悠木碧:ボイスサンプル ~11人いる私の全てを受け止めて~

悠木碧:ボイスサンプル邦楽レビュー
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悠木碧 (ゆうき あおい) 2枚目のアルバム「ボイスサンプル」。

悠木碧ちゃんは声優さんで、音楽活動はソロだけででなく、竹達彩奈ちゃんとのユニット「petit milady」でも活躍中です。

まだ2枚目のアルバム? という感じてしまうのは、フルではないミニ・アルバムが3枚リリースされているのも関係しているのかもしれません。

彼女の音源は印象的な物が多いですが、ボイスサンプルというアルバム・タイトルも含めて、今回も個性的で印象的なアルバムをリリースしてきてくれました。

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ボイスサンプル 収録曲概要

「ボイスサンプル」の収録曲は以下の通りです。

  1. ランブリン ハンブリン
  2. Counterattack of a wimp
  3. Fairy in the hurdy-gurdy
  4. くれなゐ月見酒
  5. 永遠ラビリンス
  6. 死線上の華
  7. Carve a Life
  8. バナナチョモランマの乱
  9. Logicania distance
  10. ふわふわらびっと
  11. 帰る場所があるということ

5、11曲目がシングル曲で、残り9曲がアルバムの新曲というのはいいですね。やっぱり既発曲が多いよりも、アルバムを聞いた時の楽しみが増えますから。

声優さんが新曲メインのアルバムをリリースするのは、珍しいことです。

アルバムを通して聞くと、1曲1曲ごとのキャラクターが異なるのが分かります。いい意味でごちゃまぜになっているので、アルバムを聞いていて面白いです。

いろいろな悠木碧ちゃんが、この1枚のアルバムの中で存在しているからこそ「ボイスサンプル」。うまいアルバム・タイトルを付けましたね。

衝撃の曲の「バナナチョモランマの乱」はここしかない! という場所に入っていて、アルバムに華をそえています。ここで来たか! という感じです。

「くちひげ泡バルーン (お出かけVer.)」を聞いてしまったら、やっぱり彼女には飛び曲を期待してしまいますけれど、他の曲も含めて楽しめるアルバムです。

ランブリン ハンブリン

オープニング曲「ランブリン ハンブリン」。(1曲目)

恋する女の子の気持ちが、伝わってくる曲です。

「Rambling = とりとめのない」。「Humbling = 謙虚な、控えめな」。恋をするからこその迷ってしまう思いが、かわいらしく感じます。

歌い方が優しいのも、迷ってはしまうけれど、この恋は私にとって大切なものなんだというのが伝わってくるようです。言葉には出せない、恋する思いですね。

さらっと聞けてしまう曲ですが、よく聞くと恋する女の子の心の中を覗いているような曲で、男性であれば強く気になってしまう気がします。かわいい曲です。

くれなゐ月見酒

和を感じさせる「くれなゐ月見酒」。(4曲目)

歌詞の持つ世界観の強さに加えて変調が多い曲で、 聞き入ってしまう曲です。

一度開けてしまったら最後 呑み比べはしないでね

きっとお酒のことではなく、私のことですよね。私に恋をさせるのであれば、他の誰とも比べて欲しくない…。独占欲とは異なる、いじらしい恋です。

かぐや姫が主人公のような恋の歌は、いつでも会えるわけではない関係の恋心を感じさせてくれます。会えないからこその、思いと恋がグッとくる曲です。

永遠ラビリンス

テレビアニメ「僕の彼女がマジメ過ぎるしょびっちな件」のオープニングテーマ「永遠ラビリンス」。(5曲目)

彼女のイメージが、アルバムの中で1番合う曲かなと感じました。

「永久にあなたの迷宮に迷ってしまうよ」というラブソングは、迷っている状態も楽しんでいるという、思いがとてもかわいらしい曲です。

MVがまたかわいいですよ。スマホを縦で見た時に全画面になる撮り方で、縦表示をうまく使っているMVになっています。

MVには猫に扮した悠木碧ちゃんが出てきますが、確かに彼女は猫っぽい感じがしますよね。犬派ですけれど、猫もかわいいなと感じさせてくれるMVです。

最近はあまりツンデレという言葉は聞かなくなりましたけれど、ツンデレはギャップがあるからこそ、やっぱりいいですね。キュンとしちゃいます。

死線上の華

デジタルロック曲で、歌詞も印象的な「死線上の華」。(6曲目)

