Adam Lambert:Trespassing ~拒んでもに体の奥深くへ侵入する音~

Adam Lambert:Trespassing洋楽レビュー
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Adam Lambert (アダム・ランバート) 2枚目のアルバム「Trespassing」。

デビューアルバムでありながらクオリティが高かった前作「For Your Entertainment」から、約2年半ぶりとなるアルバムです。

現在3枚のアルバムをリリースしているアダム・ランバートですが、1番デジタル色が強いアルバムです。ロックではなく、デジタルポップですね。

他のアルバムとは違う傾向だからこそ、逆に聞きどころも多いアルバムになっています。他の2枚とも、QUEENの活動とも異なる、興味深いアルバムです。

「Trespassing = 侵入する、侵害する」というアルバム・タイトルの通り、デジタルポップだからこそ、耳から体の中に侵入してくる感じがしますよ。

Trespassing 収録曲概要

「Trespassing (Deluxe Version)」の収録曲は以下の通りです。

  1. Trespassing
  2. Cuckoo
  3. Shady (feat. Nile Rodgers & Sam Sparro)
  4. Never Close Our Eyes
  5. Kickin’ In
  6. Naked Love
  7. Pop That Lock
  8. Better Than I Know Myself
  9. Broken English
  10. Underneath
  11. Chokehold
  12. Outlaws of Love
  13. Runnin’
  14. Take Back
  15. Nirvana
  16. By the Rules
  17. Map

12曲目までが通常盤の本編で、13曲目以降はDeluxe Versionのボーナス・トラックです。ボーナス・トラックにも、聞き逃がせない曲が入っています。

曲数が多くなればなるほど不要な曲というのは出てきますが、外せない曲が増えるという逆の現象が起きている、興味深いアルバムです。

ボーナス・トラックも含めると17曲で1時間1分と長いのですが、長さを感じずにアルバムを聞き終わるのは、既に心に侵入されているからでしょうか?

Trespassing

アルバム・タイトルオープニング曲「Trespassing」。(1曲目)

リズムが特徴的でセクシーな歌声が聞ける曲は、オープニング曲にぴったりな曲です。リズムに乗ってきって歌うフレーズは、特に頭の中に侵入してきます。

訪問者がくるのは好きではないと言いながら侵入されると受け入れてしまい、準備ができるまでもう少し待ってなんて、すごく面白い感情です。

少し…。いや、大胆すぎるHな歌詞が自然の耳に入ってくるのは、正に侵入ですね。

Cuckoo

ダンサブルな曲と歌詞が面白い「Cuckoo」。(2曲目)

「Cuckoo = カッコウ」は鳥の種類でもありますけれど、この曲のCuckooは口語でいうところの「まぬけ、ばか者」ですね。面白い表現です。

鳥のほうで考えるとなぜ? となる歌詞なのですが、「まぬけ、ばか者」となるとなるほどです。英語の同じ言葉でも、意味が全く異なる面白さがある言葉です。

Gonna party till  they take us away

「彼らが私を連れ去るまでパーティーをする」となっていますけれど、彼らは自分でもあるので、永遠にパーティーが続きそうです。やめる気すらないかも…。

曲的にも面白い曲ですけれど、歌詞もいろいろな解釈ができて面白い曲ですよ。

上の動画はバンド編成のセッションですが、アルバムの収録とは演奏が変わることで、大きな違いが感じられます。演奏によって表情を変える曲です。

他のアルバムの曲も同じように、バンド形式になると大きく変わりそうな気がします。

Never Close Our Eyes

目を閉じないででも少し背景の異なる「Never Close Our Eyes」。(4曲目)

明日が保証されているわけではない。死んでからいくらでも眠る時間はあるから、今は目を閉じないでと、深いテーマが込められた曲です。

機械ではないから実際は休息を取らずにはいられないですけれど、全てが保証されていて、明日がある人なんて少ないですよね。何が起きるとも限らない。

今を生きているのだから、今を一生懸命生きようと言っている気がしました。想像がすぐにできませんが、MVのような世界にならないとは限りません。

Better Than I Know Myself

あなたなしでは生きていけないと歌った「Better Than I Know Myself」。(8曲目)

