Creed (クリード) 2枚目のアルバム「Human Clay」。
前作「My Own Prison」から約2年1カ月。世界中で2,000万枚以上販売された、クリードの中で最大ヒットしたアルバム。
アメリカだけで1,150万枚オーバー! 「List of best-selling albums in the United States = アメリカで最も売れているアルバムリスト」に入っています。
時代の背景はあっても内容的に明るくないこのアルバムが大ヒットしたのは、音楽の面白さではないでしょうか? 明るくないだけで、いいアルバム。
いつの時代にもいますが、迷っている人が多かったんでしょうね。
「My Own Prison」ほどの重くて暗さはなく、重みに深さがあります。人間の持つ闇が見えそうであるのと同時に、支えてくれる救いを感じる1枚です。
Human Clay 収録曲概要
「Human Clay」収録曲は以下の通り。
- Are You Ready?
- What If
- Beautiful
- Say I
- Wrong Way (Album)
- Faceless Man
- Never Die
- With Arms Wide Open
- Higher
- Wash Away Those Years
- Inside Us All
- With Arms Wide Open (Strings Version)
11曲目までが本編で、12曲目はボーナス・トラック。販売される国でボーナス・トラックは異なりましたが、配信はアメリカ盤が基準になっています。
当時は特に洋楽の日本盤は曲が追加される場合が多かったとはいえ、配信になると基準が版権などがあって、変わってくるというのも面白いですね。
当初は日本盤のボーナス・トラック「Young Grow Old」。これは2015年リリース「With Arms Wide Open: A Retrospective」で聞けます。
聞くと重く深いクリードですが、曲名はどのアルバムでも共通してシンプル。だからこそ、聞いた時に深みが出る気もします。
Are You Ready?
オープニング曲「Are You Ready? 」。(1曲目)
タイトルそのままの「準備はできたか? 」という曲。始まりというと爽やかだったり、スピードがあったりしますが、ミディアムテンポで重いです。
他のアーティストや、バンドで聞けない始まり方が聞ける曲。他にあまりないからこそ、ゆっくりと重く、男らしい歌声が興味深い感じさせます。
Life has just begun
「人生が始まったばかり」。多くある始まりでも、少し重めの始まりだからこ、はまります。1度でも引かれてしまうと、ぐいぐいとくるのも特徴です。
What If
イントロのアルペジオからヘビーで重い曲へと変わっていくのがカッコいい「What If」。(2曲目)
重くなっているのは「What if = …したらどうなる」と、問いかけだからでしょうか。問いかけも「ウソを付いたら? 復習したら? 」 と、重いもの。
単純な問いかけではなく、行動によって大きく変わる選択肢だからこそであるのが、聞いていて面白く感じさせます。迷うからこその重さが、興味深い。
What if your words could be judged like a crime?
「あなたの言葉が犯罪とみなされるならどうする? 」深い問いかけ。どうやったらこういう歌詞が出てくるのか、興味深さしかありません。
With Arms Wide Open
ミディアムテンポのロックバラード「With Arms Wide Open」。(8曲目)
男の優しさと強さを歌っていて、他の曲とは違った感覚がします。優しく包み込むような曲で表現されているのは、強い男全てを支えるからという思い。
With arms wide open
I’ll show you everything
「腕を大きく広げて。全てを見せるから」。何があっても守るんだいう強さ。前作「My Own Prison」にはないタイプの、優しく聞き入ってしまう曲です。
Higher
クリード最大のヒット曲「Higher」。(9曲目)
Billboard Top 100に57週にわたって、チャートインしていました。1年は52週。1月の曜日やうるう年があっても53、54週ですから、なんと丸1年以上!
今のような配信ではなくCDでの販売ですから、すごさが分かります。
ヒット曲が必ずしもいいとは限らないですが、ミディアムテンポのロックのカッコよさが存分に楽しめます。聞くもよしに加えて、弾きたくもなりますよ。
Can you take me higher?
「もっと高くしてくれないか? 」高い場所に行って行きたい場所は黄金通り(輝く場所)というのは、当時救いを求めている人が多かったのかもしれませんね。
スコット・スタップの少しフィルターのかかった男らしい歌声だからこそ、ハマっている曲。他のボーカリストだと、うまくはいかないでしょうね。
曲中のブレイクなど演奏も含めて、クリード中でもカッコいい!
Inside Us All
アルバムの本編ラスト「Inside Us All」。(11曲目)
アルバム・ジャケットの土の中から手を出して救いを求めているように見える「Human Clay = 人間の粘土」への、回答になっているように聞こえる曲。
このアルバムは迷いや、今と変わりたい気持ちが表現が多いですが、迷わずに変わりたい先にあるのは平和ではないでしょうか?
There’s a peace inside us all
「平和は全員の中にある」。探すことはしなくても、すでに持っているものなんだよ! と言っている気がしました。近くにあるからこそ、気づかないのかも…。
ことわざの「灯台下暗し = 身近なことには気付かないたとえ」。この曲を聞くと思い出します。すぐ近くにあるからこそ、難しく考えなくてもいいんです。
テーマにしては明るさはないのですが、深みを感じさせます。
あとがき
明るさはないですが、暗く重さの中に光が隠れているようなアルバム。
優しく背中を押してくれるのではなく、当たり前のようにだまって後ろから支えてくれるような感じがあります。男はだまってみたいな、正に男気。
日本ではあまりヒットはしなかったクリードですが、深くまで聞くと男だからこその優しさと強い思いを感じますよ。特にこのアルバムはその傾向が強いです。
リリースから20年を過ぎた、このアルバム。混沌とした世の中の今だからこそ、あらためて聞き直してみたり、新たに聞いてみるのをオススメします。
以上、『Creed:Human Clay ~探している平和は誰もが心に持っている~』でした。
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