Children of Bodom (チルドレン・オブ・ボドム) 2枚目のアルバム「Hatebreeder」。
前作「Something Wild」から、2年2カ月ぶり。よく聞くとかなり演奏が荒いのですが、それだけにライブ感がたっぷりの1枚。
この時点だからこその内容といえるアルバム。突き抜けた勢いが聞けます。
Hatebreeder 収録曲概要
「Hatebreeder」収録曲は以下の通り。
- Warheart
- Silent Night, Bodom Night
- Hatebreeder
- Bed of Razors
- Towards Dead End
- Black Widow
- Wrath Within
- Children of Bodom
- Downfall
- No Commands (Stone cover)
- Aces High (IRON MAIDEN cover)
10、11曲目はアルバム恒例のカバー。IRON MAIDENのメタルとして選択は分かる気がしますが、Stoneを選択するのは興味深い。
後にバンドのギタリスト ローペ・ラトヴァラが加入するのですから、つながりというのは分からないものです。
他のアルバムではいかにもボーナス・トラックという感じですが、1枚の中に馴染んでいるのもポイント。原曲を知らなければ、オリジナルと思うかも…。
だからこそ、全体を通して突き抜けるような勢いになっているのでしょう。
Warheart
敵対心を宣言する「Warheart」。(1曲目)
歪んだベースと絡みあって始まるイントロがカッコいい曲。聞いていて一気に引き込まれてしまうバチバチな演奏のバトルは、オープニングにピッタリ!
メタルだからこその、熱さとカッコよさが聞けます。
I’m the coldblooded killer, who’ll fuck you up
「俺は冷血な殺人者。あんたを犯してやる」。攻撃的な思いだけでなく、自分を奮い立たせせるための宣言のようにも聞こえます。
連弾をしている鍵盤の音が痛いのですが、そこがまた思いの強さにつながっているのがいい感じ。「Hatebreeder」の世界に引き込まれます。
Hatebreeder
アルバムタイトル曲「Hatebreeder」。(3曲目)
イントロの構成が似ているので、最初は「Silent Night, Bodom Night」の続きかと思わせる曲。憎しみの感情が増大していくのが、重みとなっています。
I hate you from the bottom of my heart
「心の底からあなたを憎む」。裏切られたと気付いたからこその、憎しみ。「Hatebreeder」は言葉をくっつけただけだと思いますが、はまってます。
ただあなたに対しての憎しみが増えていくというのが、切なくも痛いです。
Towards Dead End
自らで行き止まりへと進んでいく「Towards Dead End」。(5曲目)
流れていくようなメロディーは、立ち止まることなんてありえないのを表しているのかも…。聞くとカッコいいのですが、寂しさも持ち合わせた曲。
Little by little the end is drawing near
Another night and so little blood to spare
「少しずつ終わりに近づいていく。もう1夜、血を惜しまない」。死へと自らの足で進み、向かうことに悩んですらいないのが寂しくなります。
歌詞を見ながら聞いていると、三途の川に並びにいくような情景が思い浮かぶ人もいるかも…。止まることがなく一気に流れていくのが、また切ないです。
Children of Bodom
バンド名と同じ曲名「Children of Bodom」。(8曲目)
「Bodom」シリーズの1曲。ボトム湖殺人事件がバンド名の由来となっていますので、表現することが必要なんでしょう。
Something Wild has survived!
「ワイルドなやつが生き残った」。悲しみと怒りを表現する中で、最後に1枚目のアルバム・タイトルも含まれるメッセージ。
受け取り方は人それぞれだと思いますが、深い思いがありそうです。後からボーナス・トラックとして1枚目に追加されるのも、ここで聞くとなるほどなと。
バンド名というだけでなく、深く入り込んでいくと面白みの増す曲です。
Downfall
バンドの代表曲の1つ「Downfall」。(9曲目)
自分が崩れ落ちていくという、寂しさがあふれた曲。攻撃性が高いバンドだからこそ、切ない思いが叫びとなって心に入りこんできます。
The ruins are about to crumble down
「廃墟が崩壊していく」。建物ではなく、自分たちが作り出したものが崩れていくことを「Downfall = 没落」。自身で気付いているからこそ、切ない…。
デスボイスだからこそ叫びが悲しみに。歌詞を見るとより寂しさがましていく曲。崩れていくからこその美学というか、心にぐっときます。
1曲としても注目ですが、アルバムの中で聞くとより思いが切ないです。
Aces High
IRON MAIDENのカバー「Aces High」。(11曲目)
オリジナルに形は近いですが、COB流にブラッシュアップされた形。テンポも上がるととも、曲としての攻撃性が上がっています。
Fly to live
「生きるための飛ぶ」。デスボイスで叫びだからこそ、思いが強く聞こえます。オリジナルよりも先に聞いたので、IRON MAIDENにふれるきっかけのカバー。
ガチで最後までやりきったというのが、カッコよさにつながっています。
あとがき
テンポの早さだけじゃない、全体を通してライブ感と勢いの感じられるアルバム。初期の低音でのデスボイスも、うまく曲にマッチしています。
「Hatebreeder」がリリースされたのは、1999年。バンドの状態も含めてこの時だからこそ収められたという内容は、今に聞いても新鮮でカッコいい!
ギターと鍵盤のバトルもバチバチなので、楽器を弾く人、メタラーであれば熱くならない理由は何もありません。無理やりな形でないのもポイント!
たまにふと聞きたくなるのですが、いつになっても熱くさせてくれます。
以上、『Children of Bodom:Hatebreeder ~憎しみだけが増えていく~』でした。
Children of Bodom 関連記事
1997/2/26 release 1st Album
Children of Bodom:Something Wild ~この手に全てを差し出せ! ~
1999/5/4 release 2nd Album
Children of Bodom:Hatebreeder ~憎しみだけが増えていく~ ←今ココ
2000/10/30 release 3rd Album
Children of Bodom:Follow the Reaper ~そろそろ逝きましょうか? ~
2003/1/6 release 4th Album
Children of Bodom:Hate Crew Deathroll ~最後まで立ち止まらずに戦う~
2005/9/14 release 5th Album
Children of Bodom:Are You Dead Yet? ~本当と生と死とは? ~
2008/4/7 release 6th Album
Children of Bodom:Blooddrunk ~あなたの血を全て俺によこせ~
2011/3/8 release 7th Album
Children of Bodom:Relentless, Reckless Forever ~止まることはない~
2019/3/8 release 10th Album
Children of Bodom:Hexed ~過去形ではなく未来を予測していた~
JOE (ジョウ)
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