聞くだけやさらっと歌詞を見てあまいラブソングと思いきや、この曲のあなたは自分自身です。自分自身がいなければ、確かに生きていけないですよね。

But you’re the only one that knows me

「でも、あなたは私を知っている唯一の人」。自分自身だからこそ、全てをしっている唯一の人になっています。歌詞だけで見ても、とても興味深い歌詞です。

自暴自棄なっている人に、自分を見失わないでというメッセージを感じます。その上で、あなたが知っている以上に良いやつなんだは優しいです。

MVもすごくいいので、歌詞も確認しながら見るのをオススメします。

Underneath

切なさと寂しさでいっぱいになる「Underneath」。(10曲目)

「Underneath = 下に」というのは私の下になれというのではなく、土の下に眠る。つまり亡くなったことを指すから、切なさと寂しさを感じてしまいます。

亡くなることは天に召されてや星になったなんて表現をしますけれど、抜け殻となった肉体が天や星に行くことはないですよね。現実だからこそ、切ないです。

直接的な歌詞の表現はないのに、表現力の高さに聞き入ってしまいます。アルバムの中でも少し異色の曲になりますが、特に聞いて欲しい曲です。

Outlaws of Love

通常盤の最後の曲である「Outlaws of Love」。(12曲目)

無法者、ならず者である「Outlaw」と「Love」が組み合わさる、曲名を見ただけで気になってしまう曲です。歌詞もとても興味深いものになっています。

「They say…」とあるので、自分からの愛ではない。誰か別の人から見た愛であるからこそ、「Outlaws of love = 愛の無法者」です。

同性愛者であるアダム・ランバートだからこそ、歌えた曲だと思います。以前より一般的になってきたとはいえ、同性愛が特殊に見られるのも事実…。

歌詞には出てきませんが、変わった目で見ないで。私たちには自然な愛で変わらないのだから。というメッセージであるようにも聞こえました。

優しい歌い方ですが、偏見の目で見られることの嘆きの声にも聞こえます。

Nirvana

ボーナス・トラック「Nirvana」。(15曲目)

Nirvana (ニルヴァーナ)というとカート・コバーンのいたバンドを思い浮かべてしまいますが、この「Nirvana」という曲も興味深い曲です。

「Nirvana = 涅槃(ねはん)」。涅槃には永遠の平和、安楽の世界、釈迦の死などいろいろな意味がありますけれど、この曲は安楽の世界が近い気がしました。

あなたを横に寝かせて安心して寝てもらうこと。その姿を見て自分も安らぎを感じることは、安楽の世界な感じがします。歌い方も優しいです。

眠ることが通常の眠りなのか、永遠の眠りなのかは分からないのが、曲の深みを増しています。聞く人によっての解釈を残しているのが、いいですね。

あとがき

3枚のアルバムの中でもデジタル色が強く、印象が異なるアルバムです。演奏の無機質な音の中に、感情が豊かなアダム・ランバートの歌が興味深いですよ。

リリースから7年以上たった今となったからこそですが、ボーカリストとしての魅力をより表現するために、あえて無機質なデジタルを選択した気もします。

歌詞のテーマも扱うのが難しいものが多くなっているのに、聞いていて心の中に響いてくる歌は、このアルバムでさらに成長をしたからでないでしょうか?

もともとがうまいボーカリストですが、表現力が格段に上がったのはこのアルバムをへたからの気がしています。セクシーさもギュッと上がっていますね。

デジタル色が高いと地代とともに古くなる場合が多いのですけれど、古くならない形にまとめられているのもポイントです。興味深く、面白いアルバムです。

 

以上、『Adam Lambert:Trespassing ~拒んでもに体の奥深くへ侵入する音~』でした。


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JOE (ジョウ)

Guitar、F1を筆頭にモータースポーツ全般、野球(巨人)が好きな、ジャンルを問わない音楽マニア。日々記事更新中で、SNSは基本オマケ。 もっとプロフィール & あぶまいについて

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