Amaranthe (アマランス) 2枚目のアルバム「The Nexus」。
セルフタイトルの1枚目「Amaranthe」で度肝を抜いた、スウェーデン出身バンドの約2年ぶりとなるアルバム。
ダブルボーカルのバンドは珍しくはなくなりましたが、このバンドの特徴は女性、男性クリーン、スクリームと、ボーカルが3人います。
現在はCyhra (サイラ)で活動する、Jake Eが男性クリーンボーカルとして参加。サイラファンも聴き逃がせない1枚です。素直にカッコいいですよ。
The Nexus 収録曲概要
「The Nexus」収録曲は以下の通り。
- Afterlife
- Invincible
- The Nexus
- Theory of Everything
- Stardust
- Burn With Me
- Mecanical Illusion
- Razorblade
- Future On Hold
- Electroheart
- Transhuman
- Infinity
- Burn With Me (Acoustic)
- Hunger (Acoustic)
12曲目までが本編で、13曲目以降はボーナス・トラック。中でも14曲目の「Hunger」 は、1枚目に収録曲のAcoustic ver.となっています。
Acoustic ver.でも分かる楽曲のクオリティですので、なぜか配信されていない1枚目も配信されるといいんですが…。とてもいいアルバムです。
この1枚はアルバムタイトル「The Nexus」がテーマであり、「Infinity」へとつながっていきます。歌詞や曲の持つ世界観を感じると、より楽しめます。
単純に疾走感があってカッコいい! で終わるというのも音楽の楽しみ方としてはありですが、もう1歩踏み込んで聞くことをオススメしますよ。
Afterlife
オープニング曲「Afterlife」。(1曲目)
疾走感があり、前作を聞いた人には期待通りであり、始めて聞く人であっても心をつかむのにピッタリな曲。3人ボーカルが生きた曲でもあります。
The future leaves nothing behind
It’s my afterlife
「未来は何も残さない。それは私の死後の世界…」。だからこそ私を今ここで開放してというのは、とても興味深い歌詞です。
デジタルが融合したサウンドは、未来はこんな感じだよと言っているかのよう。ボーカルの3人が目立ちますが、演奏も注目ポイントになっています。
Invincible
アカペラのイントロでドキッとしてしまう「Invincible」。(2曲目)
「Invincible = 無敵、不屈の」など意味があり歌詞にも出てきますが、部分ごとに意味が少し変わっているように聞こます。
「I’m Invincible」は私は無敵。「Invincible」単体で部分は、歌詞とのつながりから、不屈のがピッタリとハマる気がしました。言葉の面白さを感じる曲。
打ち込みサウンドが前面に出ているのが、言葉の面白さを増しています。
The Nexus
アルバムタイトル曲「The Nexus」。(3曲目)
タイトル曲だけあって、テーマも含めて核になっています。12曲収録されていますが、このアルバムの表現している世界がここにあります。
Break with the past
Set the nexus free at last
As the future will be the to save us
「過去を破れ! ついに絆を開放する時がきた。未来は私たちを救ってくれる」。全ては未来へと進むためにあるということでしょうか。興味深い曲。
結構なローチューニングなのですが、感じさせないのも聞いていて面白く感じます。デジタル・ロックバンドをしている人は、特に参考になりますよ。
Burn With Me
アルバムの中で毛色の異なる「Burn With Me」。(6曲目)
疾走感ではない切ない別れの歌は、今聞くとサイラにつながる曲に聞こえます。Jake Eは自分の声が生きる、こういうのを歌いたかったんでしょうね。
勢いだけではない、曲もアマランスはできるんだと証明した曲でもあります。
Burn with me
I’m just an empty shell
「私と燃えて。私は空の殻(かく)です」。もう私はその体に戻ることはないと認識している。亡くなった人目線の歌詞だからこそ、より思いが切ないです。
実際亡くなった時は幽体離脱のように、自分を見ることはできるのでしょうか?
このアルバムからのMVは3曲ありますが、1番オススメ! 歌詞だけでは想像するしかなかった情景が、うまく表されているのが切なくていいですよ。
Infinity
本編としてアルバムのラストを飾る「Infinity」。(12曲目)
弱さを持っているけれど、強く生き続けるんだという意志を感じる曲。
I turn the page in the chapters of life
Infinity keeps me alive
「私は人生のページをめくり、無限大をキープして生きる」。絆を開放するのは、強く生き続けるためと考えると「The Nexus」へとつながる曲。
「The Nexus」というテーマを見せながら、「Infinity」で締める。うまい収まり方をするアルバム。つながることを必要としていました。
ただ、うまいつながりをしているだけに、惜しいと感じる部分もあります。
メンバーとしているから仕方がない部分かもしれませんが、欲をいえば、デスボイスはこの曲ではいらんですね。無いバージョンあれば、聞いてみたいです。
あとがき
疾走感のある曲だらけなので、一気に駆け抜けるようなアルバム。疾走感をプラスしているのはテンポだけでなく、打ち込みサウンドが大きく影響しています。
現在のアマランスは疾走感だけのサウンドから変化してきていますが、初期だからこその勢いが満載なサウンドは、聞いていて気持ちがいい!
似たタイプの曲は多いですが、押し切ってしまう力強さがこのアルバムにはあります。無理やりバリエーションを増やさなかったのは、手法としてありですね。
女性がメインの3人ボーカルというのも珍しいですが、出てくるサウンドも他に類似バンドが少ないですので、聞いていて面白いですよ。
デジタルが強いメタルの中に、3人のボーカルが絡みあい、世界感がしっかりと含まれている。聞いていて興味深いバンドです。
以上、『Amaranthe:The Nexus ~絆を解き放った先に未来はやってくる~』でした。
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