Doja Cat (ドージャ・キャット) 配信シングル「Vegas (From the Original Motion Picture Soundtrack ELVIS)」。
前作「Freaky Deaky」から2カ月半。間に3枚目のアルバム「Planet Her」から「Get Into It(Yuh)」のリカットを挟んでの映画への提供曲。
ソウルフルなフレーズによるインパクトと、その他のジワジワとくる感じが興味深い楽曲です。
Vegas 概要
「Vegas」は曲名にも含まれている通り、エルビス・プレスリーの伝記を描いた映画「エルビス」への提供曲。加えてそのタイトル通り、映画のリード曲。
まずエルビス・プレスリーと言えば、ロックンロールの王と呼ばれた人物。だからこそロックンロールではない物が、リード曲というのが面白く感じます。
ソウルフルなフレーズがあるからこそとも言えますが、単純に一聴した印象を言えばジェームス・ブラウンの方がしっくりとくる気がします。
ですが、繰り返して楽曲の中で描かれていることを聞けば、きっと多くの方がなるほどねととなる表現。このことが聞いていてジワジワとくる理由なのかも…。
Vegas
映画「エルビス」リード曲「Vegas (From the Original Motion Picture Soundtrack ELVIS)」。
エルビス・プレスリーの伝記を描いた映画への提供曲は、ロックンロールの王となっていく姿と、プラスが描かれた曲。
エルビスという人を知り、映画を見てからの方が面白みが増しそうな表現です。
Coulda been what we shoulda been
But you lost a bet, now you gotta find me
「私たちがするべきだったのは…。君は賭けに負けたんだ。今、僕を見つけなければならないんだ」。複数の人物による思考が交差する部分。
才能を見いだせなかった人物と、それを覆して成功を手に入れたエルビス。他業界でもですが、音楽ではよくあることだからこそ、面白く感じてしまいます。
こんなの売れないよ! というのが超ヒットしたり、逆にこのクオリティーであれば間違いなし! というのが、箸にも棒にもかからなかったりしますから…。
You ain’t nothin’ but a
Hound dog, hound dog, hound dog
「あなたは”ただ”の人じゃない。ハウンド・ドッグx3」。その意味を考えると面白くなる、なる部分。それを踏まえて見ると、「ハウンド・ドッグ = 猟犬」。
音楽に対して貪欲であり、ベガスで成功を手に入れるまで歌い続けたエルビス。自分で言うのではなく、別の人から言われるのがカッコいいです。
それも1回ではなく、繰り返して言われる。正に伝説であり、伝記にピッタリ!
加えて「ハウンド・ドッグ」には「女たらし、女性好きの男」の意味も…。当然ながらめちゃくちゃモテるし、女性関係が多く噂されれたエルビス。
このことが音楽を制作して表現する糧にもなっていたでしょうし、漏らすことなく描いたということに面白みを感じてしまいます。
特に男性が音楽を始めるのは純粋に音を奏でたいというのももちろんありますが、女性にモテたい! というのは少なからずありますから…。
あとがき
エルビス・プレスリーの伝記の映画で、リード曲がドージャ・キャット。彼女が有名アーティストであっても、違和感を感じた方もいるかもしれません。
その理由は、同じ音楽を表現しているとはいえ異なるジャンルのアーティストであるから…。最初文字情報だけで知った時は、自分も正にそんな感じでした。
ですがその音楽を聞き、表現していることを考えれば、その印象というのは変わってくるのではないでしょうか。これも今曲の興味深いところです。
音楽業界のよくやってしまうことで、ジャンル分けとその共通点のある部分だけで集まることをする。理解はできるのですが、幅を狭めることにも繋がります。
実際、ルー大柴のキャッチフレーズ「トゥギャザーしようぜ!! 」的なのはありでも、繋がりのある仲間内だけの世界は思いの他に小さなリンク。
そこで外部から見るからこその、良い点、悪い点。ちょっとしたことで広がるきっかけともなる音楽は、制限をあまり作るべきではないかなと思っています。
拘りと、柔軟さがないは別物なので…。とはいえ、加減が難しくなる部分ではありますが、ぐちゃぐちゃはダメですよ。差別と区別の違い的なものです。
その部分も含め、ドージャ・キャットが贔屓目なく素直に思い浮かぶ姿を描いた「Vegas」。次第にくるジワジワ感もですし、面白みのある楽曲です。
以上、『Doja Cat:Vegas ~あなたはハウンド・ドッグだったわ~』でした。
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JOE (ジョウ)
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