Corey Taylor:CMFT ~君たちに送る俺からの挑戦状~

Corey Taylor:CMFT洋楽レビュー
洋楽レビュー

Corey Taylor (コリィ・テイラー) 1枚目のアルバム「CMFT」。

言わずと知れた、Slipknot、Stone Sourのボーカリスト 初のソロ。本来であれば現在は「We Are Not Your Kind」でのツアーの予定が、できない状態に。

とはいえ、ただ家に引きこもっておとなしくしている人ではなく、本来の予定にはなかったアルバムを制作してリリースしてきてくれました。しかもソロ。

聞こえてくるのは、Slipknot、Stone Sourとも異なるロックサウンド。既存のファンは別の感覚、新たな層も引き込むであろう内容です。

CMFT 収録曲概要

「CMFT」収録曲は以下の通り。

  1. HWY 666
  2. Black Eyes Blue
  3. Samantha’s Gone
  4. Meine Lux
  5. Halfway Down
  6. Silverfish
  7. Kansas
  8. Culture Head
  9. Everybody Dies on My Birthday
  10. The Maria Fire
  11. Home
  12. CMFT Must Be Stopped (feat. Tech N9ne and Kid Bookie)
  13. European Tour Bus Bathroom Song

気になるアルバム・タイトル「CMFT」。これはコリィ・テイラーの高校時代からのニックネームだとか。最初は略してCTだったのが、いつしかCMFTに。

短くしているのにミドルネームが追加されるというのは、なんとも面白い!

追加されたMTは「Mother Fucker」の頭文字。本来は侮辱的な意味の言葉ではありますが、高校時代ですし、きっとロックとしての意味が強いかなと。

また、10代の頃からロックな人であったことを想像させます。初のソロ・アルバムをニックネームで。最初の背景を知ると、これ以上ないタイトルに思えます。

焦点をぼやけさせないために、ある程度は範囲を絞る必要のあるバンドのサウンド。ソロだからこそ逆に今やりたいことをというのが、面白い内容です。

HWY 666

カントリーの要素が含まれるのが面白い「HWY 666」。(1曲目)

原型となる部分は16歳の頃に書いていて、祖母の家で見つけた高校時代のノートから引っ張ってきたものだそう。時を経て形になるというのは面白い。

ノートを見直すことで、思春期の頃の記憶が鮮明に蘇ったのでしょうね。

Hey, all I know is only death provides
Life is just the writing on the wall

「俺が知っているのは死だけ。人生は壁に書いただけに過ぎない」。16歳で書くにはませていて寂しい思いですが、ノートにも結びつきがあるのも興味深い。

ロックでよく出てくるHighwayに、不吉な数字とされる666。アルバムの始まりとして、聞き手をつかんでくれます。アメコミ風のVMも面白い!

サントラ参加を懇願こんがんするぐらいスパイダーマンが大好きですから、見て納得。

Black Eyes Blue

メッセージ・ソング「Black Eyes Blue」。(2曲目)

聞く人によっていろいろな解釈ができそうな曲。住んでいるというよりも、人種の違いが出るかも…。部分的に言葉を置き換えると、しっくりときます。

Make my black eyes blue
I fall for you

「俺の黒い目を青くする。君に恋したから」。黒というのは、きっと死んでいることを意味するんじゃないでしょうか。君に恋することで、生きることになる。

日本人でいうと黒目が生きるですが、MVを見ても分かるようにコリィ・テイラーはブルーアイズ。自分からだから、例えがこの形になったのかなと。

同じテーマで曲をいろいろな国のアーティストが作ったら、それぞれ異なる表現になりそうです。

Samantha’s Gone

彼女が自分の元から去っていく「Samantha’s Gone」。(3曲目)

本当は寂しいはずであるのに、強く見せるような形。表現が興味深い曲は、本来は別のアーティストに提供する予定が、ボツにされたんだとか。

相手が誰なのか分からないですけれど、もったいないことをしましたね。ネームバリューだけでなく、曲も面白いに! それなら間違いなく自分で使いますよね。

Now I’ve got nothin’ to lose because Samantha’s gone

「サマンサがいなくなった今、何も失うものはないんだ」。一番大切な人を失ったからこそ、もう逆に怖いものはなくなったという状態。

強がることで、ありがとうとサヨナラを同時に言っているのかしれません。ロックンロールな曲は、こんなのも歌えるんだと思わせてくれますよ。

Culture Head

誰も信じられなくなった思い「Culture Head」。(8曲目)