デジタルロックの多くは演奏が一辺倒になりがちなんですが、この曲にはいろいろな要素が含まれています。ワルツなども入っていたり、プログレですね。

メインになる曲ではないですけれど、アルバムの中のフックの曲として興味深い曲です。言葉は少し難しいですが、歌詞も興味深く思います。

生死をさまよい、消えそうな瞬く火だからこそ、美しく華を感じてしまうのではないでしょうか? 亡き友を乗り越えてなど、話の原作にもなりそうな曲です。

バナナチョモランマの乱

彼女にはどうしても期待してしまう飛び曲の「バナナチョモランマの乱」。(8曲目)

曲名もぶっ飛んっでいますが、曲がぶっ飛びすぎです。これだけ歌詞に意味が全くなく、一切頭に入ってこない曲も珍しい…。面白さしかありません。

曲はチェコの音楽でしっかりしているのに、歌詞がハンパないんです。

曲を聞いていても意味が分からない曲ですが、公開されたMVを見るとさらに破壊力が増している曲ですよ。本気で意味が分からない…。でも、だからいい。

意味は分からないですけれど、繰り返して聞いてしまうこの中毒性。脱帽です。

ふわふわらびっと

メルヘンな世界が感じられる「ふわふわらびっと」。(10曲目)

声優さんならではの、かわいらしい世界感を感じさせてくれる曲です。キャラクターソングのような曲は、聞いていて気持ちが優しくなれます。

今は大人でも、誰もが経験してくる子どもの世界観からでしょうか? メルヘンな世界ではあるけれど、情景が浮かぶ感じであるのもいいですね。

MVはないですが、目をつぶって聞いてみるとMVが見えてくるようです。優しい心をどこかに置き忘れてきた人にこそ、聞くのをオススメします。

帰る場所があるということ

先行シングルとしてもリリースされた「帰る場所があるということ」。(11曲目)

テレビアニメ「ピアノの森」のエンディングテーマになっていた曲で、この曲はアルバムのラストにもふさわしい曲です。

アニメ版のピアノの森は見ていましたが、この曲があるからこそより印象的になっていたと思います。放送される内容に、これ以上なくうまく合っていました。

オープニングはインスト曲の「海へ」がハマっていましたし、エンディング曲も「帰る場所があるということ」ではまるのは、音楽アニメとしてよかったです。

主人公である一ノ瀬海には場所は少しずつ変わってはいきましたけれど、帰る場所がありました。ですから、「帰る場所があるということ」はぴったりです。

かなり話が早送りで放送されたアニメ版のピアノの森ですが、番組が楽しめたのは、この曲がうまくハマっていたのが理由であるのは間違いありません。

ピアノの森は全26巻で完結していますので、アニメ版で気になった方は読んでみることをオススメします。アニメでは省略された部分もバッチリですよ。

ピアノの森を読んでいるとこの曲が思い浮かぶようになったのは、アニメのエンディング曲としてうまくハマった証明と言えるのではないでしょうか?

アルバムのラストの曲としても、アルバムの余韻がありつつ、もう1回聞いてみようかな? と感じさせるすてきな曲です。あるべき場所にある曲ですね。

あとがき

2枚目のアルバムである「ボイスサンプル」。アルバムタイトルもいいですけれど、アルバムとして聞いた時にうまくまとまっているアルバムです。

声優のファンや、悠木碧ちゃんのファンにオススメなのはもちろんですが、楽器を演奏する人にも聞いてみることをオススメするアルバムですよ。

その理由は主役は悠木碧ちゃんですけれど、演奏が面白いことをしているからです。曲を生かすための曲順も、参考になることが多いのではないでしょうか?

それにしてもアルバムを聞けばきくほど「ボイスサンプル」というアルバム・タイトル名は、ピッタリすぎてうまいタイトルだなぁと感じています。

11曲で11人の悠木碧ちゃんが聞ける、まさにボイスサンプルです。

 

以上、『悠木碧:ボイスサンプル ~11人いる私の全てを受け止めて~』でした。


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