AKB48 (エーケービー フォーティーエイト) 58枚目のシングル「根も葉もRumor」。
今作にも含まれる「離れていても」から1年3カ月。CDとしては「失恋、ありがとう」からは1年半と、アイドルとしてはかなり長い間隔が空いた1枚。
出すタイミングを完全に失っていたともいえますが、バラエティにとんだ収録曲は、聞いてすぐにAKB48だなと分かるシングルです。
根も葉もRumor 収録曲概要
「根も葉もRumor Special Edition」収録曲は以下の通り。
- 根も葉もRumor
- 離れていても
- 大騒ぎ天国(Second Generation)
- 西高東低(Team 8)
- 君がいなくなる12月(横山由依)
- ブラックジャガー(First Generation)
CDではType A、B、C、劇場盤がリリースされますが、配信ではSpecial Editionとしてまとまっています。
今まではタイプ別に配信されていたため、分かりづらくもありました。今回の変化は他の系列アイドルも同様になっていますが、いい対処ではないでしょうか。
配信が音楽の聞き方のメインとなる中で、ごちゃごちゃすると変な引っ掛かりと残すので…。第一に聞いてもらう事に目を向けたのは、いいと思います。
CDを買うファンと、聞くけれどそうではない区別というのは今は必須です。
根も葉もRumor
![]() | 「根も葉もRumor」 フルMVをApple Musicで観る |
その話は「根も葉もRumor」。(1曲目)
これでもかといろいろな過去の要素を詰め込んだ曲。その内容的に新たなファンを獲得するという意味よりも、既存の方たちに向けた思いでありそうです。
あなたが好きだったAKB48は、今もここにいるよという感じで…。
Hey! Wazzup?
音のみだと「What’s up = よう、最近どう」だと思っていたら、よりフランクにした形だとか。ここからも新しくではなく、既存の意味を強く感じさせます。
ここに来るまでに何があったのか
大人になるって
そういうことだって思う
同じ形を維持する人は稀で、徐々に変わっていくのが人をいう存在。アイドルというと最初の印象が強いですが、変化が大きくあるのも必然なこと。
いろいろと噂されたり、中には嘘も当たり前の様に出回る現在。その話を信じるのか、目の前にいる私を信じるのかどっちなの? と言われているかのようです。
ダンスがどうこうの部分は自分には分かりませんが、AKB48の中でもかな〜り濃いめな曲。1回2回でお腹いっぱいになる部分は、ちょっと気になります。
大騒ぎ天国(Second Generation)
下から上えと「大騒ぎ天国(Second Generation)」。(3曲目)
間違いなくライブで楽しい曲。騒ぐことがよろしく思われず制限される今だからこそ、聞いていると早く開放される日がくることを期待してしまいます。
どうすればいい
どうしたいのだろう?
そうにもならず もう終わり
頭の中で考えているだけでは、結局何もせずに終わってします。だからこそ、勇気でもその場の勢いでもいいから、使っちゃえよの思いを感じさせます。
躊躇するんじゃない! 今こそ大騒ぎするタイミングだろ? と。
右から左
後ろから前
下から上へ お騒ぎ
360度どこからでも大騒ぎ。完全に思いを開放するというのは、この曲で描かれているように恋をすることにも一致するのではないでしょうか。
単純に曲としてのインパクトは「根も葉もRumor」よりも強いかも…。曲数の限られるイベントとか、歌番組ではこっち曲の方がありの様に感じました。
西高東低(Team 8)
2人の気持ちは「西高東低(Team 8)」。(4曲目)
東の低気圧と西の高気圧。同じ好き同士でも起こりえる気持ちのズレ。体感差とも言える部分を表現するのに良い言葉。秋元さんならではの大人の選択です。
それにしてもアイドルらしい曲調は、Team 8ならでは。今までの曲を聞いてきても感じますが、完全に単独になっても面白いかもしれません。
自然ってのは難しいね
天気図を見て想う
突然天気が変わる自然。ほんの些細なことで気持ちが変わる恋は、天気にとても近いと言えそうです。恋は気まぐれなんて言いますし…。
どんな晴れてても
心は動いてる
晴れているようでその心は動くというのは、表の顔と中とは違いなのでしょう。完全に分からないからこそ面白いのですが、恋となると一致したいもの。
好きのバランスが一致してくれたらいいのに! の思いを感じさせます。似たようなレベルならいいけれど、崩れるとどちらにも重みになりますから…。
それでも一緒にいたいと思うのは、好きの気持ちが第一にあるからでしょうね。恋する思いにアイドルらしい曲は、好きな人は多いのではないでしょうか。
君がいなくなる12月
横山由依 卒業ソング「君がいなくなる12月」。(5曲目)
グループの総監督まで務めた彼女。卒業ソングが用意されるというのは、必然といって良さそうです。背伸びをしない、等身大の歌が聞けます。
君がいなくなる12月
まだ先だと思ってたけど
AKB劇場で12月9日に、卒業公演が行われる予定だからこその12月。歌詞にあるからこそ後からその時を思いだすでしょうし、うまい判断です。
また、後何ヶ月というのは思いの他に早く来るもの。青春を過ごしたがAKB48という場所の最後を噛み締めてほしいの意味が込められていそうです。
そんな日が来ないで欲しかった
始まりがあるからこそ、終わりがくるのは必然。永遠はないと知っているからこそ感じてしまう思いなのかもしれませんね。ささやかな願望。
相当数書いてきているはずなのに、終わりのない卒業ソング。いろいろ言われることもありますが、特定の人に向けた歌詞の秋元さんはいい感じです。
ブラックジャガー(First Generation)
そこにいるのは「ブラックジャガー(First Generation)」。(6曲目)
曲の中でころころとその存在が変わるジャガー。これを面白いか、よく分からないと受け取るかで、聞こえ方も大きく変わってくるであろう曲。
歌詞の内容から見ると、よく分からないのをあえて狙ってもいそうです。
誰のものでもないのに
特別な関係
アイドルとファンは正にこんな関係かなと。自分も好きだからそう感じるのでしょうけれど、特別なシンパシーというのはありますよね。
純粋な友だちでもないし、恋人の関係でもないけれど、大切な存在。
女たちは叫びだす
文字として見ちゃうとその印象が強くなりますが、本来の想定としては逆の男で、アイドルとファンのことを歌った曲なのかも…。
1曲の流れの中で当てはめていくと、個人的にはとてもしっくりときました。
あとがき
「根も葉もRumor」がタイトル曲だからこそ力が入っているのも分かりますが、カップリングの方がいい感じの曲が揃っているシングル。
好みの差は個人差で出るでしょうけれど、繰り返し聞くとなるとカップリングの方が強みになりそうです。タイトル曲は、かな〜り濃いので…。
また、2010年12月リリースの19枚目「チャンスの順番」以来のグループ単独によるもの。これは本来あるべき良い対応ではないでしょうか。
今までとはもう状況も異なるでしょうし、この形をキープしてくれることを期待します。系列とはいえ、横からきて急に選抜とか意味不明でしたから…。
AKB48がここから息を吹き返すのか、停滞を続けるのかは分かりませんが、面白い存在であるのは事実。良い変化が見られることを期待しています。
以上、『AKB48:根も葉もRumor ~目の前にいる私を見て判断をして~』でした。
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