AS I LAY DYING (アズ・アイ・レイ・ダイング) 7枚目のアルバム「Shaped by Fire」。
昨年6年ぶりの復活曲「My Own Grave」をリリースしてツアーを開始。今年の春「Redefined」のリリースに続いて、ついにアルバムリリースとなりました。
シングルでも十分過ぎる復活にはなりますが、メタルバンドといったらアルバムですから、これが本当のAS I LAY DYING 完全復活となるアルバムです。
ボーカルTimが別居中の妻の殺害を計画した殺人教唆の罪で逮捕されて服役していましたので、よくぞバンドが解散にならずにここまでたどり着けました。
今までの良さも残しつつ、新しいAS I LAY DYINGを聞かせてくれるアルバムです。
Shaped by Fire 収録曲概要
「Shaped by Fire」の収録曲は以下の通りです。
- Burn to Emerge
- Blinded
- Shaped by Fire
- Undertow
- Torn Between
- Gatekeeper
- The Wreckage
- My Own Grave
- Take What’s Left
- Redefined
- Only After We’ve Fallen
- The Toll It Takes
オープニング曲の「Burn to Emerge」も含め、1度バンドとして燃えてしまったけれど、また舞い戻ってきたというのがアルバムを通して感じられます。
先行リリースとなった「My Own Grave」、「Redefined」でも違いを聞かせてくれていましたが、ただ戻ってくるのではなく、進化して戻ってきてくれました。
変わらない選択ではなく、今までとは変わる選択をしているのが、AS I LAY DYINGの完全復活を感じさせてくれるアルバムになっていますよ。
復活を待ち望んでいた従来のファンだけでなく、新規のファンをたくさん獲得できるのではないかという内容に、待った甲斐があったといえるアルバムです。
Blinded
あなたは目の前が真っ暗になったことはありますか? と問いかけた「Blinded」。(2曲目)
目の前が真っ暗になることなんて通常はありませんから、実際に目の前が真っ暗になった時に問いかけてしまうというのは自然な行動なのかもしれませんね。
どうしていいのか自分では分からない。だからこそ、迷ってしまう。自分自身を失わないためにはどうすればいいんだ? と言葉を吐き出してしまうという曲です。
歌詞だけ見ると切ない曲ですが、激しい曲になるのが面白い気がしました。
Shaped by Fire
アルバム・タイトル曲「Shaped by Fire」。(3曲目)
火によって形を作り、痛みを通してて生まれ変わるんだというのは、「My Own Grave」につながる部分があります。一度なくなるからこそ、焼かれてしまう。
視点は変わりますが、歌詞で伝えたいことはどちらも近い感じがしました。
「My Own Grave」のリリース時のジャケットと今回のアルバムのジャケットは見た目が似ていますが、ジャケットにも似ている意味が隠されていそうです。
デスボイスとクリーンボイスの融合がカッコよくて、バンドマンなら思わずコピーしたくなってしまう曲になっています。
音数はかなり多いとはいえ聞き取りやすいので、コピーがしやすい曲です。
Gatekeeper
アルバムの中で1番激しい「Gatekeeper」。(6曲目)
激しいだけでなく、絶望と怒りがこみ上げているような曲です。この曲で失ったといっているのは、間違いなくボーカルTimのことですよね。
予期していないことだったからこそ、激しくもなるし、怒りも強くなります。だからこそ、この曲よりも後に「My Own Grave」「Redefined」あるという。
従来から激しい曲の多かったAs I Lay Dyingの中でも、トップクラスに入る激しい曲です。
Take What’s Left
再びやり直すんだと歌った「Take What’s Left」。(9曲目)
「Shaped by Fire」が「My Own Grave」につながる曲だとすると、この曲は「Redefined」につながる曲です。残ったものから、再構築するという…。
この曲は今までのAs I Lay Dyingにはない曲で、Wovenwarの活動があったからこそできた、1番新境地ともいえる曲です。もの悲しさの中に強さがあります。
デスボイスが含まれるメタルをあまり好んで聞かない人も、この曲は入りやすい気がします。激しさの中に切なさがあるので、聞きやすい感じがしました。
聞きやすいといといっても、メタルを普段聞かない人には「どこが聞きやすいの? 」 となってしまうかもです。あくまでもデスボイスをあまり聞かない人にですよ。
あとがき
7年ぶりとなる今回のアルバム。本来であればWovenwarの活動があったことを含めると、間に2枚のアルバムがあってもおかしくないペースでした。
As I Lay Dyingとしては内容としても大きな変化が感じられるアルバムですが、変化があって当然だったのかもしれません。逆に変わらなければ、おかしいのかも…。
前作「Awakened」は、未来を予言しているような内容。今作の「Shaped by Fire」は活動休止から、活動再開で完全復活のストーリーが聞けるアルバムです。
クリーンボイスが入るだけでなく音がクリーンになっているので、As I Lay Dyingの中で1番聞きやすいアルバムになっています。新たなファンが生まれそうです。
予想している以上に変わってしまったと感じる人は、Wovenwarでリリースされた2枚のアルバムを聞いてみることをオススメします。きっと、より自然に聞けますよ。
過去のままではない、進化を含めた完全復活してのアルバムです。このアルバムを聞いたら、ライブがどう変わっていくのかをぜひ見てみたいですね。
以上、『As I Lay Dying:Shaped by Fire ~我々はここに完全復活を宣言する~』た。
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JOE (ジョウ)
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