AS I LAY DYING (アズ・アイ・レイ・ダイング) コンピレーション・アルバム「Decas」。
コンピレーション・アルバムとは「Compilation = 編集」であるように、盤ごとの編集意図によって既発曲や、企画によって作成されたアルバムのことです。
コンピ盤であったり、企画盤と呼ばれることもあり、オリジナル・アルバムとは異なります。ベスト盤も一種のコンピレーション・アルバムといえますよ。
この「Decas」はAS I LAY DYINGの結成10周年記念のコンピレーション・アルバムです。だからこそ、いつものアルバムとは少し異なる音が聞けます。
ファンであれば必聴とは言わないまでも、十分に聞いて楽しめるアルバムです。
Decas 収録曲概要
「Decas」の収録は以下の通りです。
- Paralyzed
- From Shapeless to Breakable
- Moving Forward
- War Ensemble
- Hellion
- Electric Eye
- Coffee Mug
- Beneath the Encasing (Re-Recorded Medley)
- The Blinding of False Light (Innerpartysystem Remix)
- Wrath Upon Ourselves (Benjamin Weinman Remix)
- Confined (Kelly “Carnage” Cairns Remix)
- Elegy (Big Chocolate Remix)
- Upside Down Kingdom (Contest Winner – Iron Krill Remix)
1曲目〜3曲目が新曲。4曲目〜7曲目がカバー曲。8曲目は再録音のメドレー。9曲目〜13曲目までが、既存発表曲のリミックスとなっています。
このアルバムの聞き所は3曲の新曲と、4曲のカバー曲であるのは間違いありません。むしろリミックスを外して、EPとしてリリースの方が良かったかも…。
どちらにせよ、オリジナル・アルバムとは違った感覚で聞けるアルバムです。CDとして買うのは躊躇(ちゅうちょ)しても、サブスクでならありと言えます。
Paralyzed
シングルとしてもリリースされた、新曲「Paralyzed」。(1曲目)
「Paralyzed = 麻痺」という曲名が、AS I LAY DYINGっぽいです。デスボイスとクリーンボイスの交わりが気持ちよく、とてもカッコいい曲になっています。
シングルとしてリリースされるのも、納得という感じですよ。新曲の3曲と聞くだけでも、このコンピレーション・アルバムに意味があるといえます。
麻痺して動けないからどうしよう? ではなく、麻痺しているからこそ自分は生まれ変わらなければいけないというのに、強い意志を感じる曲です。
演奏も音がぶつかっているのに、クリアに聞こえるのもさすがといえます。
From Shapeless to Breakable
スピードメタルの新曲「From Shapeless to Breakable」。(2曲目)
「Paralyzed」もですが、コンピレーション・アルバムではなく次のアルバムのために取っておいてもいいのにというような、カッコいい曲になっています。
「From Shapeless to Breakable = 形のないものから壊れやすいものへ」という曲名も面白いですが、曲名の通り展開とテンポチェンジが多い曲です。
2分44秒と短い曲ですが、コピーをするにはしっかりと聴き込まないとなかなか困難かもしれません。歌詞にもある通り、自分に進化がないと弾けませんよ。
War Ensemble
SLAYER (スレイヤー)のカバー曲「War Ensemble」。(4曲目)
もともとがテンポも早くて極悪な曲ですが、トム・アラヤの歌声とは異なることで、違った極悪な感じがするカバーになっています。
ボーカルがデスボイスで前に出てくるのではなく、奥に引っ込んでいるのが極悪な歌詞に重みが加わっているようです。演奏はというと、逆に前にきています。
どちらのバージョンも聞いていてカッコいいですけれど、SLAYERのオリジナルとは、同じ曲でも少し違った楽しみ方ができるのもポイントです。
Electric Eye
Judas Priest (ジューダス・プリースト)のカバー曲「Electric Eye」。(6曲目)
しっかりと導入部分として「Hellion」を独立した曲として収録をしているのには、バンドに対しての影響の大きさと敬意が感じられます。
メタル好きであれば間違いなく知っている曲のカバーは比較をされますが、AS I LAY DYINGのカバーは、崩さずに独自の部分もある納得の出来です。
デスボイスとクリーンボイスの相性がいい曲であるのに、ビックリしますよ。多くのバンドがカバーしていますが、その中でも上位のカッコいいカバーです。
Coffee Mug
Descendents (ディセンデンツ)のカバー曲「Coffee Mug」。(5曲目)
ディセンデンツはパンクバンドということでオリジナルはパンクな曲でしたが、AS I LAY DYINGのカバーは一転してヘビーで極悪なものになっています。
もともとが短い曲ですけれど、カバー曲も40秒と一気に駆け抜ける曲です。原曲を知らない人は「Coffee Mug」のイメージが変わる曲ではないでしょうか?
「Coffee Mug = コーヒーマグカップ」であるのに、面白い曲です。
タモリ倶楽部の空耳アワーでかかるメタル曲に、雰囲気が似ているかも…。
あとがき
コンピレーション・アルバムですのでオリジナルとは異なりますが、メタル好き、AS I LAY DYINGが好きな人であれば、きっと楽しめるアルバムです。
このアルバムはどうなの? という人もいますけれど、リミックスの曲のことを言っている人がほとんどだと思います。確かに自分もリミックスは不要派です。
リミックスもインダストリアルな感じのリミックスですので、バンドのイメージとは異なる感じになっているのが、評判を落としている気がします。
7曲目まではしっかりと楽しめますので、あとはおまけで聞く時はカットしてしまうと、より楽しめるアルバムになること請け合いです。
このアルバムが結成10周年のコンピレーション・アルバム。結成20周年も近くなっていますので、次のコンピレーション・アルバムも近い気がします。
リミックスの評判はメンバーも聞いているでしょうから、次のコンピレーション・アルバムには、違った形の企画を期待したいですね。
以上、『AS I LAY DYING:Decas ~分かりかけはさらなるより深みへ~』でした。
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JOE (ジョウ)
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