D.M.C (デトロイト・メタル・シティ) 1枚目のアルバム「魔界遊戯」。
1週間おきにシングル「SATSUGAI / 甘い恋人」「魔王 / ラズベリーキッス」と、怒涛のリリースの最後となるアルバム。
企画モノでありあがら、日本語メタルもカッコいい! と感じされてくれる内容です。
魔界遊戯 収録曲概要
「魔界遊戯」収録曲は以下の通り。
- SATSUGAI
- スラッシュキラー
- グロテスク
- メス豚行進曲
- デスペニス
- あの娘をレイプ
- マッドモンスター
- 恨みはらさでおきべきか
- 魔王
- ファッキンガム宮殿
曲名からして下品な表現のオンパレード。同じ下品でもエッチなSteel Pantherとは異なり、魔王であるからこそというのもポイント!
コンプライアンス的にも今のようにTwitterなど拡散されるSNSが全盛であれば、めちゃくちゃ叩かれるか、面白いと思われるかのどちらかでしょうね。
アルバムに合わせての映画の公開、Twitterの日本進出が2008年。もう2、3年後ろにずれていたら、当時得られた以上の衝撃となったのは間違いありません。
また忘れていけないのは、タイトル、歌詞はぶっ飛んでいても曲のクオリティーがしっかりとしていること。ふざけではなく、音がマジなのもポイントです。
今はあたらめてD.M.Cという存在があったら、すごく面白いかも…。
スラッシュキラー
魔王誕生の時「スラッシュキラー」。(2曲目)
成長して悪が目覚めたのではなく、生まれながらの魔王であるのを示した曲。極悪な歌詞と、スラッシュなリフがぴったりと合います。
オレは生まれつきの殺人鬼
生まれた瞬間産婆を殺った
初めての殺人は、生む手助けをしてくれた人。他の悪魔との格の違いを生を受けた瞬間から示すというのは、魔王そのものです。
ギャーオレを生んだ母親が叫ぶ
ギャーなぜ生まれてきやがった
「ギャー」と叫ぶのは赤子である自分ではなく、母親。誰もよりも先に生みの親に恐怖と後悔をさせる。魔王の誕生はこの上なく、恐ろしさがある瞬間です。
メス豚行進曲
女性軽視の歌「メス豚行進曲」。(4曲目)
魔王だからこそ、発言できる極悪な言葉。放送禁止用語ではなくても、今ラジオやメディアで曲をかけることはできないかも…。
下半身さえあればいい 下半身さえあればいい
サイテーな言葉。それでも嫌われてこその、魔王なのかもしれません。
一部ドイツ語で歌われている部分がありますが、行っている内容は日本語の部分と同一。キレイに歌う部分だからこそ、逆にサイテーな感じが増しています。
デスペニス
息子も魔王「デスペニス」。(5曲目)
歌詞は思いっきりサイテーですが、カッコいいスピードメタル。
入れてやる オレの魔物を
拒否なんてできない。望んで入れるのを受け入れろと言っているかのよう。
まわせ まわせ まわせ ローリン
まわせ まわせ ローリン
オスメスオスメス……!
オスメスオスメスの部分は、正に狂気。人であればクズですが、魔王だからこそ許されることなのでしょう。それにしても、すごい歌詞…。
その表現を変えたら、多くの人に受け要られておかしくない曲でもあります。
あの娘をレイプ
欲望のままに「あの娘をレイプ」。(6曲目)
これは、歌詞が完全にアウト…。完全に今のメディアでは流せないであろう曲。魔王は欲望のままに行動をするというのが分かります。
誰でもかまわずレイプレイプ
気分しだいでレイプレイプ
魔王…。クズです。逆に欲望のままに生きるというのは、悲しさを感じさせます。その理由は喜びではなく、寂しさを感じさせるからでしょうか。
マッドモンスター
魔王 = 「マッドモンスター」。(7曲目)
自分は汚れた怪物であることを認識。それで考えを改めるのではなく、さらに汚れを纏った存在になっていく…。魔王たる所以でしょう。
ただ肉 奴の前では死すらない
奴の歯にはさまった目玉から涙
魔王には涙というものはない。欲望だけ。怖すぎる出来事のメッセージ。
食い散らかす 地獄の底まで
誰という区別はなく食い散らかすしかないのは、寂し過ぎる。自分と分かり会える人とは、永遠に出会えないと言っているようなものですから…。
恨みはらさでおきべきか
永遠に消えることのない「恨みはらさでおきべきか」。(8曲目)
残虐な魔王が生まれたのは、人々の恨みからなのかと思わせる曲。なんでも欲望のままにできる魔王が恨みを歌うのは、過去の記憶によるものなのかも。
右手に憎しみ 右手に狂気
永遠の極刑をくれてやる
何をしても消えることのない恨み。いつになっても晴らすことができないというのは、寂しすぎます。恨みだけが生きる術になってしまうので…。
この曲に込められた狂気は、心が病んでいる時に聞いてはダメかもしれません。
ファッキンガム宮殿
新たな魔王を生み出す「ファッキンガム宮殿」。(10曲目)
アルバムで唯一全英詩の曲。これだか「fuck」を連呼するのは、他に例を見ないかも…。翻訳せずとも分かると思いますが、魔王ならではの歌詞です。
Fuck the Queen at the Fuckingham Palace
「ファッキンガム宮殿で女王をファック」。権力を持つ女王を手中にすることで、民衆に恐怖を与える。魔王の支配だと示しつけるためでしょう。
望まれない形で生命を宿し、新たな魔王が誕生するきっかけになる。魔王が行う魔界遊戯は、永遠に続くと表現しているのかもしれませんね。
歌詞は魔王の恐怖そのものですが、ライブ映えするのは間違いない曲。延々に続く魔王の支配を表現するのも含めて、アルバムラストにピッタリです。
あとがき
勢いと、そのイメージそのものが聞ける内容。マンガ、アニメがきっかけのバンドというのは多くありますが、衝撃度として考えたらD.M.Cが1番でしょう。
ただし、エグ過ぎる歌詞は、シャレが通じない人は怒ってしまうかも…。
また、曲名、歌詞はぶっ飛んでいても、日本語メタルとしてカッコいいのもポイント! D.M.Cのボーカルを表現できるのは、冠さんなしではありないかも…。
日本語メタルは暑苦しくなるだけの場合が多くあるのですが、そうはなっていません。本当にこれ以上は望めない、見事な人選だったのが聞いて分かります。
以前のように当たり前にライブができる状態に戻ったら、恐怖の魔王が再び降臨ということで、D.M.Cが復活したら面白いのに! なんて思っちゃいました。
企画モノであっても、ガチなメタルアルバムとしても楽しめる1枚です。
以上、『D.M.C:魔界遊戯 ~俺様が支配する恐怖の世界へようこそ~』でした。
D.M.C 関連記事
2008/8/6 release 1st Single
D.M.C:SATSUGAI / 甘い恋人 ~どちらが本当の自分? ~
2008/8/13 release 2nd Single
D.M.C:魔王 / ラズベリーキッス ~全てを俺に差し出すがいい~
2008/8/20 release 1st Album
D.M.C:魔界遊戯 ~俺様が支配する恐怖の世界へようこそ~ ←今ココ
JOE (ジョウ)
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