D’ERLANGER (デランジェ) トリビュート・アルバム「〜Stairway to Heaven〜」。
2017年に発売されたアルバムで、D’ERLANGERの曲をトリビュートするという、ありそうで今までなかった企画のアルバムです。
企画アルバムというとあえて聞かずに外してもいい場合が実際に多いですが、このトリビュート・アルバムは聞いた方がいいアルバムになっていますよ。
参加した個人、バンド全てがD’ERLANGERに敬意を持ってトリビュートをした曲が集まったこのアルバム。聞いていて面白くもあり、興味深い内容です。
〜Stairway to Heaven〜 収録曲概要
「〜Stairway to Heaven〜」の収録曲は以下の通りです。
- UNDER THE PRETENSE (Remixed by YOW-ROW)
D’ERLANGER - LA VIE EN ROSE
HYDE - SADISTIC EMOTION
清春 - AFTER IMAGE
acid android - DARLIN’
サイコ・ル・シェイム - XXX for YOU
Lynch - dummy blue
Angelo - LULLABY
INORAN×TERU×HISASHI×ピエール中野×ERY - SO…
MERRY - an aphrodisiac
Justy-Nasty - 1999-Shyboy story-
THE SLUT BANKS - Dance naked,Under the moonlight.
Rayflower - CRAZY4YOU
MUCC - MOON AND THE MEMORIES
DEZERT - EASY MAKE,EASY MARK
DIR EN GREY
参加バンド、メンツがD’ERLANGERならではという感じです。
トリビュート・アルバムというとアーティストのお小遣い稼ぎで何のゆえんも関わりもない場合が多いですけれど、このアルバムは異なります。
D’ERLANGERのメンバーも2曲ですが、参加しているというのも違いますね。
収録された選曲も「なんであの曲がないんだ! 」とはあまり感じをさせない、すごくバランスの取れた選曲になっているのも特徴です。
もしHIDEが健在だったらきっと参加してくれていたでしょうから、どの曲を選択して、どんなアレンジに仕上がったのか聞いてみたかったですね。
LA VIE EN ROSE
よくぞこの曲を選択してくれたという、HYDEの「LA VIE EN ROSE」。(2曲目)
初期の代表曲である「LA VIE EN ROSE」を歌うには、参加メンツの中でもHYDEが適任としか思えない曲の選択です。
もろに曲がD’ERLANGERになっているのはCIPHER、SEELA、Tetsuが演奏しているからですが、kyoちゃんとの違いが分かって面白いです。
ボーカルが変わることで、大きく表情を変える曲なんだってことが分かります。
an aphrodisiac
選曲が1番予想外だったJusty-Nastyの「an aphrodisiac」。(10曲目)
Justy-Nastyが参加するのはSPYやCRAZEの活動もあり、関係もよくなっているから当然ともいえますが、この意外な選曲にはびっくりです。
初期の2枚の中から選択してくるのは予想通りですけれど、きっとシングルでポップな曲を選択してくるのを予想していました。
選曲にはびっくりした「an aphrodisiac」ですが、Justy-Nastyにはないタイプの曲調なので、聞いていてとても面白いなと思った曲です。
こんなのもできるんだぜ! というバンドが楽しんでいるようにも聞こえました。
またいつかD’ERLANGERのトリビュート・アルバムがあれば「MOON AND THE MEMORIES」をJusty-Nasty版で聞いてみたいですね。
MOON AND THE MEMORIES
バンドの色も出しつつ敬意がこもったアレンジだった、DEZERTの「MOON AND THE MEMORIES」。(14曲目)
今回収録がされている中でも1番オリジナルに近いアレンジになっているのに、バンドの色がしっかりとわかる曲になっています。
変更をして色を出すというのはわりとかんたんですが、基本的に変更はせずとも違いを出すというのは、DEZERTのバンドとしての力が見える感じです。
アレンジが近くてもコピーではなくバンドの色を見えたので、名前だけ知っていたDEZERTが面白いなと感じたきっかけの曲となりました。
削る部分がないからこそアルバムで7分オーバーと1番長尺の曲になっていますが、ちゃんと収録してくれたD’ERLANGERも器がでかい感じです。
あとがき
トリビュート・アルバムというと最初は新鮮な気持ちで聞けても、何回も聞くのは厳しい場合が多いです。ですが、このアルバムは何回も聞けるアルバムです。
どの曲も十分に聞き慣れた曲なのであるのに、バンドごとの変化だったり、大きく変えなくてもバンドの色がわかるアレンジは楽しめるのが理由でしょうか。
1曲目の「UNDER THE PRETENSE (Remixed by YOW-ROW)」というのも、それぞれの曲の解釈を楽しんでくれ! という感じなのもいい感じです。
あと1番よかったのはただ曲をカバーしましたではなく、D’ERLANGERへの敬意を持ってカバーしているというのが、このアルバムの良さになっています。
他のトリビュート・アルバムとは一線違う形になっているので、各アーティストのファンの方のD’ERLANGERの入り口として聞いてみてはどうでしょうか?
以上、『V.A.:D’ERLANGER TRIBUTE ALBUM 〜Stairway to Heaven〜 ~心からのリスペクト~』でした。
D’ERLANGER 関連記事
2017/9/13 release Tribute Album
V.A.:D’ERLANGER TRIBUTE ALBUM 〜Stairway to Heaven〜 ~心からのリスペクト~ ←今ココ
1989/2/10 release 1st Album
D’ERLANGER:LA VIE EN ROSE ~薔薇は色で見える世界が異なる~
2007/3/14 release 3rd Album
D’ERLANGER:LAZZARO ~あるべき場所に戻ってきた十字架~
2019/5/22 release 9th Album
D’ERLANGER:roneve ~過去があるからこそできる初期衝動~
※「LA VIE EN ROSE」(2曲目)アーティスト記事一覧
HYDE (ハイド)
※「an aphrodisiac」(10曲目)アーティスト記事
Justy-Nasty:Reprises ~現在のバンドでの再構築~
※「MOON AND THE MEMORIES」(14曲目)アーティスト記事
DEZERT:血液がない! / Call of Rescue ~それでも僕は今を生きていく~
JOE (ジョウ)
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