Dines X Heafy (ダインズ・エックス・ヒーフィー) 1枚目のEP「Dines X Heafy」。
YouTuber Jared DinesとTrivium Matthew Kiichi Heafyによるプロジェクト。それぞれの名前から取ったシンプルかつ、これ以上ない分かりやすい形。
2人が作りだすサウンドは、プロジェクト名の”X”の部分がVSとも取れるような、熱いメタルを聞かせてくれます。
Dines X Heafy 収録曲概要
「Dines X Heafy」収録曲は以下の通り。
- Dear Anxiety
- Can We Turn Back Yesterday?
- Dying At The Sight Of The Rain
- To Save Me From Myself
- We Lost It All
Jared Dinesはメタル系YouTuber。SNSがきっかけととなり、2017年からMatthew Kiichi Heafyとのコラボをした動画を複数公開。
2018年には奥さんの出産にMatthewが立ち会うため、ツアーから離脱した際には、代役のギタリストとしてTriviumのライブに参加。
個人、バンドとともに関係の強い人。今回 Dines X Heafy としてプロジェクトとなるのは、必然だったのでしょう。
また、本来であれば Triviumは「What the Dead Men Say」のツアーに出ていたはず。今という時だからこその、リリースになったのではないでしょうか。
それらの点も含めて、タイミングというのは面白いものです。
Dear Anxiety
タントルが印象的なリードトラック「Dear Anxiety」。(1曲目)
日本語にすると「親愛なる不安」。すごく意味深であり、1曲目に持ってくるというのが、より興味深さを増しています。見せ方がうまい!
Please set me free
Release me so I can feel something
「俺を自由に…。何かを感じられるように開放してくれ」。誰にでも不安はついてまわるものだけど、ない世界も見てみたい。この思いは悲願なのかも。
興味深い表現であるとともに、ギタリストならば一緒に弾きたくなるリフが多くあるのも特徴的。同じキーでなく、度を変えてみても面白いですよ。
Can We Turn Back Yesterday?
引き返したい「Can We Turn Back Yesterday?」。(2曲目)
今を知ったからこその、過去に戻りたい感情。それでも巻き戻すことはできないのを理解しているからこその、問いかけでありそうです。
I see the hate in the world as it’s in flames
「世界が憎しみの炎に包まれているのを見る」。昨日に戻りたいと思う理由。それでも変わることなく、時は進んでいく。やるせない思いが寂しい…。
ピッキング・ハーモニクスが、泣いている心を表しているように聞こえるのも特徴的。特にギタリストは、好きな人が多いかもです。
Dying At The Sight Of The Rain
寂しい思いでいっぱいの「Dying At The Sight Of The Rain」。(3曲目)
雨を見て死ぬだけ。体が濡れるだけではなく、涙の雨でもありそうです。
How can I find some way to make it out alive?
‘Cause it seems like we are only meant to die
「どうすれば、生きることを見つけられる? 俺たちは死ぬことだけと意図しているように見えるのに…」。なんて寂しい歌詞。生きることを望んでいない形。
何か希望が1つでも見えれば変わるのでしょうけれど、打ちのめされたからこその感情は、気持ちとして分かるような気がします。人の弱さでしょうか。
アウトロがなくスパッと終わるのが、寂しさを増しています。
To Save Me From Myself
自分が救われるために強くなりたい「To Save Me From Myself」。(4曲目)
落ちていく時の多くは自身は気付かないもの。だからこそ、より深くにハマるのが常ですが、この曲の主人公は気付いたからこそ変えようとしています。
I feel my life is slipping away
I know my time is ticking away
「人生が滑り落ちて行くような気がする。時が刻々と過ぎていくことも知っている」。正に気付き、変わろうとするタイミングでもあります。
それでも助けてくれる人はいないから、自分自身が変わろうとする、人に頼るのでは意思とは違う場合もあるから、強くあろうぜ! と言っているのかも。
聞く人によって印象も変わるでしょうけれど、デスボイスで状況を嘆いているだけでなく、意図のあるメッセージが込められているように感じました。
イントロで打ち込みのリズムを若干無視したギターのフレーズも、思いの強さと同時に、隠された意図がありそうです。
We Lost It All
全てを失った「We Lost It All」。(5曲目)
歌メロがポップだからこそ、乗せられた言葉が寂しい…。そのことが逆に、避けることのできないことだと感じるからかもしれませんね。
There’s no going back now
We’ve given it up
「俺たちは戻ることはない。もう諦めたから」。寂しい。言葉として出すことにより、本心とは違う思いであるように聞こえるは、自分だけでしょうか?
Matthewの歌声は太いですが、昔のビジュアル系の要素を感じる曲。切なさが全盛の頃を好きな人であれば、きっと気に入る1曲になるはず!
5曲を通して聞いていると、現在の状況も多く含まれているのを感じました。
あとがき
ギターが一切遠慮なく弾きまくっている内容。それでもエゴのようなムダな部分を追加していないことは、曲のコンパクトさにも表れています。
これは見せ方としても、メタルなギタリストは参考になりそうです。また、聞いているとギターを手にして一緒に弾きたくなってしまうのも、ポイント!
きっと聞き取りやすく、気持ちよく弾きやすいというのも理由でしょう。
4月にリリースされたTrivium 9枚目のアルバム「What the Dead Men Say」も良かったですが、「Dines X Heafy」もいい感じです。
歌詞は寂しいですが、メロディにポップな様相があり、ギターを弾きたくなる。2人の関係性も良さそうですし、1枚のみではなく、継続を期待しちゃいます。
以上、『Dines X Heafy:Dines X Heafy ~思いの切なさが木霊する~』でした。
Dines X Heafy 関連記事
2020/12/4 release 1st EP
Dines X Heafy:Dines X Heafy ~思いの切なさが木霊する~ ←今ココ
2020/4/24 release 9th Album
Trivium:What the Dead Men Say ~思いは伝わっていると信じてる~
JOE (ジョウ)
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