoming
あなたとの同化「Becoming」。(7曲目)
悪になりたがっているから、その物へ。自分が変化するのではなく、吸収されていくような表現は歌詞を読むからこそですが、とても寂しくなってしまいます。
Life and death becoming you
Now
「生と死があなたになるよ。今」。悪魔であるあなたの一部になるような形。自分が失われるのですから、それを喜びのように感じるのは理解が難しいかも…。
共感できないのは、自分がおかしくない部分が残されているということでしょうか。陶酔して糧となるなら消えてしまってもいいとは異なりますから…。
この曲に続くラストのインストゥルメンタル「Lacrimus dei Ebrius」。インストなので言葉はないですが、迷いの部分を感じさせるような構成。
それは現実と空想が、ごちゃまぜになっているからとも言えるかもです。
あとがき
想定している以上にガチなメタルアルバム。普段フー・ファイターズを聞いている方には、ちょっとうるさいと感じてしまう方が多いかも…。
それでも時折曲中で聞けるポップセンス。ガチなメタルではあるけれど、エッセンスとして異なる要素が入っているのは、聞いていて興味深い部分です。
だからこそ今作は映画きっかけですが、遊びの要素としてこの架空のバンドが継続し、続くアルバムが出てきても面白いかもしれませんね。
また、バンド名に含まれる「Widow = 未亡人」。偶然とはいえリンクしてしまう部分ができてしまったのは、こじつけもあるでしょうけれど寂しい部分です。
それでもフー・ファイターズ繋がりで、メタルを聞く。触れてみたら意外と好きかも…思う方がいる可能性もありそう。というか、是非そうなりますように!
以上、『Dream Widow:Dream Widow ~それは現実であり空想~』でした。
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JOE (ジョウ)
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