D’ERLANGER (デランジェ) 1枚目のアルバム「LA VIE EN ROSE」。
1989年にリリースされた、伝説的なアルバムです。1990年リリースの2枚目のアルバム「BASILISK」と合わせて、影響されたバンドマンは数え切れません。
D’ERLANGERはセールス枚数以上に、ファンだけではなくプロ・アマチュアを問わず、バンドマンへの影響度がセールス以上にあったバンドでした。
リリースから長い時間はへた現在で聞いても、カッコよく聞けるアルバムです。
LA VIE EN ROSE 収録曲概要
「LA VIE EN ROSE」の収録曲は以下の通りです。
- UNDER THE PRETENSE
- LA VIE EN ROSE
- 1999 ~SHY BOY STORY~
- DEAR SECRET LOVER
- SADISTIC EMOTION
- an aphrodisiac
- INDECENT-TWO-PERSONS
- LULLABY
- I CAN’T LIVE WITHOUT YOU
- LAZY SLEAZY
曲名からも英語だったりフランス語だったりと、今のD’ERLANGERにつながっている部分があるのが分かります。少し怪しげな部分は、今と変わらずですね。
バンド名のD’ERLANGERの意味がフランス語で「淫靡な誘惑」ですから、怪しさがあるのが、D’ERLANGERとして当然な部分なのかもしれません。
音自体に変化はあまり感じませんでしたが、再発やプレスをするたびにアルバム・ジャケットに違いがあり、どのバージョンも持っていた記憶があります。
自分が同じCDを複数持ったのは、D’ERLANGERが初で間違いないです。影響も大きかったですし、少しの違いで欲しくなってしまう不思議なアルバムでした。
UNDER THE PRETENSE
アルバムのオープニング曲の「UNDER THE PRETENSE」。(1曲目)
この曲はたった57秒のSEなのですが、あるべくしてある曲です。この曲なくして「LA VIE EN ROSE」から始まっていたら、印象がかなり変わったはずです。
このアルバム以降のビジュアル系、当時はお化粧系と呼ばれるバンドのアルバムの1曲目にSEが多くなったのは、D’ERLANGER影響が大きかったと思います。
D’ERLANGERというとアルバムの1曲目にSEが付き物となったのは、1枚目のアルバムからの恒例です。D’ERLANGERになくてはならないものですね。
LA VIE EN ROSE
アルバムタイトル曲の「LA VIE EN ROSE」。(2曲目)
D’ERLANGERといったら、この曲は絶対に外せない曲です。歌詞や演奏がどうだと言う前に、聞いて素直にカッコいいと思えるD’ERLANGERの代表曲です。
2枚目のアルバムの「BASILISK」に「BARA IRO NO JINSEI」としてリメイクされていますが、アルバムでなく1曲として聞くならこのバージョンです。
薔薇は一般的なイメージですが、「LA VIE EN ROSE = 薔薇色の人生」であるのにアルバム・ジャケットの薔薇が黒いのは、D’ERLANGERだからこそですね。
1999 ~SHY BOY STORY~
3連符が連続するイントロが印象的な「1999 ~SHY BOY STORY~」。(3曲目)
思いだけためて悩んでいる気持ちが、伝わってくる曲です。今は忘れされていますけれど、1999年と言ったらノストラダムスの大予言がありましたよね。
ノストラダムスのことを考えると、思い悩んで行く歌詞がより面白く感じます。
テンポは早めですがかんたんな曲で、1番最初にD’ERLANGERで弾ける曲だったと記憶しています。かんたんであるのに、カッコいいのもポイントです。
SADISTIC EMOTION
D’ERLANGERの曲の中でも切なさがに漂う「SADISTIC EMOTION」。(5曲目)
ミュートしながらのギターのカッティングが、カッコいい曲です。歌詞のあなたの対象が「お前、アイツ」と1曲の中に2つ出てくるのは珍しいですよね。
歌詞の意味も含めて今あらためて見ると、一般的な曲にはない要素が含まれていて、面白く感じる曲です。曲に中で感情が動いていくのが分かります。
自分でもコントロールできなくなっている感情だからこそ、サディスト的な感情になる。その理由も理解しているということでしょうか?
1つ大切な人を失うことで人は変わってしまう…。変わってしまうことの背景を感じると、より興味深くなる曲です。あらためて聞くからこその発見です。
INDECENT-TWO-PERSONS
サビで「3秒前に…」と繰り返すのが特徴的な「INDECENT-TWO-PERSONS」。(7曲目)
今につながるTetsuのドラムを感じさせる曲です。叩き方に特徴があるんですよね。代表曲まではならなくても、こういう曲があるのがとても耳に残ります。
怪しげなイントロのメロディと、歌詞に少し過剰なくらい日本語と英語が混じり合うのが、少年だった心に響いていたことをあらためて思い出しました。
I CAN’T LIVE WITHOUT YOU
男の弱さを歌った「I CAN’T LIVE WITHOUT YOU」。(9曲目)
あなたなしでは生きていけないんだ。自ら消えてやるというのは、今見ると見え方が変わって見える歌詞です。リズムが特徴的な曲になっています。
2枚目のアルバム「BASILISK」にアコースティックバージョンが収録されていますけれど、このアルバムのオリジナルの方が断然好きですね。
今聞くとかなり怪しい演奏ですが、それでもカッコいい曲です。2017年にリリースのトリビュート・アルバムでこの曲がもれていたのは、かなり意外でした。
いつか2枚目のリリースがあったら、選曲するバンドが現れますように!
あとがき
30年前にリリースされたアルバムと考えると、今聞いてもビックリします。
Kyoちゃんの声が若く演奏もそうとう怪しいのに、それでもカッコいい! 危うい部分はあっても、しびれるようなカッコよさは今のバンドでないものです。
今のようなSNSもネットも一般ではない時に横の口コミで広がったというのは、当時のD’ERLANGERがいかにカッコよかったという証拠ではないでしょうか?
今のバンドマンにも、あらためて聞いて欲しいアルバムです。必要以上にひねったり、手を無理に差し伸べなくても、独自でカッコよくなれるんですよ。
完璧ではない危うさと、怪しげな独自性は、何か特別なものを感じますよ。
以上、『D’ERLANGER:LA VIE EN ROSE ~薔薇は色で見える世界が異なる~』でした。
D’ERLANGER 関連記事
1989/2/10 release 1st Album
D’ERLANGER:LA VIE EN ROSE ~薔薇は色で見える世界が異なる~ ←今ココ
2007/3/14 release 3rd Album
D’ERLANGER:LAZZARO ~あるべき場所に戻ってきた十字架~
2019/5/22 release 9th Album
D’ERLANGER:roneve ~過去があるからこそできる初期衝動~
2017/9/13 release Tribute Album
V.A.:D’ERLANGER TRIBUTE ALBUM 〜Stairway to Heaven〜 ~心からのリスペクト~
JOE (ジョウ)
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