BAND-MAID (バンドメイド) 4枚目のアルバム「Unseen World」。
前作「CONQUEROR」から1年1カ月。途中「Different」を挟みますが、今作はノンシングル。また、レーベルを移籍しての1枚。
「Unseen World = 見えない世界」とは意味深長に思えますが、だからこそ前へと進むんだ! と言わんばかりの、激しく熱いサウンドが聞けるアルバムです。
Unseen World 収録曲概要
「Unseen World」収録曲は以下の通り。
- Warning!
- NO GOD
- After Life
- Manners
- I still seek revenge.
- H-G-K
- サヨナキドリ
- Why Why Why
- CHEMICAL REACTION
- Giovanni
- 本懐
- BLACK HOLE
配信はCDの初回限定盤と同様収録曲。その他で完全生産限定盤は「Youth」。通常盤では「without holding back」が別途収録という、違いがあります。
また面白いと感じたのは、完全生産限定盤。原点回帰盤、現点進化盤の2枚に分かれ、「Youth」の追加だけでなく収録順が大きく異ること。
原点回帰、現点進化の意図からでしょうけれど、興味深い選択。似た感じだと、SHAZNA:GOLD SUN AND SILVER MOON の事を思い出しちゃいました。
原点回帰、現点進化をテーマにしながら、一方は集中。別途、言葉の表現が難しいですが、ごちゃまぜにする。これは面白いなと思わずいはいられません。
ブックレット含めての表現ができる、CDならではの選択なのでしょうね。
Warning!
行動をしないことへの「Warning!」。(1曲目)
危険だから気をつけて! ではなく、緊急自体を理由にして動かないことへの警告。迷うことはあるけれど、止まったら後退しかないよと言っているかのよう。
一生懸命もがいて生きている
所詮 結末なんて 誰もわかんない
誰もが一生懸命になんて分かってる。それでも先が見えないから止まるの? 後から誰かのせいにするのではなく、私たちは進むよの思いではないでしょうか。
Don’t hide your emotions
「感情を隠すなよ」。誰かへの言葉ではなく、自分たちに向けた言葉でしょうね。その上で、行動として示す。意思を持っているオープニングナンバーです。
NO GOD
祈るより前にやることがある「NO GOD」。(2曲目)
「Warning!」の続きを描いたような世界。神がなんていないと否定するのではなく、祈っているだけじゃ変わることはないよというようなメッセージ。
人生はオーダーメイド
Make
似ている部分はあるとしても、一人ひとりで異なる人生。自分にしか描くことはできないんだから、自らで作っていけ! というのは強さです。
やるべきことをしているからこそ、神もおっ!と手を差し伸べるのでしょう。
また、尺は短いですが、しびれてしまう間奏でのベースソロ。最期のハーモニクスは、ギターとはまた異なる気持ちがいい音。必殺でたまにだからいいですね。
After Life
どっちをあなたは選ぶんだい?「After Life」。(3曲目)
過去は変えられなくても、これからのことは自らで作っていける。どういう世界をこれから見るかは、あなた次第。行ったれよという思いを感じさせます。
勝ちたい勝負に 勝ちにいくだけ
全てにおいて競うのではなく、勝ちたいものを。どっちつかずの中途半端になるな! ということではないでしょうか。
もう愛だって恋だって なんだっていい
呼び名なんて重要じゃない
些細なことに拘るな! 細かいのは勝負に勝ってからで十分と言っているかのよう。これからの時間と人生を捨てるんじゃなく、勝ちに行くんだ!
アルバムから先行配信されていましたが、意思の強さがカッコいい曲です。
Manners
自分なりの「Manners」。(4曲目)
前作収録「The Dragon Cries」を思わせる、タメのあるハード・ロック。アルバム・タイトルもこの曲の歌詞からでしょうし、重要な位置にあるであろう曲。
世界 掴むまで Never ending!
