Black Veil Brides (ブラック・ベイル・ブライズ) 1枚目のアルバム「We Stitch These Wounds」。
10周年記念で現メンバーで録り直した「Re-Stitch These Wounds」も2020年にリリースされた、バンドの始まりの1枚。
目を引かれるビジュアルに加えて、まだ不完全な危うさがあるのが、逆に魅力になっている内容です。
We Stitch These Wounds 収録曲概要
「We Stitch These Wounds」収録曲は以下の通り。
- The Outcasts (Call to Arms)
- We Stitch These Wounds
- Beautiful Remains
- Children Surrender
- Perfect Weapon
- Knives and Pens
- The Mortician’s Daughter
- All Your Hate
- Heaven’s Calling
- Never Give In
- Sweet Blasphemy
- Carolyn
録り直した「Re-Stitch These Wounds」を聞いてしまっているからこそ余計にですが、バンドが表現したいことに、まだ実力が追いついていない形。
ただし、うまくないというよりも、伸びてくるのが分かる形。自分もですがバンドやアイドルを好きな人はその先に何か見えるのが好きなので、魅力的な要素。
悪く言えば単調。よく言えば分かりやすいメロディーであるのも特徴です。
We Stitch These Wounds
アルバム・タイトル曲「We Stitch These Wounds」。(2曲目)
俺たちがブラック・ベイル・ブライズだ! のメッセージのSE「The Outcasts (Call to Arms)」で期待を高めてから、叫びとともに叩きつける曲。
イントロで高めて出落ちせずに、世界観にぴったりな歌声。自分も含めジャケ写から気になて入る人も多かったと思いますが、当たりを引いた感じです。
It’s what we hide, with every lie
「それは俺たちが隠すもの。いつのも嘘」。恋人を失い感情を隠すためなのか、それともなかったことなのかは分かりませんが、その傷を縫う。
今も関係が続いていると見せる、感じつことが必要なのかもしれません。”Liar”の叫びは、現実でないと知っているよという思いのようです。
Beautiful Remains
「We Stitch These Wounds」からつながる世界「Beautiful Remains」。(3曲目)
つながるといっても、時間がたった後の世界。自分が死を迎えることになって、あなたが残したものがより美しく感じる。実態が消えるからこその思い。
Now death has come to claim
「今は死のうとしてる」。残された思いであり、遺骨を見て感じるものがあるのでしょう。寿命というよりも、自らの意思であなたと同じ世界へという形。
実行には移していない思いの状態だからこそ、考えてしまうことが寂しげです。
Perfect Weapon
振り切ったからこその強さ「Perfect Weapon」。(5曲目)
悲しみを抱える中で、ふと別のものが見える瞬間。このままではダメだ! ときづくからこそ強くなり、誰かの助けはいらなくなる。変化の時です。
Leave us alone!
You’re on your own!
「放っておいてくれ! あんたのことは自分でやれよ!」。心配して構われることはもういらない。自分のことはできるから! という感じでしょうか。
ただ、このやりとりをしているのは、心の中にいるもう一人の自分であるような気がします。だからこそ、より強くあたってしまうのかもしれません。
Knives and Pens
自らをさらに追い込む「Knives and Pens」。(6曲目)
追い込まれた状態になったからこその行動。分かるようであり、それしか手がないのかと寂しさでいっぱいになります。興味深い世界観の曲。
One final fight for this tonight, whoa-oh-oh
With knives and pens, we made our plight
「今夜最後の戦い。ナイフとペンで窮状を作った」。窮状とは困り果てた状態のこと。曲では最後に明かりを消すとありますから、本当に最後の手段。
考えようによってペンは記録という証明であり、ナイフは傷を付けるもの。「We Stitch These Wounds」で傷の縫うのは、自ら付けたものなのかも。
単曲ではなく、つながりを考えてみるとより面白さが増す曲です。
The Mortician’s Daughter
意表を付くアコースティックナンバー「The Mortician’s Daughter」。(7曲目)
攻撃性ではなく、優しく包み込むように歌うのは、葬儀の時にあなたをおくる曲だから。その理由を知ると、より優しい思いに聞こえるのも特徴です。
Again, again, again, I’m home again
「またx3 戻ってきたよ」。実態として会えないくても、君の元へ俺は戻ってきたよという感じでしょうか。痛みがあるからこの優しさ。いい感じです。
1枚目でこの表現ができるのが、ブラック・ベイル・ブライズの興味深いところ。意外性のある場所に収められているからこそ、より印象に残ります。
Carolyn
この世界に残ったあなたに送る歌「Carolyn」。(12曲目)
具体的な名前を出すことで、込めた思いが強く。日本アーティストでよくある曲名で言えば、「MARIA」とかに近い形。より深くなる、興味深い表現です。
You’re not alone
「あなたは一人じゃない」。困難なのが分かっているからの思い。あなたに必要な時に書いた歌は、誰が? と考えると、より思いが深くなります。
想像ですが、書いたのは「We Stitch These Wounds」で死んでしまった人。いろいろ解釈はできますが、全体を通して聞くとそう思わずにはいられません。
あとがき
演奏や表現の形としては録り直した「Re-Stitch These Wounds」の方が上なのですが、聞く時にどっちを聞くかと言えば「We Stitch These Wounds」。
LUNA SEA が録り直した1枚目ほどではないですが、聞いてしまっているからこそ、技術的に劣っても初期衝動のパワーには変えられないものがあります。
逆にオリジナルを聞いていない人の場合は、基準がそこからなので問題ない形。
一方ではゲームだと逆にリメイクが重宝されたりしますから、メンバーを含めてオリジナルがよく見られる音楽は特殊かも。そこが面白い点でもありますが…。
また、録り直しをバンドがすると動きが一旦は停滞するバンドが多い中、6枚目のアルバム「The Phantom Tomorrow」が2021年にリリース予定。
止まることのないバンドは、面白い姿を見せてくれそうです。
以上、『Black Veil Brides:We Stitch These Wounds ~隠しきれない中身~』でした。
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Black Veil Brides:We Stitch These Wounds ~隠しきれない中身~ ←今ココ
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JOE (ジョウ)
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