鬼頭明里:STYLE ~1方向には収まりきらないのが私流~

鬼頭明里:STYLE邦楽レビュー
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鬼頭明里 (きとう あかり) 1枚目のアルバム「STYLE」。

25歳の誕生日「Swinging Heart」、今年に入ってから2枚目「Desire Again」を挟んで、遂にリリースされたフルアルバム。

「STYLE」というアルバム・タイトルの通り、幅広い音楽性を聞かせてくれます。ソロデビューしてからの展開は早いですが、興味深い内容です。

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STYLE 収録曲概要

「STYLE」収録曲は以下の通り。

  1. Drawing a Wish
  2. INNOCENT
  3. Desire Again
  4. Fly-High-Five!
  5. Star Arc
  6. Always Going My Way
  7. 23時の春雷少女
  8. dear my distance
  9. CRAZY ROCK NIGHT
  10. Closer
  11. Swinging Heart
  12. 君の花を祈ろう
  13. Tiny Light

トラックリストを見た時に2枚のシングル6曲全てが含まれていて、「ん?」と思ったのも事実。声優さんのアルバムに特に多い、詰め合わせ感。

それでも全体の中で、基本的にはうまく溶け込んでいるから不思議。ここはシングルから、アルバムから入るのかで聞いた印象は変わってきそうですよ。

もう1つ言えば「君の花を祈ろう」。「Tiniy Light」は順序が逆かも…。1枚目として十分過ぎる内容ですが、収録方法を含め”もっと”ができたかもですね。

どうでもよければ気にならなくても、彼女の存在と内容としていいだけに、アルバムを通して聞いていると惜しいなと感じてしまいました。

Drawing a Wish

オープニング曲「Drawing a Wish」。(1曲目)

曲名の通り、願い事を描くからこそ、夢はかなえられるという思い。真っすぐな勢いは、1枚目のアルバムの1曲目にぴったり!

無難にまとめた 模倣画じゃ響かない
本物の笑顔を 見たいし見せたいよ

せっかくアーティスト活動するのだからこそ、輝きたい。あとがきで後記していますが、あえて難しい挑戦をするのは、この曲の思いにも共通するかのよう。

アルバムの中でも、1曲目はこの曲であることに意味を感じます。

INNOCENT

雰囲気をがらっと変える「INNOCENT」。(2曲目)

同系統を続けるのではなく変えてくるのが、「STYLE」の世界といっているかのよう。余韻が残る歌声が生きるので、得意なタイプの曲じゃないでしょうか。

もう目を逸したりしない
確かにある それを 恋とよぼう

感じていた感情が”恋”と気付く部分。MVとしての映像はなくても、聞きながら歌詞を見ていると情景が浮かんでくるかのよう。

演奏も歌うのも難しいと思いますが、この曲がこれでもかと決まればライブの出来が大きく変わってきそうです。

Fly-High-Five!

青春パンクな「Fly-High-Five!」。(4曲目)

ライブでの演奏が前提といえる曲。よくあるタイプではあっても言葉の発音が良く、しっかりと歌詞が伝わってくるのは、さすが声優さん。

二度と来ない今日は 一生の宝物
最高な今を楽しもうよ

ライブそのものですね。歌詞にもある「jump!」の通り、飛び跳ねているのが想像できます。うまくまとまり過ぎているので、もう少し弾けてもいいかも?!

Star Arc

シンフォニックな要素をもった「Star Arc」。(5曲目)

自分の弱さを知ることで、強くなっていく思いを感じる曲。テーマ、音程もブレスも難しいはずなのですが、歌いきった力量にびっくりさせられます。

ファンの子がカラオケで歌うのは、このアルバムの中で最大級に困難かも…。曲を作る側とすれば、これも歌えちゃうんだと期待感が高まりそうです。

ここからもう1度始めてみよう 夜明けを待たないで進むよ

希望に向かって孤を描くですから、日が開けるのを待たなくてもいいのかも。○○がきたら始めるじゃなく、思った時が始まる時なんでしょうね。

だからこそ、光輝くことができるのかもしれません。歌詞、曲も含めて、とても興味深い曲です。

23時の春雷少女

MVも作られたアルバムのリードトラック「23時の春雷少女」。(7曲目)

歌詞だけを見ると話し言葉になっているのに、聞くとそうは感じさせない曲。力量がなければよくある日記のような歌になるところを、そうはさせない。

どちらがいいというよりもその時しか聞けない、長く聞ける曲になるのか大きく関わる部分。曲名にもありますが、春雷少女とは彼女自身であるようです。

日付はもう間もなく変わる 私と君も今変わるんだよ

日が変わると同時に、私も君も変わる。一緒に今までにないステージに行こうよ! と言っているかのようで、背景も興味深く聞ける曲。

音数も多いのですが、ぐちゃぐちゃにならずに歌声が前にクリアに出てきているのも特徴。アルバムのなかでも「これは!」と感じる人は多そうです。

CRAZY ROCK NIGHT

ロック好きとしては曲名を見ただけで気になった「CRAZY ROCK NIGHT」。(9曲目)

聞ける歌声だけでなく、歌詞の感じも他とは異なる曲。アルバムの中でも一番意外性があり、聞いていて面白く感じました。

ここにはそう恥なんていらない
さらけだそう

弾けちゃおうぜ! という思いは、まさにライブですね。「Fly-High-Five!」もですがうまくまとまり過ぎているので、ライブでどう変化するでしょうか?

この曲で聞ける低音をぼやけずにうまく消化できたら、映えるでしょうね。

君の花を祈ろう

曲名が印象的で気になる「君の花を祈ろう」。(12曲目)

優しくも強く、背中を押してくれる曲。君は決して一人じゃない。守ってくれる人がいるんだよと教えくれるかのよう。アルバムに必要な曲ですね。

It’s blooming in your heart
その蕾 信じて
どんな時も隣にいるよ

君の心に咲く花とは、聞けばなるほどねと納得。曲名だけでなく、聞いて分かる要素が加わるのは、もう1つの音楽の楽しめる要素ですよね。

この曲で聞ける包みこんでくれるような歌声は、とても優しくて強い。

収録曲概要でも書きましたが、「Tiniy Light」だとボーナストラック的になるので、この曲がラストの方がアルバムにまとまりが生まれたようにも感じました。

あとがき

声優さんはアーティスト活動も興味深い人が多いですが、彼女もその一人。完全でないけれど、これからもっと発展していくことが感じられるのもいいですね。

1枚目のアルバムで要求するのは酷かもですが、きれいにまとまり過ぎているようにも聞こえるので、そこは今後の課題かも…。

また、内容じゃない部分を言われるのはかわいそうですが、このアルバムに伴う東名阪のライブチケットが当初のほぼ倍額となったことが話題に!

現在の状況からソーシャルディスタンスを保ち人数を入れられないことからの判断らしいですが、どうなるんでしょうね。

ライブをしないよりも、痛みを伴いながらする選択。ベテランではなく、アーティストとして新人の彼女が選んだというのは興味深い。

もともとの金額が新人としては高かったので、かなり勝負な戦略。金額以上の価値を与えてくれれば全く問題はないですが、荷は重いかもしれません。

太客、濃い人だけでなく、ライト層を満足させてこその成功ですから…。

この1枚のアルバムを再現するだけでは間違いなく不足しますし、どんな表現をライブでしてくれるのでしょうか。難しいですが、うまくいけば化けますよ。

 

以上、『鬼頭明里:STYLE ~1方向には収まりきらないのが私流~』でした。


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