BAND-MAIDとして、私たちを音を届けるんだの思い。なんとなくうまく行きましたではなく、意思があるからこその思いの強さを感じさせます、
日本語と英語の半々ぐらいですが、全部英詩にしてみても面白いかも…。
サヨナキドリ
小鳩ミクの歌唱「サヨナキドリ」。(7曲目)
前作「CONQUEROR」にメインボーカル曲は含まれていませんでしたから、久しぶり。痛みを伴う感情が表現されていて、進化した歌を聞かせてくれます。
今回はあるかな? と期待していましたが、変化に驚かされます。びっくりさせらられるという意味では、「Unseen World」の中で1番に間違いありません。
でもね Translucent
あの日の言葉 忘れないでしょう
「Translucent = 半透明」。何をしたいのか、感情がはっきりしていないような表現。思いがあるからこそですが、曲が進む中で変化していく感情があります。
泡にきえてもエゴでもいい
心 壊せないの
はっきりしなかった感情から、消えてもエゴでもいいという強い意思。心を奪われたからこその、あなたを愛する思いが強くなっていきます。
時折で歌がシャープしてしまうのが、まさに思いの感情のようです。
それにしても、タイトルの「サヨナキドリ」。どういう意味なんでしょう? さよならを言いたくない、泣く鳥。ん…。なんか別の意味合いがありそうですね。
感情の表現、想像をわきたてる部分を含め、興味深く聞ける曲です。
CHEMICAL REACTION
ありきたりじゃない科学反応「CHEMICAL REACTION」。(9曲目)
勢いに任せるのではない、グループ感たっぷり! バンドとしての成長だけでなく、他のガールズバンドより何歩も先に行っているのが分かる曲。
無理くりでなく、このタイプを飽きなく聞かせられるのは強さです。
CHEMICAL REACTION
妄想的 根拠じゃないのよ 想定外
あらかじめ決められた結果になるのはなく、想定外の何が出るか分からない状態。だからこそ楽しんじゃない! と言っているかのようです。
と同時に、分からないから動かないのではなく、行動をする。力強い思い。
聞いていても気持ちがいいですが、バンドで合わせてみても面白い曲です。
BLACK HOLE
その先は想像できない世界「BLACK HOLE」。(12曲目)
いろいろな要素が絡みあった曲。スラッシュ・メタルや、不協和音を使ったり、その他も細かい部分で面白いことをしています。
楽器を弾く人ほど、興味のある曲になるのは間違いありません。複雑なこともしているのに、マニアックには聞かせない表現。歌詞と構成が、すごく面白い!
一体終わりは どんな世界かな
想像できない Space distortion
ブラック・ホールの先なんて、誰も知らない。単に暗い場所だけが広がっているかもだけど、実際はそうではないかもしれない。
入り口からして暗いと怖がるのではなく、飛び込んだら面白いかもしれない。見えない世界だからこそ、その先には思いもよらないものがあるのかも…。
初回限定盤、or 配信verでは最期の曲。スピード感だけでなく、面白いです。
あとがき
原点回帰、現点進化がテーマのアルバム。何かあると分かっていたわけでもなく、ただ表現したかった初期衝動。見えてきたからこその、行動をする道。
後ろを向くや現状維持ではなく、前へと攻めることを選択。アルバムの中でテーマが一貫しているからこそ、通して聞くことでより熱くなる内容です。
シングルがないことを、逆に強みとして生かしという表現が正しいかも…。
既存でもカッコいいバンドでしたが、表現力がアップ! 初の武道館公演が中止になったりしたのは残念ですけれど、面白いにバンドへと進化しています。
また、現在の世界的に先が見えない状況にリンクし、その中でバンドの進む道を提示。たくさんの手が伸びたジャケットは、必ず勝負を掴む意思なのでしょう。
ガッチガッチなハード・ロックアルバム。全てにおいて強くなったメイドです。
以上、『BAND-MAID:Unseen World ~だからこそ前へと突き進むよ~』でした。
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