混乱状態であるのを認識している。分かっているからこそ、深い悩みとなっているのが想像できます。Stone Sourの新曲と言われたら信じてしまいそうな曲。

Now, I don’t want to blame anyone
But now and then, you just love abuse

「今、誰のせいにもしない。ただずっと虐待が好きなだけ」youとあっても、誰かじゃない。虐待も相手にするのではなく、自分へなのかなと。

おかしいのを認識しているけれど、何ができるわけでもない。だからこそ関係ないもことのせいにして、自己防御であるように自分は感じました。

痛みのある演奏、歌声は、嘆きもあるけれど、それだけじゃない気がします。聞いて日が浅いからの認識ですが、深堀りしたら感覚が変わってくるかも…。

Home

奥さんのために書いたラブ・ソング「Home」。(11曲目)

原曲はギターだったそうですが、演奏がピアノとなり、優しい思いの聞ける曲。この形でも歌えるのが、コリィ・テイラーの強みでもあります。

I know there’s somethin’ on your mind
I know you’ve given up at least a thousand times

「あなたの心には何かあるでしょ。少なくとも千回は諦めたことも知っている」。冒頭の歌詞。お互いにいろいろと経験をしているからこその言葉。

母子家庭で育ち、離婚もしているコリィ・テイラー。想像ではない、切ない経験もしているからこそ、相手のことも受けいられるし、優しさとなるのでしょう。

奥さんという対象がいるからこそ、思いの優しさが最大限になった曲。是非、ライブでも聞いてみたいです。

CMFT Must Be Stopped (feat. Tech N9ne and Kid Bookie)

テック・ナイン、キッド・ブッキー フィーチャリング「CMFT Must Be Stopped (feat. Tech N9ne and Kid Bookie)」。(12曲目)

ラッパーとコラボをするという、ソロならではの曲。Slipknot、Stone Sourでは間違いなくないであろうこと。ごちゃまぜ感が、なぜか気持ちのいい!

このアルバムに是大敵に必要な曲であり、聞いていて新鮮に感じます。

CMFT can’t be stopped!

「CMFTは止められないぜ! 」。どんな状況にあってもコリィ・テイラーは止められない。意思でもあり、実際に行うのですから、かっこよく感じさせます。

この「CMFT」というアルバムの、テーマソングといっていいかも!

European Tour Bus Bathroom Song

最後を締めるパンクソング「European Tour Bus Bathroom Song」。(13曲目)

「CMFT Must Be Stopped」で終わらせることもできたと思いますが、ただでは終わらないこのアルバムが提供する、強烈なボーナス・トラック。

俺たちはいつでも行けるぜ! という感じが、聞いていて心を熱くさせます。歌詞を引っ張ってくるのも野暮な感じがする、興味深い曲。

音源としてもですから、ライブではもっと強烈なインパクトを与えてくれそうです。

あとがき

Slipknot、Stone Sourのイメージしかなかった人には、びっくりする内容ではないでしょうか。同じロックであっても、大きく異るサウンド。

歌声を聞けばコリィ・テイラーそのものですが、全体的に明るさがあることで、インパクトを強く感じるかもです。特にSlipknotは暗く重いですし…。

細かい活動まで追ってた人には、隠れていた要素をソロで出してきたなという感じ。また、ジャケットがチャンピオンベルトであるのは、世間へ挑戦状だとか。

「CMFT」という人を強調、最高の物を作るんだという意思。極限まで追い込むからこそ獲得できる、チャンピオンにも通じるものがありますよね。

聞こえてくる音もですが、興味深い人。部分的ではない完全なるソロを経験したことで、Slipknot、Stone Sourへの変化や影響がどう出てくるのかも楽しみ!

製作時に25曲をレコーディングしたと語っていました。世界の状況次第ですが、思いの他に「CMFT」に続くソロが音源が聞けるのは早くなるかも…。

表現する手段は変わっても、今できる最高の事と物を。カッコいい!

 

以上、『Corey Taylor:CMFT ~君たちに送る俺からの挑戦状~』でした。


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JOE (ジョウ)

Guitar、F1を筆頭にモータースポーツ全般、野球(巨人)が好きな、ジャンルを問わない音楽マニア。日々記事更新中で、SNSは基本オマケ。 もっとプロフィール & あぶまいについて

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