Daughtry (ドートリー) 5枚目のアルバム「Cage to Rattle」。
前作「Baptized」から4年8カ月。途中2016年にベスト・アルバム「It’s Not Over…The Hits So Far」を挟みましたが、久しぶりのリリースとなりました。
「Baptized」があったからこそ驚きはないですが、初期のヘビーではない、大人なロックが聞けるアルバム。それだけに、歌が耳に響いてくる内容です。
Cage to Rattle 収録曲概要
「Cage to Rattle」収録曲は以下の通り。
- Just Found Heaven
- Backbone
- Deep End
- As You Are
- Death of Me
- Bad Habits
- Back in Time
- Gravity
- Stuff of Legends
- White Flag
10曲で38分は、ドートリーの中で過去最高のコンパクトさ。これ以上は「Cage to Rattle」で表現する世界にはいらないんだという感じでしょうか。
実際に1枚として聞いた時の物足りなさはなく、もっと時間を短く感じてしまう内容。ソングライティングが優れているのは、十分に分かるアルバム。
初期を知っているからこそヘビーな曲を求めてしまうのは、聞き手の願望に近いかも…。抑えめであってもロックであり、歌がメインのアルバムです。
Backbone
もっとやれるだろ? と強く背中を押す「Backbone」。(2曲目)
大変なのは分かっている。だからこそできることがあるでしょ! と言わんばかりの強さは、女性ではなく、きっと男性に向けたものでしょうね。
You gotta show a little backbone
「あんたなもっとできるだろ」。下を向いているヒマがあるのであれば、気合を入れていけ! という感じは、聞こえてくる音よりも思いが強いです。
Deep End
ロックバラード「Deep End」。(3曲目)
あなたは海のような存在だから、深く飛び込みたいという思い。日本語であればくさくなりそうな歌詞も、英詩にドートリーの歌であれば聞けちゃいます。
We’re all swimming into the light
I want you by my side
「俺たちは光の中を泳いでいる。あなたに側いてほしい」。恋するからこその思いにも聞こえますが、母なる愛情を求めての感情なのかも。
信頼する女性へだからの思い。曲としても思わぬ深さがありそうです。
As You Are
あなたがいるからの思い「As You Are」。(4曲目)
思いがこれでもかと優しい歌。素直に思いを歌っているからこそ、思いの深さが伝わってくるようです。シンプルのであるに、深さがあります。
I love you as you are
「ありのままのあなたを愛している」。すごくいいフレーズ。日本語でありのままと聞いたら「Let It Go」を思いだしてしまいますが、いい表現ですね。
同じ意味でも英語だからこそできる、愛情表現があります。
言葉の響きもいいですし、邦楽アーティストが狙い目にしてもいいかも。恋ではない、愛の表現として聞こえるのは、歌のうまさもあるでしょうけれど…。
Stuff of Legends
一番アルバムの中でロックしている「Stuff of Legends」。(9曲目)
他が曲に合わせて抑えめである分、生き生きしている歌声が聞けるのがポイント! 初期からのファンであるほど、「おっ! 」と感じる方は多そうです。
Fight with mercy, love and anger
They won’t get to me, get to me
「憐れと愛、憎しみ戦う。彼れらは俺の場所にはこれないけれど」。捉え方が難しいですが、伝説となるには戦いは好まないということなのかも…。
相手がいなければ、戦いにはなりませんから。だからこそ誰かではなく、「Stuff = もの」なのかも…。曲調で気になりましたが、歌詞も面白い!
White Flag
戦いに負けても心が折れることはない「White Flag」。(10曲目)
誰かではなく、自分にいい聞かせるような言葉。興味深い表現が聞けます。
I won’t raise my, I won’t raise my white flag in this life
「俺が白旗を上げることはない」。悪あがきのようにも見えますが、心が折れない限り先に進むことも、逆転することもできる。これも面白い表現。
本当に終わりがくるまでは、自分らしく生きようぜ! を感じさせます。ポップな要素が強い中で、この力強さ。あまり他で聞かないタイプの曲かもです。
あとがき
「Baptized」と同じく激しいロックな感じは少なめですが、その分ドートリーの歌に込めた思いが伝わってくる内容。優しさと、力量の高さが分かります。
初期を求める人にはもっとロックしてくれよ! と感じちゃいますが、楽曲のレベルは高いのもポイント! 求めるものがあるからこその、相違かもですね。
2枚連続でポップ寄りに傾いたドートリー。2度あることは3度あるということわざがありますが、異なる形になりそうな気配を見せています。
2021年に予定されている6枚目のアルバム「Nothing Lasts Forever」からの先行シングル「World On Fire」は、曲名通りのヘビーな曲。
「Baptized」「Cage to Rattle」の2枚を経たことで、回帰でありながらも進化した姿をみせてくれそうです。
以上、『Daughtry:Cage to Rattle ~型にはまるのかそれとも…~』でした。
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JOE (ジョウ)
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