アルルカン:The laughing man ~自分らしい道を切り開いて進んで行く~

アルルカン:The laughing man邦楽レビュー
邦楽レビュー

アルルカン 3枚目のアルバム「The laughing man」。

ミニ・アルバム「BLESS」から約2年ぶり。リリース自体は間にしているのですが、収録曲にシングルを含まない形でのリリース。

ボーカル暁の髪型が印象的な、ビジュアル系バンドのアルルカン。その存在は以前から知っていましたが、気になって聞いてみたら音も興味深いです。

The laughing man 収録曲概要

「The laughing man」収録曲は以下の通り。

  1. イン・ザ・ミラー
  2. ビロード
  3. 如何様
  4. 空に落ちる
  5. 瘡蓋
  6. とどめを刺して
  7. FIREWORKS
  8. 向日葵
  9. 君とのあいだに
  10. The laughing man

冒頭にも記載しましたが、シングルを含まない形でのリリース。メインコンポーザーでギター奈緒 のアイデアとのことですが、とても面白い戦略。

ないから含めませんではなく、リリースはしていますから…。アルバムの意味合いが強くなる、ロックバンドの重要性を知っているからこその気がします。

ジャケットの見た目、全体を聞くと、コンセプト・アルバムに近いかも…。

実際「The laughing man」という世界を表現するのに既存のものでなく、このアルバムに収録された10曲である必要があったのでしょうね。

あくまでも世界観を最重要視する。こういうのは、個人的にとても好みです。

イン・ザ・ミラー

鏡に映るのは、思い描いていたものとは異なる「イン・ザ・ミラー」。(1曲目)

「The laughing man」というアルバムを表現するのに、1曲目である必要性を感じる曲。想像と現実が違うからこそ、変わりたいという思いを感じます。

愛される事よりも愛する事の価値を
作り上げる理想 見たいモノを観よう

求めるだけで何も変わらずに悲劇を演じるよりも、自らの手で切り開く未来。想像だけの世界に浸るのではなく、心から笑いたいんだの思いを感じます。

弱さと、ここは自分の場所ではないと知ることが、原動力になるのかも…。つまんない過去との決別を、誰でもない自分に宣言をしているように感じました。

ビロード

浮遊感のある上モノの音が面白い「ビロード」。(2曲目)

葛藤する中で、未来を見ていく思い。1つの物語を描いているかのよう。心境が怒りから変化していく姿は、MVとして表現してもいいかもですね。

ああ あれよと言う間に
心 色を失って

本来は他の生地にはない、鮮やかさがある「ビロード = ベルベット」。ジャケットが白黒であるのは、ここに意味がありそうですね。

今は色ははなくても、これから色鮮やかになる。聞き手の受け取り方にもよりますが、アルバムをリリースした後の未来も想像させているようです。

とどめを刺して

アルバムの中でもヘビーな「とどめを刺して」。(6曲目)

とどめを刺すのは他の誰かではなく、弱い自分に対して。だからこそ余計に苛立つ思いが興味深い曲。次々と移り変わる展開もですが、世界観が面白い!

どうようもなく弱い自分に
とどめを刺して

させ! ではなく、刺してというは、弱さを感じる部分。消えてほしいのに、他力本願にも聞こえる言い回しが、激しい曲だからこそ逆に面白く感じます。

また、デスボイスが印象に残る曲ですが、聞いてすぐに思い浮かべたのがアグレッシブ烈子。発声の仕方が似ているのと、耳に残る形のデスボイス。

全体ではなくパートとして出てくるからこそ、より面白く感じちゃいます。

向日葵

ギターリフが印象的な「向日葵ひまわり」。(8曲目)

同名の曲は多くありますが、他とは少しだけ異なる思い。希望を見ているのには違いないのですが、こういう表現の仕方もあるんだなと、興味深く感じます。

千を越えて 咲いた 想いなら
火傷やけどする くらい 伝えて

曲の重要な思いが聞けるBメロ。つなぎの部分ではあるのですが、文章でいえば結論となるサビを活かすためのもの。いい引っかかりの部分です。

全体を聞いていて、一番ギターをコピーしたいと思ったのはこの曲でした。

君とのあいだに

同じであってほしいけれど、確かめられない思い「君とのあいだに」。(9曲目)

聞き方によって弱々しくも感じるかもですが、思いは確かめないからこその美学。言葉として確認しない方が、逆に関係が強まることもあるんです。

信じ合うこと 側に居るのって
そういうモノかな

確信もなく、疑問にも思ってしまうからこそ、興味がより深くなる。いい意味でなよっとした歌声が、感情の動きを表しているように聞こえます。

君を信じているからこその思い。聞く人のそれぞれで異なって想像する、実在する人がいるかもですね。

The laughing man

ラストを飾るのは、アルバム・タイトル曲「The laughing man」。(10曲目)

笑いたいと思っているのに、できない自分。何故なぜなんだと疑問を投げかけながら、変わろうとする。過去でも今でもなく未来を見据えてのこと。

自分らしくという意味でいえば、Official髭男dism「Laughter」に近いものを感じました。全くバンドとしての系統は異なるのに、リリースが近いのも面白い!

夢を繋ぐ物語

最後の言葉。この後に続く長めのアウトロのメロディが複雑になっているのは、この先にも大変なことはあるだろうと言っているかのよう。

それでも誰かに頼るのではなく、あくまでも自分らしく希望を見ているように聞こえる曲。バンドからの、これからも未来を見せていくよの思いなのかも…。

あとがき

アルルカンが気になったのは、ラジオ「冠徹弥の冠番組」にギター奈緒がゲスト出演をしていたこと。毎週聞いていますが、すごく面白い番組!

声の感じも優しく物腰は柔らかくても、芯があるのが分かる人柄。番組で紹介された曲を含め、自分もギタリストですからその存在を含めて興味津々。

また、ビジュアルが印象に残るボーカル暁(あき)。読みは異なりますが、偶然にも実兄の名前と同じ漢字。関係性から音を聞いてみる理由は十分でした。

今回の「The laughing man」が突飛とっぴなだけでなく、過去にも変わったリリース方法を行っているアルルカン。面白いバンドですね。

元祖をオンタイムで聞いているだけに、「次世代名古屋系」というのも、興味深い! 気になっちゃったので、もれなくさかのぼって音源を聞いてみることにします。

全てとは言いませんが自分の根本にあるからこそ自然と聞けますし、ビジュアル系には今も面白く感じる存在のバンドがいますね。

 

以上、『アルルカン:The laughing man ~自分らしい道を切り開いて進んで行く~ ~』でした。


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JOE (ジョウ)

Guitar、F1を筆頭にモータースポーツ全般、野球(巨人)が好きな、ジャンルを問わない音楽マニア。日々記事更新中で、SNSは基本オマケ。 もっとプロフィール & あぶまいについて

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