AS I LAY DYING (アズ・アイ・レイ・ダイング) 6枚目のアルバム「Awakened」。
2012年にリリース。あわやAS I LAY DYINGのラストアルバムになりかけた1枚。本当に危なかったですね。
ラストアルバムになりかけたのは、ボーカルのTIMが別居中の妻の殺害を計画した殺人教唆の罪で逮捕されて、刑務所に服役していたから。
出所後のTIMを受け入れたメンバーがいたからこそですが、バンドとして続いて本当によかったなと。Newアルバムの前に聞いておきたいアルバムです。
Awakened 収録曲概要
「Awakened」収録曲は以下の通り。
- Cauterize
- A Greater Foundation
- Resilience
- Wasted Words
- Whispering Silence
- Overcome
- No Lungs to Breathe
- Defender
- Washed Away
- My Only Home
- Tear Out My Eyes
- Unwound (Awakened B Side Demo)
- A Greater Foundation (Extended Demo Version)
LimitedやDeluxeという表記はないのですが、12、13曲目はボーナス・トラック。配信にも記載がなく2パターンあるので、気をつけてください。
ボーナス・トラック「Unwound」はカッコいい曲ですが、「Tear Out My Eyes」でアルバムが終わるのが1番まとまっているのも事実…。
ボーナス・トラックはお得なように見えますが、難しいところですね。
このアルバムをリリースしてからの流れが預言者によって予期されていたような内容ですので、11曲目までとして聞いた方が楽しめる人が多い気がします。
1枚のアルバムとしても、バンドの活動の流れとしても楽しむことができる、少し不思議な力を持っている内容になっていますよ。
Cauterize
アルバムのオープニング曲「Cauterize」。(1曲目)
攻撃的なリフで押し切る曲は、アルバムの1曲目にふさわしい曲です。曲が始まってすぐにわかる攻撃性は、AS I LAY DYINGならではの曲になっています。
「Cauterize = 焼灼する」ですが、バンドの未来を予期していたような曲です。
焼灼(しょうしゃく)する (Cauterize)
高温または低温の器具や、電流、あるいは組織を焼いたり溶解させたりする化学薬品を用いて組織を破壊すること。この手技は、特定の種類の小さな腫瘍を破壊したり、出血を止めるために血管を塞いだりするなどの目的で行われる。
TIMの服役によってバンドは一度破壊されるよと考えるのは後付ですが、AS I LAY DYINGがなくならないための対応を予期しているように見えます。
1曲のみなら偶然ですが、「A Greater Foundation」と「My Only Home」にもつながるので、何か特別な不思議な感覚がする曲になっていますよ。
短いですが流れるような流れるようなメロディとアーミングをうまく使ったギター・ソロは、多くのギタリストの参考になるはず。ぜひコピーしてみましょう。
A Greater Foundation
MVも制作され、激しさを増している「A Greater Foundation」。(2曲目)
サビの部分を除いて定型的な2バスの曲で、攻撃性と強さを感じる曲です。曲が持つ勢いには、聞いていて自然と心が熱くなってしまいます。
歌詞を見てみると「より大きな基盤になるためにバラバラになって再構築する。その先の勝利が待っているから」とあるのですが、意味深ですよね。
バンドとして1回バラバラになって、再び集結しているわけですから、この曲もAS I LAY DYINGの未来を予測していたように聞こえるから不思議です。
完全なる勝利となるかはこれから先の活動にもよりますが、復活後にリリースされた曲やライブの盛り上がりを聞くと、勝利は待っているようが気がします。
Washed Away
AS I LAY DYINGとして珍しいインストルメンタル曲「Washed Away」。(9曲目)
ギターのアルペジオでの切ないメロディーが特徴的な、60秒の曲です。心が洗われるような、何が大切な物を失くす前兆のような不思議な感じがします。
インスト曲でも激しい曲であれば想像しやすいですけれど、この静かで切なさを感じる曲がアルバムの終盤に入っているのには、意外性があります。
次に続く曲の「My Only Home」の導入として、期待感を上げる曲です。
My Only Home
AS I LAY DYING流のポップな曲「My Only Home」。(10曲目)
…。普通のバンドであれば全くポップな曲ではないのですが、デスボイズだけでなくクリーンボイスとメロディアスな曲はポップな曲に感じてしまいます。
クリーンボイスはこのアルバムには随所にコーラスとして取り入れられていますが、サビに多く使われているのでより印象度が上がっている感じです。
このアルバムをリリース当時はTIMが捕まることは予想していないと思いますが、曲名、歌詞を含めて復活を予期していたような曲になっています。
TIMは殺人教唆の罪で服役、他のメンバーはWovenwarで別の活動を開始していましたが、AS I LAY DYINGが「My Only Home = 私の唯一の家」だという。
意図は全くないとしても、この曲の音楽性がWovenwarにもつながっていますし、復活したAS I LAY DYINGにもつながっているので、不思議な曲です。
このアルバムの中で、実は1番意味のある曲になっている気がしました。
あとがき
単純に1枚のアルバムとして楽しめるアルバムですが、AS I LAY DYINGの未来を予期していたようにも聞こえる、すごく興味深いアルバムです。
予期というのも起こったことに対しての後付ですが、「Awakened = 起きた」とアルバム・タイトルなのは、予期していたようにしか考えられません。
「Awake = 起きている」ではないのが、より未来を予期しているように感じてしまうのは、自分が少し考え過ぎでしょうか?
AS I LAY DYINGの完全復活となる7枚目のアルバム「Shaped By Fire」が、今月末(2019年9月)にリリースされることが決まっています。
「Awakened」に続くどんな世界を聞かせてくれるのか、とても楽しみです。
以上、『AS I LAY DYING:Awakened ~起こる出来事は全て予期されていた~』でした。
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