Children of Bodom (チルドレン・オブ・ボドム) 3枚目のアルバム「Follow the Reaper」。
前作「Hatebreeder」から約1年半ぶり。1、2枚目とはサウンドが変化してきているのが特徴で、全アルバムの中でも1番聴きやすくポップかも…。
普段メタルを聴かない人には「どこがポップ? 」となりそうですが、続く「Hate Crew Deathroll」と合わせて、COBを聞くなら確実に抑えておきたい1枚です。
Follow the Reaper 収録曲概要
「Follow the Reaper」収録曲は以下の通り。
- Follow the Reaper
- Bodom After Midnight
- Children of Decadence
- Everytime I Die
- Mask of Sanity
- Taste of My Scythe
- Hate Me
- Northern Comfort
- Kissing the Shadows
- Hate Me! (Single Version)
- Hellion (W.A.S.P. cover)
9曲目までが本編で、10、11曲目はボーナス・トラック。カバーが入るのは10枚目「Hexed」を除いて、恒例パターンのお楽しみトラック。
アルバムの世界観とは異なるのですが、COB流になっているのが面白く、毎回楽しみにしている人も多かったはず…。実に遊び心があるサウンド。
権利の関係からなのか、再発時にボーナス・トラックはちょいちょい変更されているのですが、本編が充実しているからこそ成立しているのもポイントです。
Follow the Reaper
オープニングを飾るタイトルトラック「Follow the Reaper」。(1曲目)
イントロで一気にアルバムの世界観に引き込まれる曲。シンプルなリフの中に、鍵盤の音がプラスされることで加わる冷たさが、心地よく感じます。
ギターリフだけでは、表現ができない世界。キーボードソロもカッコいい!
“I was only 21 when I died”
「俺が死んだのは、21歳の時だった」。自分の死を正当化するような歌詞の中、最後に具体的な年齢が出てくるからこそ、よりリアルに…。
この曲を聞いている時に振り向くと、ジャケットの死神がいるような感覚さえするのですから不思議。青というのが、冷たさを感じさせます。
Bodom After Midnight
アルバムの中でも特にポップな「Bodom After Midnight」。(2曲目)
メンバー3人の脱退。権利上でChildren of Bodomは使えず、アレキシ、ダニエルが継続するバンド名となった曲。意外性のある発表でした。
見たり、聞いてすぐに分かるようにするとはアレキシがインタビューで語っていましたが、当てられた人は少ないかも…。他にもいい候補はありますから。
The reaper is on the other side, let’s go
「死神は向こう側、行こう!」。これもバンド名にするのに、マッチしていたのかもですね。音楽として基本は変わらなくても、新たなメンバーと名称変更。
この曲はリリース時よりも新しいバンド名ということで聞く人が増え、実は良かったと気付く人が多そうです。自分も正にその一人…。
バンド名になったぐらいですから、ライブで演奏されることも多くなるかも?
COBの曲の中だとブレイク部分以外は難易度は低めですので、コピーをする1曲目にいい感じですよ。歌メロを変えても面白くなるかも…。
Everytime I Die
寂しさが漂う「Everytime I Die」。(4曲目)
噛みしめるように歌う言葉が、実に寂しい。デスボイスというと叫び声になっていることが多いですが、この曲で聞ける声は少し異なります。
I’ll let the wind blow out the light
‘cause it gets more painful every time i die
「風に吹かれて光が消える。死ぬたびにつらくなるから」。歌詞も見ると、さらに寂しくなります。本来1度である死が繰り返すというのも、意味深長。
2000年のリリース時点でシングル曲でなく、アルバム収録曲のMVを撮影されたとうのは、いろいろな意図が隠れているのかもしれません。
Hate Me
アルバムに先行してシングルカットされた「Hate Me」。(7曲目)
恐怖を表現しているかのような、イントロの連弾の鍵盤。インパクトのあるスピードナンバーは、アルバムの中でも象徴となる曲。好きな人が多いですね。
流れるようなメロディの中に、吐き捨てるようなデスボイスがカッコいい!
Y’know that I don’t fucking care if I live or die
「俺が生きようが気にしていない」。悲しく寂しい思い…。言葉数が多く、自分は死ぬために生きていると歌っているのに、最後に「If you hate me!」。
自分の思いだけでなく、”あなた”という対象が出てくるのが、切ないです。
Northern Comfort
アルバムの中でもギターが特にカッコいい「Northern Comfort」。(8曲目)
ギタリストであれば、ノックアウトされること請け合いな曲。音数も多くバチバチぶつかっているのですが、クリアに前に出てきているのも良さの1つ。
You’re alone!
「あなたは一人! 」。死神からの言葉であるのか、自ら自分に言い聞かせる意味であるのか、どちらでも解釈ができる歌詞で興味深い。
リフからソロ、エンディングまでカッコいいからこそ、アレキシがメタルバンドの単なるギターボーカルとは違う! と思い知らされます。
良曲ぞろいのアルバムですが、1曲だけを選ぶなら自分はこれですね。
あとがき
このアルバムはたまにふと聞きたくなるのですが、鍵盤とギターのバランスがよくて、カッコいい! 何より曲がいいのがポイントじゃないでしょうか。
それでいて冒頭でも記していますが、実にポップ。メロディアスで思わず口ずさみたくなるフレーズ、弾きたくなる曲は、優れたアルバムの証拠かなと。
プラスして、寂しい思いに見入ってしまう歌詞も特徴です。20年前のリリースだからこそMVは古さを感じますが、今も新鮮に聞こえる音。
バンドとしても「Hate Crew Deathroll」に続く、重要なキーとなっているアルバム。デスボイスに抵抗がある人にこそ、聞いてほしいです。
以上、『Children of Bodom:Follow the Reaper ~そろそろ逝きましょうか? ~』でした。
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1997/2/26 release 1st Album
Children of Bodom:Something Wild ~この手に全てを差し出せ! ~
1999/5/4 release 2nd Album
Children of Bodom:Hatebreeder ~憎しみだけが増えていく~
2000/10/30 release 3rd Album
Children of Bodom:Follow the Reaper ~そろそろ逝きましょうか? ~ ←今ココ
2003/1/6 release 4th Album
Children of Bodom:Hate Crew Deathroll ~最後まで立ち止まらずに戦う~
2005/9/14 release 5th Album
Children of Bodom:Are You Dead Yet? ~本当の生と死とは? ~
2008/4/7 release 6th Album
Children of Bodom:Blooddrunk ~あなたの血を全て俺によこせ~
2011/3/8 release 7th Album
Children of Bodom:Relentless, Reckless Forever ~止まることはない~
2019/3/8 release 10th Album
Children of Bodom:Hexed ~過去形ではなく未来を予測していた~
2021/4/23 release 1st Single
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JOE (ジョウ)
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