Adam Lambert (アダム・ランバート) 3枚目のアルバム「The Original High」。
前作「Trespassing」から3年1カ月。Queen + Adam Lambertとしてツアーでの活動をしてからは、初のアルバム。
テレビでの共演と、ツアーを行うのは絶対的な違いがありますよね。
Queenと一緒に活動した結果なのでしょうか? 1枚目のバンドよりと、2枚目のデジタルポップが、うまく交わったサウンドを聞かせてくれる内容です。
The Original High 収録曲概要
「The Original High (Deluxe Version)」収録曲は以下の通り。
- Ghost Town
- The Original High
- Another Lonely Night
- Underground
- There I Said It
- Rumors (feat. Tove Lo)
- Evil In the Night
- Lucy (feat. Brian May)
- Things I Didn’t Say
- The Light
- Heavy Fire
- After Hours (Bonus Track)
- Shame (Bonus Track)
- These Boys (Bonus Track)
12〜14曲目は曲名にも記載されていますが、Deluxe Versionのボーナス・トラック。前作と同様に、またボーナス・トラックがこれでもかと秀逸な曲。
ですので「The Original High」を聞くならば、Deluxe Versionが断然にオススメです。逆に、ボーナス・トラックになった背景を知りたいぐらいです。
あるとすれば本編1曲目「Ghost Town」から11曲目「Heavy Fire」に、入る場所がなかったのが理由かもしれません。最後まで聞き逃がせないアルバムです。
Ghost Town
オープニングは「Ghost Town」。(1曲目)
自分の心がゴーストタウンになったんだという、興味深い曲。
「Ghost Town = ゴーストタウン = 幽霊都市 = 廃墟化して住んでいる人がいない事」ですから、心が無くなってしまったということですよね。
心が無くなってしまうのは、信じていた人や物がなくなってしまったからという、切ない思いでいっぱいの曲。寂しくても、どうすることもできない…。
アダム・ランバートのセクシーが歌声が、思いとともに心に響きます。心が無くなるからこそ「The Original High」で戻ろうとする。興味深い思いです。
Another Lonely Night
歌詞の世界感が興味深い「Another Lonely Night」。(3曲目)
「Lonely Night = 孤独な夜」ならば分かりやすいのですが、「Another = 別の」が付くことで、どういうことだろう? と興味を引かれます。
And all I got is your ghost
「そして、私はあなたの幽霊を手に入れた」。孤独な状況が歌われているので、あなたを思う気持ちが強くて、別の新しい恋ができないのかもですね。
あなたはもうそばにいないからこその孤独であり、あなたを思い続けるとさらに1人の時間は増えていく…。特に幽霊ということは、別れ方が特殊。
孤独であるのに、そこから抜け出せない思いが本当に切ない。1人の夜を楽しんでいるのではなく、抜け出せないのが寂しさを誘います。
There I Said It
真実が欲しいだけなのに、たどり着くことができない「There I Said It」。(5曲目)
だどり着くことができないのは、嘘をついてしまうから。言葉は思いを伝える最上の手段だからこそ、間違いを起こしてしまう理由もわかります。
言葉に出してしまったら重く心に残る言葉もあるので、謝ってすまなくなることもある。思いを言葉として出すことに、慎重にならなければと感じさせます。
曲として伝えるには難しいテーマですが、アダム・ランバートの歌声だからこそ込められた思いが伝わってくる気がしました。難しく、深いテーマです。
Lucy (feat. Brian May)
ブライアン・メイをフィーチャリング「Lucy (feat. Brian May)」。(8曲目)
QUEENのブライアン・メイが参加をするのは、Queen + Adam Lambertでの活動があるからですよね。シンプルですけれど、カッコいいギターが聞ける曲。
「Lucy 」は女性の名前。彼女は逃げていくという、自分の元から去っていくのに、何もできない状況が切ないです。情景が思い浮かぶ気がしました。
ブライアン・メイのギターが入っていなかったら、違う印象になりそうな曲。やっぱりギターは、切なさを表現するのに必要不可欠な楽器ですね。
Things I Didn’t Say
「There I Said It」と対になる「Things I Didn’t Say」。(9曲目)
「There I Said It」の言葉にしてしまったことに対して、「Things I Didn’t Say」とは、思いはあるのに言えなかったこと。ずっと心に残る後悔。
言葉に出して言って誰かを傷付けてしまったり、発しなければ思いが伝わらない…。どう言葉を扱えばいいのかと、考えてしまう曲。
言葉に出すことなのか、言わないことで伝わらない後悔。うまくバランスを取らなければ幸せになれないよという、メッセージだと受け取りました。
特にこの曲は「There I Said It」と、セットで聴き比べるのをオススメします。
Shame
ボーナス・トラック「Shame」。(12曲目)
「Shame = 恥」という曲名と、少し中華風で、イー・アル・カンフーの雰囲気のある曲調が面白い! 恥ずかしいと言いながら、楽しんでいますね。
アダム・ランバートの歌い方も、恥かしい状況を楽しんでいるように聞こえます。聞く人によっていろいろな解釈ができる歌詞は、興味深さが増しますよ。
You’ve got me
Ashamed
「あなたには私がいる 恥ずかしい」となるのは、お互いを深く知ることになっても、隠された部分も持ち続けたいということかなと思いました。
生まれたままの姿よりも、隠れている部分があるからこそセクシー! 全てではなく、想像できる部分があるからこそ魅力を感じますから…。面白い歌詞です。
難しい英語は含まれていないので、歌詞を見て聞くことをオススメします。
These Boys
「Shame」と同じくボーナス・トラック「These Boys」。(14曲目)
歌詞を見ると「These Girls」ではなく、「These Boys」にしているのが、アダム・ランバートらしい感じ。聞いているだけで楽しくさせてくれます。
止めて欲しいのか、止まりたくないのか分からない感情だからこそ、追いかけっこをするのを楽しんでいるように聞こえました。面白いですね。
演奏も面白く、アルバムの中で1番コピーしたくなったのはこの曲でした。
あとがき
デジタルよりではありますが、バンドサウンドも融合されたアルバムは、いろいろな感情を感じさせてくれます。切なさと、楽しさがどちらもですね。
両極にあるものが一緒にあるからこそ、アルバムとしてより楽しめる気がしました。同時に、アダム・ランバートの表現力の高さだからこそできた内容。
並大抵のボーカリストであれば、焦点がバラバラになって散漫なアルバムになってしまうのでしょうね。やっぱりセクシーで、カッコいいボーカリスト。
いろいろな感情と表情を聞けるアルバムは、曲単位ではなく、全体を通して聞くことを強くオススメします。また、その際のオススメはDeluxe Versionです。
以上、『Adam Lambert:The Original High ~常に自己最高を求め続ける~』でした。
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