Daughtry (ドートリー) 2枚目のアルバム「Leave This Town」。
セルフタイトルの前作「Daughtry」から、約2年8カ月。思っている以上に空いた期間が長く、待望のリリースとなったアルバム。
アルバム・タイトル「Leave This Town = この街を去る」からも感じますが、切なさが全編にわたって表現されているのが特徴となっています。
寂しい感じのロックが好きな人には、特にオススメする1枚です。
Leave This Town 収録曲概要
「Leave This Town」収録曲は以下の通り。
- You Don’t Belong
- No Surprise
- Every Time You Turn Around
- Life After You
- What I Meant to Say
- Open Up Your Eyes
- September
- Ghost of Me
- Learn My Lesson
- Supernatural
- Tennessee Line
- Call Your Name
- Get Me Through
アルバム・タイトルだけでなく、曲名だけを見ても切ない感じをかもし出している1枚。聞いていると、さらにキュッと心が寂しくなります。
切なく、寂しさを感じるのに、また聞きたくなる魅力があるアルバムです。
You Don’t Belong
オープニング曲「You Don’t Belong」。(1曲目)
あなたの場所はないと、強い印象を持つ曲。場所がないのは「撃たれるから = すなわち死」だからこそ、ドートリーの歌声が嘆きのように聞こえます。
怒りではなく、嘆きであるのがこの曲のポイントです。それにしても、アルバムの始まりからこれでもかと切なく、悲しい思いが込められた曲になっています。
No Surprise
驚くことはないと歌った「No Surprise」。(2曲目)
何を驚くことはないの? といえば、変化が起こる全ての出来事というのが、興味深い曲。変化が起きるのは、行ってきたことの必然な出来事だという…。
何かが起こっても時が過ぎれば元通りになる、当たり前のように思い通りになることはないんだよと、言葉を投げかけているかのようです。
特にしてもらって当たり前、関係が修復して当たり前といのは、考えを改め直した方がいいんじゃない? と提案してくれているような感じがしました。
何かが起こることは驚きではないからこそ、普通の優しい歌い方になっているのかもしれませんね。当たり前の出来事について考えさせられます。
アルバムの中で唯一と言っていい、切ない感じがない曲です。
Life After You
切ないラブソング「Life After You」。(4曲目)
切ないラブソングといっても失恋の曲ではなく、あなたがいなくなってしまうことを知っているから…。いなくなる場所とは、この世界からです。
I know there’s no life after you
「俺にあなたがいなくなった後に人生がないのを知っている」。だからこそ、行かないでという、強い思いに感じます。本当の思いであり、はなむけですよね。
あなたと笑いに満ちた人生を過ごしたかったという、思いの強い曲です。
Open Up Your Eyes
客観的な目線であるからこそ切ない「Open Up Your Eyes」。(6曲目)
よく曲名にある「Open Your Eyes = 目を開いて」ではなく、「Open Up Your Eyes = 目を開く」であるのがポイント!
目を開けて欲しいのは彼女で、腕の中で亡くなった彼の死から1年たった今も、変わることがない。これは現実からですよね。
だからこそ「Open Up Your Eyes = 目を開く」になっている気がします。開いては願いですが、開くは実行であるからこそ、思いの強さが感じる言葉。
彼女の目を開きたいのは誰でもない、腕の中で亡くなった彼の気がしました。8曲目「Ghost of me」に、内容がリンクするように聞こえるから…。
1曲としても思いがありますが、合わせることでより強く感じますよ。
September
ギターのアルペジオが印象的な「September」。(7曲目)
アルバム・タイトル「Leave This Town」はこの曲の歌詞から選ばれたというう、重要な位置にあると同時に、これも切ない思いの歌。
そう思ってしまうのは、この街を去らなければいけないから。思い出としては残るけれど、住み慣れた街をさるというのは切ないものです。
日本で「September = 9月」で別れってなんだよ? となりますけれど、アメリカの学校など9月に始まります。地域差が分かると、なるほどねとなりますよ。
ドートリーが日本人であれば、もしかしたら4月となったかもしれませんね。
Ghost of Me
自分は幽霊になったと歌った「Ghost of Me」。(8曲目)
歌詞が「死んで埋葬されたと思った」で始まる、印象的な曲。
幽霊となってしまったからあなたに何かをしてあげたくても、できないもどかしさが表現されているのが、また切なさを誘います。思っても行動ができない…。
Don’t look over shoulder
Cause that’s just the ghost of me
「肩越しに見ないで。それはただの幽霊だから」。最初肩越しってなんだ? と思いましたが、鏡に写った自分を見ないでかなと。映る姿を想像すると納得です。
自分で肩越しを見るのは普段はあまりなく、鏡を見る時ぐらいですから…。
鏡は本来見えないものを移すといいます。まだ死んだばかりだからこそ、鏡を通してなら自分が見えてしまうのかですね。想像が沸き立てられます。
なんといっても、思いはあっても何もできないのが切ない! いろいろな歌が表現できるドートリーですが、切なく寂しい曲は特に一級品です。
あとがき
あらためて今聞き直してみても、切ないアルバム。聞いていると心が締め付けられるような思いになるのに、それをまた求めて聞いてしまう魅力があります。
前作「Daughtry」から進化がないと批評されたとウィキペディアに記載がありますが、1枚目は特にクオリティが高いですから…。
確かに比較してしまうと、進化はないかもしれません。ですが退化ではなく、クオリティーの高さを保った内容でもあります。良いアルバムですよ。
歌詞に込められている思いを感じると、より楽しめると思います。アルバムに込められた切ない思いを、これでもかと感じてみてください
以上、『Daughtry:Leave This Town ~もう僕はこの場所にはいない~』でした。
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JOE (ジョウ)
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