Bon Jovi (ボン・ジョヴィ) 3枚目のアルバム「Slippery When Wet」。
前作「7800º Fahrenheit」から1年4カ月。アメリカだけで1,200万枚。世界トータルでは2,800万枚オーバーのセールスをした、モンスターアルバム。
単純に売上枚数だけでなく、Bon Jovi と言ったら! という曲がこれでもかと含まれた内容であるのも特徴。内容が枚数とリンクしたアルバム。
1986年リリースと長い期間は経ていますが、今でも聞けば思わず一緒に歌いたくなる1枚です。
Slippery When Wet 収録曲概要
「Slippery When Wet」収録曲は以下の通り。
- Let It Rock
- You Give Love a Bad Name
- Livin’ on a Prayer
- Social Disease
- Wanted Dead or Alive
- Raise Your Hands
- Without Love
- I’d Die for You
- Never Say Goodbye
- Wild in the Streets
トラックリストを見ただけで、「おっ! 」 という形。1、2枚目も光る部分は持っていましたが、一気に爆発をさせました。変化ではなく、完全な進化。
ロック・バンドの面白さを感じさせてくれる1枚。Bon Joviファンはもちろん、ロックが好きなら抑えておかなければならない内容のアルバムです。
Let It Rock
「ロックは任せろ! 」と、タイトルからして強気な「Let It Rock」。(1曲目)
怪しげな音から始まり、 徐々に濃厚になるBon Joviの中でもかなりヘビーな曲。シングルしか聞いたことがない人が聞けば、驚くのではないでしょうか。
To break on through to the other side
「向こう側へと突破するために」。ロックで今までの世界を変える。実際にバンドの状況を変えてしまったのですから、有言実行の曲でもあります。
オープニングにあることで、アルバムの重みを増しているのもポイントです。
You Give Love a Bad Name
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日本では「禁じられた愛」と名付けられた「You Give Love a Bad Name」。(2曲目)
始まって1秒で心をつかまれる曲。椿鬼奴がブレイクした時にめちゃくちゃ歌っていたので、世代によってはそのイメージがあるかも…。
芸人の定番となると「POISON」の様に面白く聞こえてくる場合もありますが、カッコいいままというのもポイント! それが良い悪いではないですが…。
Shot through the heart and you’re to blame
「心を撃ち抜かれたあなたが悪い」。実際にしっかりと聞いた人の心をズキュンと撃ち抜くのですから、凄いしカッコいい!
これだけ一緒に歌える曲は今はあまりないですし、何回聞いても熱くなります。歌詞を見ると感じますが、「禁じられた愛」というのは、いいセンスですよね。
Livin’ on a Prayer
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「You Give Love a Bad Name」に続くからこそのインパクトが強いキラーソング「Livin’ on a Prayer」。(3曲目)
ギターを弾く人だと特に、好きな人が多いかも。この曲を弾きたいがために、トーキング・モジュレーターを購入したギタリストはきっと多いことでしょう。
一時期は使うアーティストもいましたが、全部「Livin’ on a Prayer」みたいに聞こえるという…。歌でいえば、シェール・エフェクトに近いですね。
音のイメージを決定するというのは、曲もさることながら強いなと。
Take my hand and we’ll make it, I swear
「俺たちは手を取りそれを作ることを誓う」。生きていくために祈るのは、絆と考えると、思いが大きくつながっていきます。
祈りだけでなく、行動にもなっていくのが、「Livin’ on a Prayer」の最大の魅力かもしれません。こんな曲がもし書けたら、気持ちがいいでしょうね。
Wanted Dead or Alive
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生きると死ぬをどっちを選ぶ「Wanted Dead or Alive」。(5曲目)
カントリーの要素が含まれて、ギターがめちゃちゃカッコいい曲。聞くだけでなく弾くともっと気持ちがいいので、ギタリストはチャレンジをオススメします。
I’m wanted (wanted)
dead or alive
「俺は求めている。生か死か」。中途半端はいらない。どっちかに振り切りたいということでしょうか。と同時に、全力で生きようととも取れます。
何気の言葉が面白く、切らずにつなげると「生死を問わずにお尋ねもの」となるのも、興味が深くなります。ギターが主になっていたので、今気付きました。
I’d Die for You
俺の全てはあなたのために「I’d Die for You」。(8曲目)
寂しさの中に思いが込められた曲。キラーソングが多いことで隠れているかもですが、これも欠かせません。他のアルバムだったら、シングルだったかも…。
I’d die for you I’d cry for you
I’d do anything I’d lie for you
「あなたのために死に、泣き、なんでもするよ。ウソをついても」。曲の歌詞だけでは判断が難しいですが、死にゆくあなたへの思いでしょうか。
生きているうちに伝えたかったと考えると、寂しさが増していきます。
Never Say Goodbye
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さよならなんてしたくない「Never Say Goodbye」。(9曲目)
気持ちが優しいロックバラードは、アルバムのダメ押しとなるキラーソング。しっかりと聞かせられる曲もあるのが、姿勢がロックであることを感じさせます。
彼女に思いを伝えるために、カラオケで歌ったことのあるBon Jovi世代の男性は多そう…。うまく歌えたら、きっと落ちてしまう女性もいたことでしょう。
Never say goodbye, never say goodbye
You and me and my old friends
「さよならなんていいたくない。あなたと古くからの友だち」。時間は有限だかえらこそ、別れなけれはいけない時までは一緒にということでしょうか。
ジョンの歌声と表現力はもちろんですが、バンドの演奏がすごくいいのも特徴です。「7800º Fahrenheit」までは、結構怪しい部分も多かったので…。
曲の良さだけでなく、演奏力が上がっているのも「Slippery When Wet」のクオリティーの高さにつながっているのは間違いありません。
今みたいに、いくらでも後からエディットできる時代ではないですから…。
Wild in the Streets
ポップで爽やかなロックナンバー「Wild in the Streets」。(10曲目)
「Never Say Goodbye」で終わらせることもできたはず。その選択をせずに最後にこの曲を持ってくることに、ロックを感じさせます。
バラードの後にポップなロックナンバーで終わるアルバムが一時期多くありましたが、何気にこの「Slippery When Wet」の影響は大きいかもですね。
Because this is my hometown
「ここが俺の故郷だから」。1曲目「Let It Rock」にこじつけてしまいますが、最後にロックであることが、意味があるんだと言っているかのよう。
メンバー全員が楽しんで演奏しているように聞こえるからこそ、気持ちがいいロックナンバー。曲が終わると、また最初に戻ってアルバム聞きたくなります。
あとがき
内容もですが「Slippery When Wet」というアルバム・タイトルは、メンバーも若くイケイケの頃だったからこそ付いたのではないでしょうか。
自分もLPで持っていますが、本来のジャケットはちょっとセクシーな感じですし…。この当時だからこそのBon Joviが聞けるのは、面白いと思います。
シングル、MVになっている曲はもちろんですが、他も今聞いてもカッコいいなと思える要素が満載のアルバム。きっと作った時は達成感があったでしょうね。
ポップで聞けば一緒に歌いたくなるし、楽器ができる人は演奏したくなる。Bon Joviとしてはもちろんですが、ロックアルバムとしても重要な1枚です。
とはいえ、もし持っていなくてCDで今から買うかと言われたらマニアな自分でもないですし、こういう古いアーカイブも聞けるのはサブスクの利点ですね。
Bon Joviの初期をベスト盤でかいつまんで聞いている人ほど、1度は通して「Slippery When Wet」を聞いてみることをオススメします。
以上、『Bon Jovi:Slippery When Wet ~キュンとする音を聞かせてあげる~』でした。
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