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センチミリメンタル:やさしい刃物 ~傷を付けるためじゃない~

センチミリメンタル:やさしい刃物邦楽レビュー
邦楽レビュー

センチミリメンタル 1枚目のアルバム「やさしい刃物」。

前作「リリィ」から2週間。デビュー作「キヅアト」からコンスタントにリリースを続けてきた、温詞 ソロ・プロジェクトのファースト・アルバム。

今までの集大成という言葉が相応しい、彼ならではの内容になっています。

やさしい刃物 収録曲概要

「やさしい刃物」収録曲は以下の通り。

  1. suddenly
  2. キヅアト
  3. 僕らだけの主題歌
  4. とって
  5. 死んでしまいたい、
  6. 星のあいだ
  7. 冬のはなし
  8. はなしのつづき
  9. 夜が明ける
  10. 対落
  11. nag
  12. 青春の演舞
  13. リリィ

デビュー作「キヅアト」収録「まるつけ」「session / the seasons」は含まれませんが、その他は全て収録の上、リメイク1曲に2曲の新曲を収録。

加えてギヴンに提供した「冬の話」「夜が開ける」をセルフカバー。冒頭にも記述しましたが、集大成という言葉が相応しい内容です。

注目すべきはシングル曲がかなり多めになっていますが、ただ曲を寄せ集めただけにはなっていないところ。それには曲順も関係してきていそうです。

初めて触れる方は勿論、先に曲を聞いてきた方もぜひ曲順通りに通して聞いてみて下さい。切ない曲が多いですが、重くなり過ぎていないのもポイントです。

suddenly

物事はいつも「suddenly」。(1曲目)

1分47秒と短く、イントロダクションのような歌。収録されたどの曲でも、これ以上にオープニングにぴったりはまることはなかったでしょう。

夢の中の君も
悲しい顔 するようになった

夢であるからこそ、笑顔でいて欲しいのに…。寂しいですけれど、それはもっと笑顔と引き立たせるための前段階なのかもしれません。

それは suddenly

「suddennly = 突然」。その変化も急だったからこそ、また変わることもあるはず。歌詞は寂しいですが、その聞こえてくる音からは希望を感じさせます。

歌詞の中で描かれていない世界が、あると想像するのは自分だけでしょうか? エンディングの突然消える音は、変化の訪れを表しているように聞こえます。

死んでしまいたい、

自主制作盤のリメイク「死んでしまいたい、」。(5曲目)

インパクトのあるタイトルは、葛藤するからこその思い。自ら全てを終わらせようとするネガティブさと思いきや、描かれている内容はポジティブです。

死んでしまいたい
でも、死ねないんだよ

嫌なことがあれば、もうしたくないもの。全てであればそう思うのも当然ですが、終わりにしてしまったら失ってしまうものがある。

その1つの希望こそが、大きな生きる意味となっていそうです。

いま僕が抱えている
この矛盾の数々 こそが
僕のすべて

生きていれば、おかしいと思うことはよくあうこと。全てに満足している人なんて逆にいないのではないでしょうか?

だからこそ矛盾と思えることがあるのは、今の自分だからこそと考えたら楽になれそうです。それは今であって、未来は違うのかもしれないのですから…。

この曲では死ねない理由は君のそばにいて顔を見たいからですが、何か一つでも希望があれば死にたいという衝動は抑えることができるのではないでしょうか。

自分の中だけで最悪、どうにもならないとしない。思っていることを言葉にして吐き出してみるというのは、客観的に見れていいかもしれませんね。

死んだら楽にはなれるかもですが、まだ見ぬ未来は見られないですから…。

冬のはなし

ギヴンに提供した曲のセルフカバー「冬のはなし」。(7曲目)

そのままボーカルと載せ替えることもできたはず。ですが、最初はミックスかと思ったら演奏も変わっています。これはこだわりゆえのことでしょう。

もう1曲のセルフカバー「夜が開ける」も同様ですが、ボーカルの違いだけでなく、聴き比べてみるとより楽しめるかと思いますよ。

はなしのつづき

もっと君としたかった「はなしのつづき」。(8曲目)

現実の世界ではもう出会えなくなった君。それでも僕はもっと話し続けていた買ったの思い。それは一方的でも、思いが強いからこその行動でありそうです。

未来を見つめても
君はいないから
ほら 僕はまた振り向くんだ

自分にはまだ未来があるけれど、止まってしまった君はもうこの世にはいない。それでもいる気がするからこそ、後ろを振り返ってしまう。

君という関係ではないですが、自分にも稀にそう思える時があります。もう話はできないけれど、見守ってくれているんだななんて感じる時が…。

実際は勘違いなのかもですけれど、そう思えるだけで幸せな瞬間です。

君が本当にいなくならないように
せめてこの歌に残しておくため

時の経過とともに、同じ世界にいなければ忘れられていく存在。せめて自分だけはずっと歌に残す。音楽ならではの、君の存在の残し方です。

その歌を聞いた人が増えれば、君の存在を知る人も増えていく。いいですよね。

聞こえてなくても 聞こえてなくても
聞こえてなくても また歌うから

どんなに心を込めて歌っても、会話をすることはできないから聞こえているからも分からない。それでも、僕は歌い続けるよ。君を思うからこそ。

別の世界に行ったことはないので分かりませんが、きっと音楽という形であればその時だけでも”はなしの続き”ができていたらいいなと思ってしまいます。

タイトルからは想像ができなかった世界観を持つ曲。相手を思い続けるからこその歌としての表現は、とても興味深く感じました。

フィクションだと難しいので、モデルになる実際の君がいるかもですね。

あとがき

そのサウンドはがっつりバンド形態であっても、温詞 ソロ・プロジェクトであるセンチミリメンタル。表現する音も含め、すごく面白い存在です。

逆に個人だからこそ、うまくまとめられているのかも…。ディスカッションするのもバンドの面白みですが、明確にやりたいことがある場合はぶつかるので。

ライブはサポート・メンバーを入れればできますし、今の形が彼にとってぴったりなんでしょうね。シンガー・ソングライターに近いとも言えます。

とはいえ集大成な1枚を作ったことで、その表現方法には変化が出てくるはず。どう変わっていくのか、それとも変化なく延長線であるのか興味津々です。

今作は複数の人と集まってガヤガヤではなく、一人でしっとりと自分の世界にひたりたい時にこそ、歌詞を見つつヘッドホンで聞くことをオススメします。

 

以上、『センチミリメンタル:やさしい刃物 ~傷を付けるためじゃない~』でした。


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JOE (ジョウ)

Guitar、F1を筆頭にモータースポーツ全般、野球(巨人)が好きな、ジャンルを問わない音楽マニア。日々記事更新中で、SNSは基本オマケ。 もっとプロフィール & あぶまいについて

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