あいみょん 1枚目のアルバム「青春のエキサイトメント」。
2016年に「生きていたんだよな」でデビューをしてから、3枚のシングルをはさんで、2017年にリリースされたアルバム。
ミニはインディーズ時代に2枚ありますが、フルとしては今回が初めて。また、ジャケットの赤一面の濃さと同じく、収録されている曲の内容が濃いのが特徴。
シングルの3曲が変に主張をするのではなく、絶妙な曲順で中に含まれているのがいい感じ。きっと長い期間、楽しんで聞くことができるアルバムです。
青春のエキサイトメント 収録曲概要
「青春のエキサイトメント」収録曲は以下の通り。
- 憧れてきたんだ
- 生きていたんだよな
- 君はロックを聴かない
- マトリョーシカ
- ふたりの世界
- いつまでも
- 愛を伝えたいだとか
- 風のささやき
- RING DING
- ジェニファー
- 漂白
インディーズでリリースした2枚のミニ・アルバムに収録されているような強烈なインパクトの曲名はないのが、逆に面白く感じます。
デビューして棘がなくなったのではなく、あえて出さなくても存在を表現できるようになったからこそ、こうなった気がするからです。
聞いてみれば抑えているのでも、丸くなっているわけでもないのが分かります。この内容で1枚目のアルバムですから、興味がわくだけでなく驚きです。
あいみょんが青春として過ごしてきた時間が、すごく興味が深々になりました。
憧れてきたんだ
ギターとドラムのみのシンプルな演奏の「憧れてきたんだ」。(1曲目)
シングルよりもアルバムは経歴として長く残ります。だからこそ、デビュー1枚目の1曲目は、シンガーソングライターというの出したかったんでしょうね。
シンプルで極まりない演奏と、歌詞にあるメジャーを辞めたシンガーソングライターや、見なくなった人には自分はならないぞ! という宣言のように感じます。
プラス「私は変わったんだ」でブチッと曲が終わるのは、憧れてきたものだからこそ、ケンカを売っているんだという意志のようなものも感じました。
自主制作のインディーズであればありそうな気もしますけれど、メジャーの1枚目。1曲目で自分をしっかりと出す、あいみょんは面白い存在です。
ふたりの世界
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少し変わった二人に関係性を歌った「ふたりの世界」。(5曲目)
離れたいけれど、離れられない関係は周りから見たら不思議な関係に見えますが、二人にとっては普通の関係なんでしょう。変わっているのが当然という。
家族だと血がつながっているから切れないものもあっても、恋人や夫婦は結局のところは他人だからこそ、ズレてしまう部分もあります。
自分は結婚していないし、恋愛はしても歌詞のような関係にはなったことがない。だからこそ分かり得ない部分もありますけれど、面白いなと感じました。
フィクションではなく、ノンフィクションの歌詞だと思います。もしもあいみょんと付き合ったら、変わった面白い恋ができるのかなと想像しちゃいました。
歌うではなくささやいている部分があるなど、ふたりの世界が面白いです。
風のささやき
しっとりとしたシンガーソングライターらしい曲「風のささやき」。(8曲目)
風のささやきとは風ではなく、無責任なことばかりいってくる、人のことを指していますよね。だからこそ、風のささやきなのにふざけんなと思ってしまう。
頑張っている人に頑張ってといって、プレッシャーをかける人。昔はこうだったとか役に立たない助言をするやっかいな人への、メッセージに聞こえます。
静かにしっとりとしていても、メッセージ性はとても強い曲。風のささやきにはムカついても、自分の場所を探そうというのは負けない心を感じます。
文句をいうだけではなく、やるべきことはしなきゃダメよと背中を押してくれる曲。風のささやきは、そうだねと軽く流してしまえば最高かなと。
漂白
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アルバムを締めくくる「漂白」。(11曲目)
新しい恋をする度に真っ白な状態の私でいたいけれど、過去の残ってしまう思いという色があると歌った曲。聞いていて共感ができる女性が多いかもですね。
どうせ完全には真っ白にはできないのだから、「また会いにきてね」というのは、女性特有の強さを感じます。男性は大抵の人が引きずりますから…。
思い出は引きずるし、真っ白にするのではなく、別の色として取り扱えると思うけど、できなくて失敗する。恋に関して男は基本的に不器用です。
完全には気持ちが分からないからこそ、面白いなと感じてしまいました。
あとがき
赤に染まったアルバム・ジャケットがインパクトで目を引きますが、収録されている曲は、それ以上に興味が引かれます。
シングルを聞いたからいいや! ではなく、アルバムを聞くからこそ、より強い独自の世界観がわかるようになっていますよ。
あいみょんはシンガーソングライターですが、このアルバムを主軸とした世界感を示すというのは、聞いていてバンドに近い感じがしました。
自分が聞いていて興味を引かれてしまうのは、歌声や歌詞の独特な世界感はもちろん、きっとバンドを感じるからかもですね。
今はリリース元による違いはほぼなくなってきていますが、メジャー1枚目のアルバムでこの表現力を持つあいみょん。興味深く、面白いです。
以上、『あいみょん:青春のエキサイトメント ~この興奮を分けてあげる~』でした。
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